核燃への抗議文



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００２年７月８日
核燃料サイクル開発機構理事長　都甲泰正　様
核燃・東濃地科学センター所長　鶴巻宏一　様

　　　　　　　　　　　　埋めてはいけない！核のゴミ実行委員会・みずなみ
　　　　　　　　　　　　多治見を放射能から守ろう！市民の会
　　　　　　　　　　　　核のゴミから土岐市を守る会
　　　　　　　　　　　　２１世紀の河合を考える会
　　　　　　　　　　　　放射能のゴミはいらない！市民ネット・岐阜


　　　　　　　　　　　　抗　　議　　文


　私たち５市民団体は、猛毒な高レベル放射性廃棄物の最終処分場につながる超深地
層研究所建設のための着工式に強く抗議します。

　この超深地層研究所は、国の原子力政策で、高レベル放射性廃棄物の最終処分に欠
かせない深地層の研究施設として位置づけられています。また、核燃の内部文書では、
この研究施設は隣接する同じ地層に処分場とセットで建設するのが妥当だとされてい
ます。これを裏書きするように、１９９７年秋、核燃はこの研究所に隣接する土岐市
泉町河合・定林寺地区に、国が公表していた処分場の面積と同じ４平方キロメートル
の区画を設定し、その後詳細な地下調査を実施しました。
　この超深地層研究所建設にたいし、当初の建設予定地であった月吉住民、隣接する
河合住民、私たち市民団体の６年間にわたる反対運動と核燃不信の世論の力によって、
進入道路もできず、核燃は建設の断念に追い込まれました。この６年間の研究所建設
に、核燃は１００億円と思われる国費を投入し、その全額が無駄になりました。地元
住民に不安を与え続け、金の力で住民間に対立をもたらしただけでした。このことを
誠実に反省し、責任を取り、東濃から撤退することがあなたの取るべき方策でした。
　しかし、あなたは何の反省もなく高嶋市長の新たな建設地提案に乗っかり、戸狩・
山野内住民、東濃市民、県民に不安を与え続ける道を選択しました。その姿に、私た
ちはこの地域が高レベル放射性廃棄物処分にとって非常に大切な、手放せない地域と
して位置づけられていることを確認しています。

　この研究所が安全な、処分場と無縁な施設だというあなたの説明は事実に反します。
　第一に、この研究所の地下施設は、最終処分のための法律で規定された精密調査地
区に必要な地下施設に相当し、そこで予定されている調査・実験は法が定める精密調
査の内容に合致します。この法律では超深地層研究所建設地を処分場建設地から除外
していません。
　第二に、１９８６年以来、あなたはこの地域で処分場選定に欠かせない地下調査を
実施し続けてきました。おまけに、処分場と同じ面積の区画まで特定しています。
　第三に、国の厳しい財政状況で、この研究所着工を条件に多額の電源三法交付金が
瑞浪市ばかりか周辺９市町村にも交付されようとしています。安全な施設でない証拠
です。
　今後も、私たちはこの超深地層研究所建設に反対し、この東濃を高レベル放射性廃
棄物の最終処分場にさせないために、あなたの活動を監視し続けます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上

　　　　　　　　　　　　申し入れ書

核燃料サイクル開発機構
東濃地科学センター所長
鶴巻宏一さま

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００２年7月8日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　核のゴミキャンペーン

瑞浪の超深地層研究所の着工に抗議し、建設の中止を強く求めます。

1.　超深地層研究所を最終処分場としないという貴団体の約束はあてになりません。もっと確実な「最終処分地にしない」という証拠を住民に示さなければ着工は許されません。
　貴団体は鳥取県においてもウラン残土を長年放置し、ついに裁判所から撤去命令が出されるに至りました。地元住民との約束を無視し、ずるずるとウラン残土を放置する姿勢には誠意がまったく感じられません。今回の瑞浪での急な研究所着工強行についても、住民の信頼を踏みにじるものです。

2.　研究所の予定地が最近変更されたのにもかかわらず、急いで着工するのは瑞浪への交付金を早く出せるようにするためではありませんか。
　変更された地域は旧河川敷きで、かなりの出水が予想されます。地下水の流れがこの工事により変化し、周辺の農家などの水利用に影響を与えることも十分に考えられます。周辺への影響を詳細に調査し、情報を公開し、地元の住民の同意を得た上でなければ着工は許されません。

〒162-0825　東京都新宿区神楽坂2-19銀鈴会館405　共同事務所AIR内
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