衛星電話/衛星通信システム

IRIDIUM

(米)
電話/データ
モトローラ 軌道高度
780km
軌道傾斜角
86.4゜
軌道面数

衛星数
66機
サービスリンク
L帯
上り1.6G帯
下り1.6G帯
 モトローラが推進し国内ではDDIの子会社の日本イリジウムが平成10年(1998年)サービス開始しましたが、加入者数が伸びずに。平成11年8月自己破産し平成12年3月サービス停止しました。構想当初は地上系携帯電話が普及していませんでしたがサービス開始した頃は携帯電話がどこでも使えるようになっており、ルーラルの加入者数では維持できなかったようです。衛星は690kg発生電力1200W設計寿命5年、軌道高度780km軌道傾斜角86.4゜軌道面数6で衛星数66機のようです。16ビーム3組でTDMA方式です。音声は4.8kbpsデータ2.4kbpsのようです。米軍によって復活し国内では平成17年にKDDIがサービスを再開しました。イリジウム端末同士の通話和衛星交換で通話できるため遅延時間は少ないようですが他の携帯との通話和米国の地球局を介するようです。イリジウムは衛星相互間の通信交換機能をもたせた複雑なシステムで低軌道のため衛星寿命も5年程度と短く、膨大な設備投資に対し採算性も危惧されていたが、ハーバードビジネススクールで経営の模範例として賞賛された。着想は幹部の夫人がカリブ海のリゾート地へ保養に行ったとき電話が使えず。世界中どこでも使える電話が欲しいと嘆いたことを幹部が持ち帰り南極、北極でも使えるように77個の低軌道衛星で実現するものでした。危険性を指摘したがガルヴィン会長が個人でもやると豪語し推進したとのことです。これはイリジウムの広告ページでも紹介されており有名な話です。66個の衛星で携帯電話サービスをするシステムとして約5000億円もの設備投資をして1997年にサービス開始したが地上系の携帯電話が普及したため、6万加入にとどまり、翌年自己破産に陥りました、米国国防省が2万加入の契約をしていたため、新会社のイリジウム・サテライトが、わずか約25億円で資産を買い取りました。ルーラルサービスに特化化したサービスとしても採算が取れるとのことのようです。
ICO

(米)
電話/データ
ICO 軌道高度
10355km
軌道傾斜角
45゜
軌道面数

衛星数
10機
サービスリンク
S帯
上り2.0G帯
下り2.2G帯
 ICO Global Communications Ltd. は、衛星重量をイリジウムの690kgから1600kgにして軌道高度もイリジウムの780kmから10355kmとすることにより、軌道面数2、軌道傾斜角45゜として衛星数を10機、衛星寿命10~12年とすることにより設備投資を低く抑える構想だったようで1999年サービス開始ですが、イリジウムが自己破産に陥ったことから、資金調達が困難になり自己破産となった。TDMA方式で音声とデータ対応のようです。
 サービスエリアは主に米国とプエリトルコのようです。
GLOBALSTAR

(米)
電話/データ
QUALCOMM 軌道高度
1406km
軌道傾斜角
52゜
軌道面数

衛星数
48機
上り1.6G
下り2.5G帯
 GLOBALSTAR衛星は400kg発生電力1000W設計寿命7.5年、軌道高度1406km軌道傾斜角52゜軌道面数8で衛星数48機のようです。16ビームでCDMA方式です。音声及びデータ9.6kbpsのようです。サービスリンクUPは1.6GHz帯でグローバルスター(1610MHz~1617.775MHz)、イリジウム(1618.725MHz~1626.5MHz)、インマルサット、スラーヤ衛星(1626.5MHz~1660.5MHz)と共用しているようです。サービスリンクのDOWNは2483.5MHz~2500MHzで、国内では2.4GHz帯無線LAN(IEEE802.11b)の14CHが利用可能なので干渉があるかも。グローバルスターもイリジウムから少し遅れて1998年にサービスを開始したが、厳しい状況にあるようです。
ODYSSEY

