蕗の薹(とう)
春浅い常陸路を絵を描く仲間と共に旅をした。
現代日本画の源流とも言える業績を残した先人の回顧展が水戸市で
開かれているのを観てから、丁度旬の梅の花見をしようと言う行程である、
共に見応えのある素晴らしさを満喫した。
夜は水戸から少し北の滝で有名な袋田の温泉宿で大いに飲み明かしたものである。
翌日は清々しい朝ではあったが一晩置いた駐車場の車にはうっすらと積もった
白い塵が目に付いた「杉花粉です」と宿の人、同行の中に数人の花粉症の
人がいてこれだけ花粉があればと 妙な納得をしてしまった。
ところでその駐車場には近くの農家の人達が朝市を開いていて大根や、椎茸やら
佃煮など みな手作りらしく素朴に並べてあったが、その中に薄い緑の可愛らしい
「蕗のトウ」を見つけ
新鮮な春の香りを家への土産とした。
ほろ苦い味で春を告げてくれる小さな塊はその夜は てんぷらになったし、鰹節と共に
佃煮になったそれは それから何日かわが家の食卓を楽しませてくれた。
花粉、蕗のトウ、良かれ悪しかれ旬の物ではある。
ところで、先年には春の北海道を訪ねる機会があって旭川から時計の逆周りに
大雪山を一周するドライブをした。
さすがに北海道は雄大である、道はすべて素晴らしい舗装道路ばかりで快適だが
一泊旅行となったこのドライブはゴールをしてみると400Kmも走破していた。
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田は代掻きをして水が張られていてその水面に残雪の山々や、おりしも一斉に咲く春の花々の姿を映す見事な景色が続くのである
。
峠を越えて十勝に入ればここは風が強いのだろう高い防風林の垣根がいくつも重ね合わさる大きな景色大型のトラクターが黒土を掘り起こし土の匂いや時には肥料の強い匂いが鼻を衝く田園が続く
。
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大雪山麓の春(富良野) 4変
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東大雪の風景は日本離れをしている、大きな山や原林の連なり 、そして道路沿いの林の中には水芭蕉が並んで白い姿を見せるのが可愛らしく続くのである
。
しかし道すがら気がついたのは浅い緑で春の景色を塗っていたのは蕗の若葉、つまり蕗のトウが一面だったのである。
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狩勝峠
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大雪山麓の春 (富良野)
4号変形
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