お茶

 「お茶にしましょう」、「粗茶でございますが」、「お茶を一杯どうぞ」、「食後のお茶は何にする? ・・・
うん、 番茶がいいな!」などなど、お茶はともかく我々の日常に
欠かせない 。

 茶、チャイ、世界中・・・ヨーロッパの言葉だって ティー(英)、テ(仏)、テー(独、ス、伊) みな語源は「茶」である。
  もっとも茶葉の加工は日本の玉露、煎茶、番茶やほうじ茶など馴染の物から、本場 中国茶の 種類は数知れず、 紅茶の本場は英国であるとばかりにロンドンのデパートの売り 場では 大きく一角を占めているし、パリのデパートでさえ沢山の種類のお茶を並べて いる売り場が 目に付く。

 美味しく淹れられたお茶の味は判るつもりでいるけれど、さりとて抹茶や煎茶のお手前に ついて触れるほどのたしなみを持ち合わせのない小生だが、心込めて丁寧に淹れられたお茶の一杯は美味しく、会話が滑らかに弾もうという事くらいは判っているつもりだ。

 お茶は水の良さでも大いに味が変わる、不思議なくらいに変わる このことは良くご承知 だと思う。
宇治茶といえば古くからお茶の本場だが 例えば旬の頃 ご当地で美味しい新茶を頂いて 感激し、その茶葉をみやげに東京に持ち帰っても、味わうその味は何かどこか少し違って いる感じになる。
 また、適当な温度のお湯は茶の風味を大いに引き立てるが、欲を言えば火鉢に載せた 鉄瓶でじっくりと沸かしたお湯で淹れたのなら、この上もなく申し分ない筈である。

 わが個展ではご遠路を会場までお越し頂いた方にまずはお茶を一服差し上げてから、 ゆっくりとご覧頂きたいと思うのだが、水は街中のビルの蛇口からの水を使わざるを得ず 浄水器を通しているとは 云え手狭な水場では充分な用意も出来ない・・・と言うのが実情。
 だからペットボトルのミネラル水を会場に持ち込んで使うことにしている
 

 ところが数年前 「このお茶が評判良いんですよ」と紹介された、使って見るとそのお茶は お客さんの評判も大変に良かったので 以来ずっと使わせてもらっている。
このお茶は いつもお茶番をしてくれるわがカミさんが不思議がるくらいで電気ポットのお湯で 色、味、香まで」が満足できるのだ という・・・不思議なお茶なのだそうだ。

 初めはデパ地下の売場の片隅に並んでいたのだけれど、評判が良かったのだろうか品物も やや高めの値段設定ながら、今では同じ町に独立店舗を構えて繁盛している。

 はるばるお越し頂く方には誠にささやかなおもてなしなのだけれど・・

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