なにはともあれインストール

とりあえずApacheを入手しなければなりませんが、Apache Software Foundationから最新版を取ってきます。今日(2001-05-13)の時点での最新版は2.0.16(beta)です。betaが嫌な人はstable版を使いましょう。

ソースアーカイブを入手したら、次にこれを展開しコンパイルするという作業を行います。注意すべき点が1つ、これらの作業は一部を除き必ず一般ユーザで行うということです。Apacheに限らずフリーのソフトウェアをコンパイルしたり修正をしたりするのは一般ユーザで行い、管理者権限で行うのは一部のインストールの時だけに限るようにしましょう。管理者権限はシステムの様々な情報に無条件でアクセスできることが多いので、誤ってファイルを消したり、上書きしたりしてシステムを破壊する可能性が高くなります。またシステムのセキュリティ面からみても管理者権限での作業を最低限にすることが必要です。あなたが管理者権限でずっと作業をしていて、ちょっとコーヒーを飲むために席を外した間に、誰かがあなたの席の前を通りかかるかもしれませんからね。安全とは面倒なものなのです 。

さて、ではアーカイブを展開してみましょう。アーカイブのファイル名の最後が.tar.gzになっているのは、複数のファイルがtarコマンドでまとめられ、さらにGNU zipコマンドによって圧縮されている、ということです。これを展開するには、

  % gunzip httpd-2_0_6-beta.tar.gz
  % tar xvf httpd-2_0_6-beta.tar
と入力します。Linux等にインストールされているGNU tarを使う場合には、
  % tar xvfz httpd-2_0_6-beta.tar.gz
により一度に展開することが出来ます。

INSTALLというテキストファイルがありますが、これを読めばインストールに必要な情報は一通り得ることができます。簡単な英文ですが、それでも面倒だ、という方は以下の通り作業してください。まずconfigureプログラムを動かします。これはGNUのソフトウェアで使われているconfigureと同じ思想のプログラムで、システムのコンパイル環境その他の違いを吸収するために、なんだかんだとシステム情報を調べて、Makefileに反映してくれるものです。色々オプションも指定できるのですが、とりあえずは

  % cd httpd-2_0_16
  % configure
とオプション無しで実行してみます。画面に色々な作業のログが表示されます。結構時間が掛かりますが、特に問題が無ければ最後にMakefileが作成されて終了します。Makefileが出来ていれば、
  % make
とすれば、httpdのコンパイルを始めます。これも少々時間が掛かりますが、途中で何かしなければならないというものでもないので、
  % make | tee
とでもしておいて、お茶でも飲んでいても良いでしょう。正常に終了すればカレントディレクトリにhttpdという実行可能ファイルが作成されています。正常に作成されたかどうかは試しに
  % httpd -v
と実行してみます。そうして表示されるバージョンが作っていたものと一致するか確認してください。これでmakeは完了です。あとは管理者権限で、
  % make install
を実行すればインストール完了、となるわけですがちょっと待ってください。全てがデフォルト設定と同じであれば良いのですが、インストール先のディレクトリ等デフォルトとは同じにはしたくない場合もあるでしょう。そういう時にはconfigureからやり直す必要があります。


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