超深地層研究所の「着工」報告
                      

実証された
  まやかし の 着工劇


 核燃機構、着工したはずの調整池を、
      
午後埋め戻す!


◆ 超深地層研究所の着工抗議に支援いただき感謝します。

 本日(7月8日)の「着工」に対し、核燃機構及び瑞浪市に抗議や申し入れをして下さった皆様、遠くから抗議行動に参加してくださった皆様のご支援に深く感謝します。支援に支えられて私たちは力強く正々堂々と抗議しました。
残念ながら核燃機構は午前、予定通り着工しました。

◆ 状況 

  名札を外した核燃機構の職員が用地の700m程手前から配置され、核燃機構に要請された私服の警官が多数警戒に当たっていました。
周辺の化石館、科学館などは月曜は休館日です。人気の少ない日を選んで実行しました。
 東濃、名古屋、岐阜の現地参加者と、東京、福井、京都の皆さん約50人は街宣車を先頭にのぼり、プラカード、横断幕、ゼッケン、東濃のロゴマークでアピールし、シュプレヒコールで着工の不当性を訴えました。
 用地入り口で、核燃機構と式典に出席していた高嶋瑞浪市長に対する抗議文を読み上げました。核燃機構には対応に出た東濃地科学センター副所長に手渡しました。
 目と鼻の先の式典会場にいる瑞浪市長に手渡そうとしましたが、随行の市職員すら対応しませんでした。瑞浪市の女性が市長に直接手渡そうと、用地の高さ2m程のフェンスを乗り越えて式典会場付近まで近づき、ようやく市職員に抗議文を手渡しました。ここまでしないと市職員に抗議文を手渡すことすら出来なかったのです。同時に東京の核のゴミキャンペーンから瑞浪市長への申入書も手渡しました。
 瑞浪市長は核燃機構の「来賓」であることを口実に市民の前に顔を出しませんでした。顔を出せなかったのです。

 この6年間市長は核燃機構や国、知事の方を向いて核燃機構のすべき住民対策を、市長が肩代わりしていたのです。つまり市民に対しては【嘘と騙しと住民無視】の市政を重ねたのです。

 式典の間、市民団体はそれぞれの思いをマイクで伝えました。



◆ 「着工」の正体


 式典の最後に用地の最下段にある猫の額ほどのところで、待機していたショベルカーが掘削を開始しました。これが「着工」です。
経済産業省が昨年の12月、研究所に係わる交付金の適用を、着工とし、“重機による坑道建設に必要な用地造成を開始した時点”を「着工」と定義していました。

 まさにセレモニーでした。10分ほどで作業を終えました。
 これが 、瑞浪市に4.5億円を与え、周辺自治体に9億円の交付金を与える条件です。
  形だけの作業をすればそれで良かったのです。沈澱池が必要になったとき、改めて掘れば良いのです。急ぐ必要はないのです。核燃は多分このまま放置するであろうと推測しました。移転したばかりの用地では、地下の状況がつかめず、調査中です。地震波による地下構造調査がやっと終わり、ボーリングにより地下調査を始めたばかりです。調整池など今すぐには必要ないのです。

◆ まやかしの「着工」

 それにも係わらず「着工」を急いだのは、
1.瑞浪市と周辺自治体に交付金を与えること。
2.核燃機構の対面を保つため。
3.中間貯蔵を押しつけている青森県への言い訳。
4.住民を諦めさせること。

   見てしまった「着工」の正体

◆着工したはずの調整池を、午後には埋め戻した!!
  
  抗議後、昼食を終えて、13:30頃東京や福井、名古屋からの方々と核燃機構の用地を見学者として訪れました。
 そのとき私たちが見たものはじつに驚くべき作業でした。それは午前中にショベルカーで掘りはじめたばかりの調整池の土を、なんと《埋め戻していた》のです。こんなことがあるでしょうか。
埋め戻し作業を終えた作業員に、同行者が駆け寄ってなぜ埋め戻すのかと尋ねました。
彼は、事務所に聞いてくれとしか言いませんでした。
 核燃機構は“この作業で着工をしました。しかし準備が色々あるので、埋め戻しました”と答えました。
 この答えに【まやかしの着工】の正体が凝縮されています。

 実質的な着工の準備が整わないまま、とにかく着工という既成事実をつくることだけが
必要だったのです。それは上の4点のためです。

しかもこの「着工劇」は核燃機構が勝手に行ったことではなく、国も県も認め瑞浪市も
この事実を十分承知の上で実施させたのです。国と核燃機構と、県と瑞浪市の4者が
国民を欺いたのです。

 こんな核燃機構、国、県、瑞浪市と闘うのだと、肝に銘じました。

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