衛星電話システム

インマルサット(国際海事衛星通信機構)は、もともとIMO(国際海事機構)による1976年の政府間協議として採択され、1979年(昭和54年)に設立された。米国のマリサットシステムを引き継ぐ形で1982年より活動を開始した。1994年に国際海事衛星機構から国際移動通信衛星機構に変更され、1999年に英国のInmarsat Ltd.となりました。
INMARSAT-A アナログ変調
音声SCPC
4.8kbps
112kbps
128kbps
アナログ方式で電話やテレックスサービスが可能で。衛星通信方式としてはDAMA(DemandAssingmentMultipleAccess)方式で、音声はSCPC方式テレックスはTDMA方式で、マリサットから引き継がれ、1982年から2007年12月までサービスされました。船舶の動揺があるなかで衛星追尾アンテナが常に衛星方向を維持するためには、水平方向の追尾で可能な車載追尾と異なり横波などによる動揺に対応した垂直方向の追尾も必要となります。なお、船舶では車載追尾で重要なトンネルやビルによる遮蔽のため追尾方向の推定問題はないようです。国内のメーカとしてはアンリツや日本無線などが船舶地球局を提供していたようです。
INMARSAT-C デジタル変調
600bps
1200bps
GMDSS(Global Maritime Distress and Safety System)対応の遭難通信を目的としており、1991年からサービスが開始されている。遭難警報、テレックス、電子メール、ファックス、簡易メッセージなどに利用されている。GMDSSの高機能グループ呼出受信機能を有しているようです。なお、低速データ通信のため無指向性アンテナが使用できるため、複雑な追尾アンテナが不要となり、小型船舶にも設置できる。
INMARSAT-B デジタル変調
132kbps
コーデック
16kbps
デジタル変調方式で、インマルサットAのサービスを継承し電話(音声コーデックAPC-MLQ方式16kbps)とテレックスなどをサポートし、データ通信も9.6kbpsの他、ISDNに接続可能な64kbpsもサポートされており、主に大型船舶向けに1993年からサービスされています。
INMARSAT-D 低速データ
OBW512Hz
小型低容量メッセージ通信用で、1996年よりサービス開始されているが事業者によってサービス内容が異なり、位置管理システムや非常時の通報システムなどとして利用されているようです。
INMARSAT-F 3kbps
24kbps
67.2kbps
134.4kbps
2003年からサービス開始されたシステムでインマルサットB及びMの後継システムで従来の回線交換の電話やデータ通信に加え、パケット交換に対応したのでインターネット接続が可能になりました。
INMARSAT-M デジタル変調
3kbps
コーデック
6.4kbps
デジタル変調方式ですが、インマルサットBの大型船舶向けに対し、小型船舶向けとしてインマルサットMのサービスとして電話(音声コーデックIMBE方式6.4kbps)とデータ通信も2.4kbpsのでテレックスはサポートされていません。
INMARSAT-
miniM
デジタル変調
3kbps
67.2kbps
134.4kbps
INMARSAT-
BGAN
デジタル変調
33.6kbps
67.2kbps
134.4kbps
187.2kbps
234kbps
268.8kbps
302.4kbps
604.8kbps
インマルサットは大型の第4世代衛星(1-4衛星(約6トン))で大出力のEIRPが可能となったため、第3世代携帯電話(W-CDMA、3GUMTS)と同様なサービスを目指しているようです。
INMARSAT-
BGAN

航空機搭載
BGANと同じ BGANの航空機搭載タイプです。
INMARSAT-
GSPS
16.9kbps
67.708kbps
イリジウムと同じ程度の携帯端末で通話可能で、インマルサット4衛星によりサービスが開始されたようです。
A型からGSPS型まではL帯(1600MHz帯)を利用
INMARSAT-
GX
UL:5Mbps
DL:50Mbps
Ka帯(30GHz帯)を利用し、2015年から第5世代衛星でサービス開始。UL:5Mbps、DL:50Mbps