電源立地特別交付金申請ついての申入書

 岐阜県内の電源立地特別交付金対象自治体・恵那市、
 御嵩町、兼山町、八百津町、岩村町、明智町、山岡町と、
 愛知県小原村の各首長宛てに、申入書を提出


                       
              2002年8月28日

       電源立地特別交付金申請ついての申入書
   
                    埋めてはいけない!核のゴミ・
                        実行委員会みずなみ 市川千年
                    核のゴミから土岐市を守る会  永井新介
                    放射能のゴミはいらない!
                            市民ネット・岐阜 兼松秀代

 住民の幸せのために尽力されている貴職に敬意を表します。

 私たちは2002年3月、瑞浪超深地層研究所(以下、「研究所」とします)による電源三法交付金について、貴自治体により回答をいただいた市民団体です。
 2002年(8月24日付け岐阜新聞、)8月27日付け中日新聞によると、貴自治体は研究所による電源立地特別交付金を申請する意向とありました。
 電源立地特別交付金は瑞浪市長の求めに応じ、国が今年5月24日、政令を変更し、研究所を原子力発電と密接な関連を有する施設と政令で認め、『100万KW以下の原子力発電所』とみなして交付するものです。研究所は核関連施設です。しかも電源立地特別交付金は7月8日の研究所着工により申請可能となりました。
 電源立地特別交付金の目的は「大臣が原子力発電施設等の設置の円滑化に資するため」「特に必要であると認めるものに限」(電源開発促進対策特別会計法施行令 第1条第19号イ)り交付します。これが電源三法交付金の本質です。受け入れ困難な施設を、受け入れさせるための地元対策費です。
交付金の本質、研究所の性質を、貴自治体は国、核燃料サイクル開発機構、県、瑞浪市の説明に頼らず、独自に検討されましたか。住民や議員とどのように検討されましたか。住民は納得しましたか。
 貴自治体は否応なく巻き込まれている研究所の問題に対し、独自に調査し資料を集め、その上で確たる見解を表明すべきです。横並び思考は禍根を残す恐れがあります。
北海道が幌延深地層研究センター受け入れにあたって、2000年9月、周辺自治体に出した意見照会対し、幌延町を除く周辺7市町村が、反対や慎重意見を回答しました。
 1989年の岩手県釜石市に対する動力炉・核燃料開発事業団(現在の核燃料サイクル開発機構)の研究所の申し入れに対し、市民が処分場への懸念を表明し、署名活動を始めると、釜石市長は周辺の大槌町、遠野市、宮村の首長に意見を求めました。近隣自治体は協議を歓迎し、処分場になる不安を明確に表明しました。このため釜石での研究所の計画はわずか4カ月で白紙撤回されました。
 1998年の科学技術庁長官の岐阜知事への回答書(「確約書」)は、「法的効力のない政策文書、変わることは十分あり得る」というのが法律家の一致した見解です。貴自治体はどう判断されましたか。
 岐阜県が処分候補地である証拠に、原子力発電環境整備機構から挨拶や資料が何回も届いています。
処分場を拒否する、処分地に立候補しないと表明している瑞浪市も他の自治体と同じ扱いを受けています。処分候補地です。
 基金積み立て期限の5年という期間は、国の最終処分計画の改定、概要調査地区選定の時期にあたります。公募がなかったという理由でなし崩しに交付金交付地域が処分場を受け入れさせられる可能性を持った、重要かつ微妙な期間です。基金とすることで住民の不安を受け流すに十分な期間です。
貴自治体の研究所および電源立地特別交付金に対する明確な判断と、その根拠、その裏付けとなった資料等を住民や議会に公開し、慎重な議論を重ねられることを強く望みます。
                           以上
            
 トップページへ