独立行政法人等情報公開法初判決 勝訴
030508
内田@名古屋市民オンブズマン です。
転載可
岐阜の市民団体「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」(代表・兼松
秀代)が、独立行政法人等情報公開法に基づいて、核燃料サイクル開発機構に対して
1986-88年に旧動燃が作成した高レベル放射性廃棄物の処分地選定調査資料の
公開を求めていた裁判で、2003年5月8日、名古屋地裁は核燃の処分の内容が
不明確として処分は無効とし、不開示処分の取消を命じました。
独立行政法人等情報公開法に基づく判決はこれが初めてです。
核燃は高レベル放射性廃棄物処分地選定調査資料のうち、「調査対象地域等を
具体的に示すことにつながりうる情報」「調査対象地区を具体的に示すことに
つながりうる情報」を不開示部分として開示決定通知書に記載してきました。
しかしながら、裁判所は「“地区”ないし“地域”の範囲をどの程度の広がりを
持つ場所的範囲と理解すべきかが一義的に明確であるとはいえない」とし、
また「一般的な国民が“等”をグランドトゥルース調査の対象地域と理解すること」
は「およそ不可能」と判断。また、「調査対象地区(又は調査対象地域等)を
具体的に示すこと」に「つながりうる」か否かの判断は、これに接する個々人に
よって区々とならざるを得ないことが明らかであり、「一義的に明確な程度に
内容が特定されているといえないことは明らか」としました。
核燃の処分は「不開示部分と開示部分の区別、特定が十分でなく、その範囲が
一義的に明確であるとはいえないから、およそ内容上の効力を生じ得ない無効な
ものというほかない」と判決の中で述べています。
核燃は訴訟の中で「つながりうる情報」として「方位、地質構造帯名、岩石名、
地層名、山地名、河川名」などをあげてきましたが、処分をやり直すことなく
判決を迎えました。
文書開示決定などの「処分」は「一義的に明確であるように」とする今回の判決は、
情報公開条例・情報公開法に基づく判例のなかでもはじめての判決であり、
注目されるだけでなく、情報公開分野に限らず様々なところで応用されることが
期待されます。
原告代理人の新海聡弁護士は「核燃の情報公開に対する極めて遅れた姿勢が、
当たり前だが重要な判決を生んだ。しかし情報公開させるのには裁判で
都合6回勝たなければならない。勝訴したが核燃の姿勢には忸怩たる思いである。」
と述べています。
【参考】
●放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜(判決・訴状等あり)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~renge/
■核燃の不開示処分取り消し 文書公開めぐり名古屋地裁
中日新聞 2003/5/8
11:48
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20030508/eve_____sya_____007.shtml
■核燃公開訴訟:不開示処分を取り消し 名古屋地裁
毎日新聞 2003/5/8 12:11
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030508k0000e040031000c.html ■核燃機構の不開示処分の取り消し命じる 名古屋地裁判決
朝日新聞 2003/05/08 12:25
http://www.asahi.com/national/update/0508/011.html
■放射性廃棄物処分地選定の調査報告、不開示処分は無効
読売新聞 2003/5/8/12:25
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20030508i404.htm
以上
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全国市民オンブズマン連絡会議 事務局
内田 隆
ombuds@ac.npo.gr.jpTEL 052-953-8052
FAX 052-953-8050
NPO法人 情報公開市民センター
http://www.jkcc.gr.jp/--
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