ビーフシチュー 地球の裏側まではるばると景色を眺めたり美術館などを訪ねる旅を厭わないくせに、いつでも
行くことが出来る名所・・・そこを目指して全世界から観光客がやって来ていたとしても・・・は案外
訪ねる事を後回しにしてしまうケースが多い。 かつて三浦半島は東海道線や横須賀線に乗るチョッと小旅行気分だったけれど、地域の開発が
進んで東京のベッドタウンになったり、ドライブ・コースとしても簡単に行ける様になると頭の中では、
いつでも行ける場所になってしまった。 新緑が眩いばかりの朝のこと カミさんが「鎌倉を歩いてみたいねェ」と言い出した。 思い立ったが吉日とスケッチ道具などを入れたサブ・ザックを背に電車を乗り継ぎ北鎌倉駅に降り 立った。週末客が降り立って狭い駅のホームに一杯になるほどだったが まずは線路沿いに歩き 禅寺の円覚寺境内へと向かった。 気持ちの良い5月の午前の太陽は新緑の梢を照らし、光と影作って周りの山々は眩しかった。
山肌は幾種類もの新しい緑色に染められていて山藤の赤紫色の房が彩りを添えている。 この日はひたすら歩いた、建長寺手前を右手に折れて小路を登れば 鎌倉七切通しの一つ 公園横から急坂を下ると途中の右手には銭洗い弁天につながるトンネルである、泉でお金を
洗ってご利益に与かろうとの老若が沢山参詣に向かっていた。 初夏の由比ガ浜は賑わっていた、イベントが開催中、沖合いのウインド・サーフィンのセールは 風に吹かれていっせいに動き、ラウドスピーカーはハワイアンを流していた。 今日のコースは地図を広げると北から南へほヾ一直線に歩いたようだ。終点の由比ガ浜から引き 返した鎌倉駅からは 横須賀線電車に乗り 一日の新緑散歩をみやげに帰宅したのである。 さて昼食は建長寺近くでビーフシチュー、旧友のカミさんが自宅で始めた商売は今ではすっかり
北鎌倉で評判のお店となり、昼時のこととて玄関先には来店客の列が出来ていた。
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