拡散率

無線LANなどにおける、スプレッドスペクトラム方式の拡散率や拡散帯域幅、工学的な意味と各国の電波法や関連規則などでの規定は異なっていますので注意が必要です。

@工学書;DS方式の拡散率は1シンボルに対する拡散符号のチップ数で定義され、FH方式の場合は、ホッピングチャネル数で定義されます。なお、FH方式も当初は1シンボル内で複数チップの周波数にホッピングする方式が主流でしたが、現在ではパケット毎に周波数をホッピングする方式が主流になっていますので注意が必要です。

A日本(無線設備規則第49条の20):スプレッドスペクトラム方式を使用するものの拡散率は、拡散帯域幅を変調信号の送信速度に等しい周波数で除した値。なお、拡散帯域幅は90%の電力を含む帯域幅です。したがって工学書の拡散率よりも小さい値になります。

B米国(FCC Part15.247):DS方式の場合拡散帯域幅はスペクトラムアナライザでピークから6dB低下した幅で規定されています。

C欧州(ETSI EN 300 328):拡散帯域幅は、スペクトラムアナライザの分解能帯域幅RBWを100kHzとして測定し電力密度のピークから30dB低下した幅で規定されています。 


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