2001年4月10日

　　Ｔｏ・Ｈｅａｒｔ　　　ブランド名　　　leaf

■概要

　　ｌｅａｆの地位を不動の物とした超弩級ギャルゲー。リーフビジュアルノベル第３弾。
　　前２作のサイコホラー系のイメージを払拭する、鬼も電波も血も出ない恋愛モノ。爆発的ヒットを飛ばした。

　　あらすじ…主人公は、幼馴染や仲の良い友人と同じ学校に通う高校生。
　　季節は春。２年生へと進級し、新たな出会いが、今までの日常に確かな変化をもたらそうとしていた…
　　　　

■システム（８点）

　　基本的に既存のビジュアルノベルと変わらないのですが、放課後に狙った女の子と出会わなければなら
　　ない（多少の）攻略要素が加わっています。
　　もっとも、何処に誰が居るのかは決まっていますので、ゲーム的な要素ではありませんが。
　　ゲーム要素で無い以上、どのキャラがどこにいるのか解らないのはただ不便なだけって気がしますけどね。
　　又、基本はセーブ、ロードを繰り返しての攻略となりますが、レスポンスが非常に良いのでさして苦にはなり
　　ません。メッセージスキップ有り、読み返し有り、ＣＧモード有り、音楽鑑賞有り、回想モード無し。
　　セーブは５箇所。どうせ増やすならもうちょっと…ねぇ？


■シナリオ（１０点）

　　非常にバラエティ豊かなシナリオが楽しめます。
　　作品のベクトルがラブコメである為、展開は比較的お笑い色が強いですね。
　　その中に恋愛や涙といった要素をうまく配分してあります。流石の出来。
　　又、キャラクター間のいざこざや、当人達を目の前にした二者択一的なイタイ選択肢がほとんど無
　　く、私のようなマターリ人間に優しいゲームスタイルになっています。
　　今更言うまでもありませんが、マルチのシナリオなどは屈指の出来かと。
　　単に泣けると言うならＫａｎｏｎのシナリオの方が上でしょうが、大団円を迎える感動と言う点では、
　　こちらが上を行くでしょう。その流れのままＥＤ歌へ移行するのも上手いですね。
　　ｌｅａｆのロゴのバックに桜が舞い散る様を、しばらく惚けて見つめていましたよ。初攻略時は（笑）
　　　

■ＣＧ（８点）

　　２５６色カラー。ですが、きちんと描き込まれた魅力的なキャラクターは、その少ない色数を「作風」
　　として押し切れる完成度を持っています。又、立ちキャラの数も豊富で、背景などもしっかりと描きこ
　　まれておりブランドの安心感みたいな物を感じさせます。


■音楽（１０点）

　　いつもの事ですが、リーフは本当に印象的な音楽を作りますね。
　　音楽を「音楽」としてではなく、「ゲーム」として成立させていると言えば良いんでしょうか。
　　場面場面に合った、前面に出過ぎない、でも印象に残る。そんなサウンドです。
　　又、今回はＯＰ、ＥＤ共に歌が入ってますが、これまた良い出来。トゥハートのイメージにぴったりの
　　歌ですね。強いて不満を言えばＥＤ曲がカラオケにならなかった点ですか。ＯＰのみはねぇだろぉ〜


■総評（９点）

　　シナリオが優秀なのは言うまでもありませんが、今回は特にキャラ間のやりとりが楽しめました。
　　キャラ設定はロボットだの魔女だの結構ムチャしてますが、その辺りが浮かないのはライターの腕
　　なのか、はたまた時節柄なのか。
　　キャラの個性がハッキリしていて飽きさせない作り。総じて萌え度も高し。
　　私の記憶が確かならば、この作品以降、ギャルゲーの幼馴染の含有率が極端に上がったであろぅ。

　　お気に入りは綾香。ＰＣ版から（決定打は初音のないしょ）気に入ってました。
　　んな訳で、ＰＳ版ではソッコ叩き出しましたよ。芹香、葵とクリアして。
　　こざっぱりした性格でいい感じですなぁ。うんうん。