(米)
データ
TRW 軌道高度
10354km
軌道傾斜角
55゜
軌道面数

衛星数
12機
上り1.6G
下り2.5G
 衛星重量1340kg、太陽電池1800W、軌道高度10354km、軌道傾斜角55゜、軌道面数3、衛星設計寿命15年、CDMA方式のようです。音声4.8kbps、データ9.6kbpsのようです。1997年サービス開始。
ORBCOMM

(米)
データ
ORBCOMM 軌道高度
775km
軌道傾斜角
45゜90゜
軌道面数
3及び1
衛星数
26機
上り2.4G帯
下り4.8G帯
 ORBCOMMはデータ通信に用いられているようです。サービスリンクの周波数はUP148MHz~150.5MHz(2400bps)、DOWN137MHz~138MHz(4800bps)。衛星は軌道高度775km軌道傾斜角45゜及び90゜軌道面数3及び1の低軌道衛星26機、衛星設計寿命4年1995年サービス開始で全世界カバーとか。FDMA方式のようです。ORBCOMMはORBIT軌道とCOMMUNICATION通信を組み合わせた造語のようです。低速データ伝送なので車両や船舶の位置情報管理や山岳地帯の計測器や海上のブイなどからのデータ収集用途として日本ではオーブコムジャパンが平成11年4月からサービスを開始したようです。
N-STAR

(日)
電話/データ
ドコモ 静止軌道
軌道高度
36000km
東経136゜
東経132゜
サービスリンク
S帯
上り2.6G帯
下り2.5G帯
フィーダリンク
C帯
 N-STARはA号衛星が平成7年8月に打ち上げられ、B号衛星も平成8年2月に打ち上げられ4ビーム(東日本、西日本、沖縄、小笠原)でサービスし長距離フェリーや山小屋の公衆電話(アンリツ製)などで利用されており。硫黄島や南鳥島でも利用できる。フィーダーリンクの地球局は小夜戸衛星送信所(群馬県みどり市)と楊枝方衛星送信所(茨城県北茨木市)で現用/予備運用の衛星がクロスしているようです。平成8年3月29日にNEC製の端末でサービスが開始されました、三菱製の端末は開発が間に合わなかったようですが1年以上遅れて、携帯用と車載用を投入したようです。平成12年3月からはNECの端末で64kbpsのパケット通信サービスを開始しましたが、平成24年3月31日にサービスを終了したようです。今はNECが撤退し三菱製の端末のみとなったようです。衛星は更新され、C号衛星が平成14年7月、D号衛星が平成18年4月に打ち上げられました、A号とB号はNTT回線のバックアップも含めNTT衛星だったようですが、C号、D号衛星はスカパーJSATが運用しているようです。
 電話番号は携帯と同じ090や080で始まります。警察の110と同様に海上保安庁の118にも対応しています。ノートサイズの可搬型は携帯用の他公衆電話と接続される非常用電話として運用されており、車載型は追尾アンテナを搭載し救急車や東北地方などの列車無線としても利用されているようです。船舶搭載型は長距離フェリーなどで公衆電話として利用される他、漁船などでも利用されているようです。しかしながら漁船の契約は漁期によって変動しもじゃこ春から初夏、イカ初夏から秋、鮭鱒春から秋、サンマ初夏から秋、蟹秋から春、鰹通年などにより冬場の契約は最小になるようです。
 サービス事業者としては、昭和27年12月日本船舶通信(株)として設立され昭和28年8月京浜、阪神両湾でサービス開始されたUHFによる港湾電話、岸壁電話など、昭和39年開始の内航船舶電話とその後の自動化、平成4年には18000を超える加入者数を確保しました。平成8年3月衛星船舶電話サービス開始、平成12年3月パケット通信開始。平成12年12月にドコモ・センツウに社名変更されました。今は、ドコモモバイルに吸収されたようです。 
スラーヤ衛星

(UAE)
電話/データ
UAE(アラブ首長国連邦)のサービス事業者(スラーヤ衛星携帯電話)が展開し、国内では日本デジコムやソフトバンクモバイルがサービス提供しているようです。