2003年2月6日
福井県知事 栗田 幸雄様


              埋めてはいけない!核のゴミ実行委員会・みずなみ 
                                       市川千年
                核のゴミから土岐市を守る会     永井新介
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                                  事務局 寺町知正 
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                                        兼松秀代
    
                             
『もんじゅ改造工事』に対する申し入れ書

 福井県民の幸せのために日夜尽力され敬意を表します。

私たちは福井県に隣接する岐阜県の住民団体です。

 1月27日、「もんじゅ」の設置許可処分の無効確認を求めた行政訴訟の控訴審判決が名古屋高等裁判所金沢支部で言い渡されました。判決は福井地裁判決を取り消して設置許可処分を無効とし、司法としての独立を貫きました。裁判所はナトリウム漏れ対策、蒸気発生器伝熱管の破断事故、炉心崩壊事故の想定、審査に重大な誤りや欠落があり、設置許可は無効としました。判決に従い「もんじゅ」は安全審査をやり直すか廃炉とすべきです。

 ところが国は最高裁に上告受理申立をしました。しかし一昨年の控訴審高裁判決国敗訴による上告は1件もなく、上告受理申立3件中、2003年1月28日現在、1件も受理されていません(法務省調べ)。国が申立をした目的は『もんじゅ改造工事』をし、運転再開をさせんがための、時間稼ぎです。 

 この判決を受けて福井県知事の『もんじゅ改造工事』(1995年12月8日「もんじゅ」ナトリウム漏洩事故対策とイギリスで発生した蒸気発生器電熱管損傷事故対策)への判断が注目されています。

 私たちは、福井県知事の判断を固唾をのんで見守っています。
 その理由は、私たちが「もんじゅ」のみならず若狭に集中している原発の風下約70キロから110キロでの暮らしを余儀なくされているためです。風下となる時期は1年の4分の3です。1988年3月20日、敦賀半島から飛ばした風船はわずか2〜3時間で100キロを超える岐阜県内に到着しました。原子力事故時には私たちも福井県民同様、将来の世代にわたる被害を受けることになります。
 そのため私たちは若狭の原発を案じています。事故がないように、そして一日も早く廃炉にすることを願っています。特にプルトニウムとウラン混合酸化物燃料(MOX燃料)を使う「もんじゅ」はその危険性から、廃炉とすることを心から願っていました。今回の判決は私たちの願いを実現に近づけくれる判決です。
1995年12月8日「もんじゅ」ナトリウム漏れ火災が発生しました。これは当時の動力炉・核燃料開発事業団や国が起こり得ないと言っていた事故でした。幸い水素爆発にはいたらず、炉心は保たれ、私たちの命も保たれました。
原発の電気は安いという「神話」は崩壊し、事業者が原発に国の支援を求めています。コストを押し上げている大きな要因は核燃料サイクル路線です。しかし世界は危険で経済性のない高速増殖炉からとっくに撤退しています。
上記の理由により、以下のことを申し入れます。


                 申し入れ事項

今回のもんじゅ設置許可処分の無効判決を受け止め、
運転再開のための『もんじゅ改造工事』の事前了解を決してしないでください 。

 
                                     以上

 
もんじゅ改造工事
   事前了解反対の申し入れ

            提出先:福井県知事、敦賀市長
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