『岐阜県史 通史編 続・現代』に
超深地層研究所の記載がないのはなぜ??
<岐阜県史から御嵩産廃処分場問題の記述を削除>
岐阜県御嵩町は1997年住民投票で産廃処分場を拒否しました。その御嵩産廃処分場に関わる記述が、『岐阜県史
通史編 続・現代』(2003年3月発行)から、削除されていました。
執筆者が御嵩産廃処分場問題の原稿を提出し、納得出来る修正要求には応じた後に、再度、県が40ヶ所にものぼる削除と書き換えを要求しました。
県の言い分は「この本は県が金を出している。県の刊行物であるので、県の立場を書くべき」だ、つまり県の意向に添ったものしか認めないということです。
執筆者はさらなる大幅削除を含む書き換えに応じることは、県史の客観性を欠くとの判断から、御嵩産廃処分場問題の掲載を削除しました。
<超深地層研究所問題はどのように書かれたか>
御嵩産廃処分場削除問題に触発されて、超深地層研究所問題はどのように書かれているのか、調べてみました。ところが全く書かれていませんでした。
<記載がない!!>
あって当然の超深地層研究所問題が、なぜ記載されなかったのか、質問しました。
-----------------------------------------------------
2003年10月24日
岐阜県知事 梶原拓様
放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜
代表 兼松秀代
県史に超深地層研究所の記載がないことについての質問状
『岐阜県史 通史編 続・現代』に1995年12 月、協定が締結され現在瑞浪市で建設が進められている「超深地層研究所」(以下、「研究所」)についての記述が全くないことを10月17日、
元県史編集事務局の担当者に確認し唖然としています。
原子力利用を進めるための最大の難関・高レベル放射性廃棄物の処分場がありません。原子力発電がトイレなきマンションと言われているゆえんです。処分場どころか処分のための地下研究施設すら全国の関係道県や自治体から処分場に直結するものとして忌避され建設することができませんでした。その地下研究施設を岐阜県は積極的に受け入れたのです。
知事が研究所受け入れのために跡利用や地震研究所の設置を国に求めたこと、計画発表段階から県民の強い反対運動があったこと、知事室で協定を結び、同時に瑞浪市長と高レベル放射性廃棄物の搬入には道路の供用廃止等の手段をとる(体を張って阻止する)確認書を交わしたこと、核燃の調査を進めるために知事が科学技術庁長官から回答書(通称確約書)を受け取ったこと、日弁連の研究所建設中止の決議等々は事実です。(詳細は別紙)
従って県史の一つの項目として経過と推進反対それぞれの理由が記載されるべきです。にも関わらず記載がないのは県史の史料としての価値を損ない、併せて岐阜県の見識を疑わざるを得ません。
よって記載しなかった事実関係および現在どのように考えているかを質問します。
記
1.なぜ記載がないのか、以下の選択肢から選び、該当する場合は理由を記入してください。
1)執筆者が項目にあげなかった。
2)執筆者が項目にあげなかったため、県史編集室や県史編集委員会が記載を求めたが執筆者は応じなかった。
(応じない理由 )
3)執筆者が項目にあげなかったことを、県史編集室や県史編集委員会が容認した。
(容認した理由 )
4)執筆者は項目にあげたが、県史編集室または県史編集委員会の判断で記 載しなかった。
(県史編集室または県史編集委員会判断の理由 )
5)県史編集室あるいは県史編集委員会は検討項目に上げたが、執筆者や県 史編集委員会 の検討過程ではずした。
(検討過程と内容を詳細に )
6)県史編集室として検討項目に上げる必要を認めなかった。
(その理由 )
7)県史編集室として全く念頭になかった。
(その理由 )
8)1から7に該当しない場合。
(その理由 )
2.いま、改めて記載の必要性についてをどう考えていますか。
3.載せるとしたら『岐阜県史 通史編 続・現代』の三章のどこに入ると考えますか。
4.超深地層研究所の他に当然記載すべきものが記載されない事実はありませんか。
5.研究所の記載は次回の県史編纂を待たず、早急に追加すべきと考えますがいかがですか。
以上
11月14日までに文書にて回答ください。
<添付資料の概略>
岐阜県が超深地層研究所に積極的に関わっていることを示す主な事例。
1.研究所受け入れのために知事は科技庁長官に研究所の跡利用や地震研究施設をつくるように、科学技術庁に長官に要望書を提出し受け入れられた。
2.1995年12月28日、県と土岐市、瑞浪市と核燃の四者協定は岐阜県庁の知事室で調印された。
3.協定調印と同時に知事と瑞浪市長で体を張ってでも高レベル放射性廃棄物も持ち込みを阻止するという確認書を交わした。
4.協定締結の凍結を求める瑞浪市民約50%の署名が出され、住民投票条例直接請求の署名簿が提出された直後の協定に県民、国民、マスコミの関心は非常に高まっていた。
5.1997年の核燃による処分場規模4平方キロの詳細調査を進めるために、知事は科技庁 長官に照会し、1998年9月18日科技庁長官から知事宛に回答書(通称、確約書)が出 された。
6.回答書を根拠として1999年1月、核燃による4平方キロの詳細調査が実施された。
6'.日弁連の研究所建設中止の決議
7.研究所の移転のための説明会(2001年10月11日)に知事自ら出席し瑞浪市民に説明している。
8.移に伴う瑞浪市と核燃間の協定の立会人は知事と資源エネルギー長官だった。
9.超深地層研究所着工に直前に超深地層研究所は国の原子力関連施設と位置づけられ、電源三法交付金が交付された。電源三法交付金は県が申請し、当該自治体に補助金と して交付している。
ここに上げたそれぞれの項目は県の公文書や自治体の文書、市民の運動の事実です。県史の記載年限の2000年までには、1から6までがなされました。
トップページへ