2004年3月7日
福井県知事 西川一誠様
関西電力のMOX契約とプルサーマルを認めないでください
放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜
代表
兼松秀代
私たちの住む岐阜県は1年の四分の三を福井県の原発銀座の風下地域として過ごさざるを得ません。福井県若狭湾の水晶浜から飛ばした風船は2、3時間で岐阜県内に到着します。私たちはこの位置関係を回避することはできません。
放射能には県境も国境もありません。
18年前に起こったチェルノブイリ原発事故の放射能は8000km離れた日本にも到着しました。摘み取り時期であったお茶も放射能に汚染され、せっかく育てたお茶の葉を焼却処分した生産者もありました。私たち自身が、大地がチェルノブイリ原発事故の放射能に汚染されたのです。日本で今までこうした原発事故が起こらなかったのは幸運としか言いようがありません。
事故がなくても原発からは日常的に放射能が放出されています。放出しないければ運転できないのが原発です。私たち岐阜県民は自然放射能に加えて福井県の原発からの放射能を否応なく浴びています。しかしこのような生活を強いられる理由はありません。
福井県の原発を即刻停止し欲しいと常々願っています。
ところが、高浜原発でプルサーマルを行うためのMOX燃料契約がまた、動き出そうとしていることを知りました。いま、関西電力のMOX燃料契約の認否は知事にゆだねられています。
私たち岐阜県民は福井県知事を選ぶことはできません。しかし原発による事故の被害、プルサーマルによる事故の被害は福井県民と同様に岐阜県民も受けることになります。
原発は危険、プルサーマルは原発よりもっと危険
A プルサーマルは軽水炉原発事故時の避難距離が2倍に増えること。
B プルサーマルは軽水炉原発事故時に比べ被害面積が4倍にふくれあがる
こと。
C プルサーマル燃料棒の制御は軽水炉に比べて不安定で、制御棒の利きが
悪く、そのため事故の危険性が一段と高まること。
D MOX燃料の再処理は仮に実現したとしても1回限りで、「リサイクル」はご
まかしに過ぎないこと。
以上のことを前提に、以下の理由で関電のMOX燃料製造契約を認めない
よう強く要望します。
記
1.関西電力にBNFLのデータねつ造を知りながら福井県や国に報告しなかっ
た理由を説明させてください。
2.関西電力が福井県民にBNFLのデータねつ造事件の謝罪をするよう求めて
ください。
3. 国には専門家がそろっているのに前回のデータねつ造を発見することが
できませんでした。観ようとする意識がない限り発見できません。安全につ
いては国が責任持つので、県は国を信用するという姿勢では県民の生命
は守れません。知事自ら安全に対し納得ゆくまで確認作業をしてください。
4.1985年、元福井県知事中川氏は「原発は地域振興に役立たず」と県議会
で答弁しています。新たなプルサーマル交付金で多額の金を得ても、交付
時期が終われば、次なる原子力施設を求めるしかありません。高浜町の
今井町長が使用済み燃料の中間貯蔵誘致の検討を議会に促しました。
これはまさに原子力への依存そのものです。
交付金と引き換えに福井県民をはじめ国民を危険にさらすことは許されま
せん。
以上
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