発射する電波が著しく微弱な無線局の測定法

                     昭和63年2月25日郵政省告示第127号
測定周波数 測定器の条件 空中線の条件 測定方法
  〜9kHz 総務大臣が認めるもの 総務大臣が認めるもの 測定値から減じる値
24−20logF[dB]※1
ex.10kHz:64dB
 100kHz:44dB
測定用空中線高1.5m
9kHz
 〜150kHz
電界強度測定器:QP シールドループ
アンテナ0.6m□

※2

150kHz
  〜15MHz
電界強度測定器:QP
スペアナ;PK
RBW:10kHz
   100kHz
   1MHz
100kHz−10kHz≦3dB
測定値RBW:10kHz
100kHz−10kHz>3dB
測定値RBW:1MHz
測定値から減じる値
24−20logF[dB]※1
測定用空中線高1.5m
15MHz
  〜30MHz
100kHz−10kHz≦3dB
測定値RBW:10kHz
100kHz−10kHz>3dB
測定値RBW:1MHz
測定用空中線高1.5m
30MHz
  〜80MHz
λ/2ダイポール
アンテナ80MHz
VSWR:2.0
or
ログペリアンテナ
VSWR:2.0
1MHz−100kHz≦3dB
測定値RBW:100kHz
1MHz−100kHz:3〜7dB
測定値RBW:1MHz

1MHz−100kHz>7dB
測定値RBW:1MHz+5dB
※3
測定用空中線高1〜4m
VorHの大きい方
80MHz
  〜1GHz
λ/2ダイポール
アンテナ
or
ログペリアンテナ
VSWR:2.0
1GHz〜 スペアナ;PK
RBW:1MHz
標準ゲインホーン
ダブルリッジド
ガイドホーン
測定値RBW:1MHz
測定用空中線高1.5m
VorHの大きい方
※1:15MHz以下の補正値
 波長λ:3×108[m/s]/15[MHz]=20[m]
 静電界、誘導界に対し放射界(遠方界)が支配的になる距離はλ/2πとなる。
 λ/2π:20m/2π=3.18m
 補正式は距離の3乗に反比例する静電界領域での測定となるため、距離の1乗に
 反比例する放射界に換算するため、20logFとしている。
  また、15MHz以上の周波数では補正する必要がないため、20log(15MHz)を元に
 24dBとしている。
  20log(15MHz)=23.52dBとなりますが
  15MHzではλ/2πが3.18mとなりますので、測定距離3mへの補正分
  20log(3.18m/3m)=0.51dBを加算して24dBとしています。
※2:シールドループアンテナ
 周波数が低くなると半波長ダイポールは寸法が大きくなるため、ループアンテナ
 を用いるしかありませんが、シールドループアンテナでは磁界強度[μA/m]を測定
 しますので、空間インピーダンスを用いて電界強度[μV/m]に換算する必要があり
 ます。しかしながら
λ/2πより近い近傍界では空間インピーダンスの特定が困難で
 自由空間インピーダンスの1/10以下から10倍以上異なることがあります。
 技術基準が磁界強度だとすっきりするのですが‥‥

※3:広帯域信号の補正
 RBW:1MHz−100kHz が 3dB以下のときはRBW:100kHzの測定値
 
RBW:1MHz−100kHz が 3〜7dB以下のときはRBW:1MHzの測定値
 RBW:1MHz−100kHz が 7dB超えるときはRBW:1MHzの測定値+5dB
 としています。が現在のように占有周波数帯幅が160MHzの無線LANや数GHz幅の
 広帯域信号が一般的になってくると、補正値の見直しが必要になってきています。
※4:電波暗室内使用の場合
 40dB以上減衰する電波暗室内(平成18年3月28日総務省告示173号)で使用する場合の
 測定方法はARIBが技術資料を規定しておりARIB TR-G1として出版しています。

ちなみに 光の速度 c:299792458[m/s]



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