Radeon HD58xxシリーズの性能とは?(Win XP版)
Radeon HD4870X2、Radeon HD5850、Radeon HD5870、Radeon HD5870 CrossFire、GeForce GTX280、GeForce GTX280 SLIの性能を比較します。
テスト環境(Windows XP)
CPU : Core i7 920 @ 4GHz (200x20) HTon (8スレッド動作)
MEMORY : DDR3-1666 1GB x 計3GB (DDR3-1603動作。TripleChannel動作)
M/B : ASUS P6T (intel X58 + ICH10R)
Sound : オンボード
OS : WinXP Home SP3+ DirectX9.0c
なお、ドライバーのバージョンはRadeon系は8.66RC7(Catalyst 9.10beta)を使用。
GeForce系は191.07 WHQLを使用。
それぞれのビデオカードのクロックは、デフォルト値のまま、
3D設定はデフォルト値のまま。
(1) 3DMARK06 ver1.10 デフォルト設定値
Radeon HD4870X2 | Radeon HD5850 | RadeonHD5870 | Radeon HD5870 CF | GeForce GTX280 | GeForce GTX280 SLI | |
3DMark Score | 26152 | 23621 | 24394 | 26907 | 20483 | 25941 |
SM2.0 Score | 10021 | 9442 | 9157 | 9286 | 8037 | 10013 |
GT1-Return To Proxycin | 84.237 fps | 77.357 fps | 83.133 fps | 84.606 fps | 65.950 fps | 83.998 fps |
GT2-Firefly Forest | 82.782 fps | 80.006 fps | 69.479 fps | 70.154 fps | 68.008 fps | 82.887 fps |
HDR/SM3.0 Score | 12436 | 10383 | 11440 | 14007 | 8534 | 12099 |
HDR1-Canyon Flight | 140.792 fps | 102.645 fps | 121.683 fps | 172.307 fps | 80.637 fps | 133.390 fps |
HDR2-Deep Freeze | 107.920 fps | 105.024 fps | 107.110 fps | 107.837 fps | 90.043 fps | 108.600 fps |
CPU Score | 7539 | 7467 | 7520 | 7526 | 7706 | 7695 |
CPU1-Red Valley | 2.563 fps | 2.551 fps | 2.565 fps | 2.575 fps | 2.619 fps | 2.601 fps |
CPU2-Red Valley | 3.548 fps | 3.497 fps | 3.527 fps | 3.520 fps | 3.627 fps | 3.643 fps |
ベンチ結果全体を見ると、Radeon HD5850の優秀さが目立ちます。
なぜかHD5870よりもHD5850のほうがSM2.0 ScoreのGT2が高いのは、ドライバーの問題だと思われます。
Radeon HD4870X2よりも、Radeon HD5870 CFのほうがSM2.0 Scoreが低いのは、Radeon HD58xxシリーズのアーキテクチャが
SM2.0世代を見捨てている(後述するSM2.0使用のゆめりあベンチでも同様の傾向が見られる)可能性が高いためと考えられます。
Radeon HD5870とCF時では、SM3.0のHDR1テストの結果だけが非常に伸びています。(テスト中に350fps表示とかされたりしました)
(2) 3DMARK06 ver1.10 解像度1920x1200 FSAA x8 Aniso x16
Radeon HD4870X2 | Radeon HD5850 | RadeonHD5870 | Radeon HD5870 CF | GeForce GTX280 | GeForce GTX280 SLI | |
3DMark Score | 17439 | 13615 | 15893 | 24614 | 10353 | 17238 |
SM2.0 Score | 6662 | 5238 | 6254 | 9056 | 4238 | 7381 |
GT1-Return To Proxycin | 56.526 fps | 46.690 fps | 55.409 fps | 82.236 fps | 38.617 fps | 66.663 fps |
GT2-Firefly Forest | 54.510 fps | 40.611 fps | 48.821 fps | 68.705 fps | 32.008 fps | 56.348 fps |
HDR/SM3.0 Score | 7103 | 5149 | 6122 | 11777 | 3419 | 6165 |
HDR1-Canyon Flight | 78.414 fps | 57.959 fps | 69.200 fps | 134.731 fps | 38.639 fps | 69.041 fps |
HDR2-Deep Freeze | 63.651 fps | 45.025 fps | 53.238 fps | 100.806 fps | 29.736 fps | 54.267 fps |
CPU Score | 7553 | 7517 | 7525 | 7512 | 7713 | 7682 |
CPU1-Red Valley | 2.591 fps | 2.573 fps | 2.577 fps | 2.557 fps | 2.610 fps | 2.600 fps |
CPU2-Red Valley | 3.523 fps | 3.513 fps | 3.515 fps | 3.531 fps | 3.648 fps | 3.632 fps |
ベンチ結果全体を見ると、Radeon HD4870X2に、Radeon HD5870が迫っている値を出しているところが凄いところです。
下位モデルのHD5850も、価格的(09/11/4現在、3万弱)で買える単体GPUビデオカードとしては、破格のスコアを出しています。
興味深いのは、HD5870とHD5870 CFを比較したときに、HDR/SM3.0 Scoreがほぼ倍のスコアになっているところです。
(3) FFベンチ ver3
Radeon HD4870X2 | Radeon HD5850 | RadeonHD5870 | Radeon HD5870 CF | GeForce GTX280 | GeForce GTX280 SLI | |
Low | 7707 | 6532 | 6563 | 6707 | 13160 | 13052 |
High | 5275 | 4620 | 4564 | 4766 | 12424 | 12227 |
Radeon系のスコアが異常に低いですが、これはFFベンチを実行している際、FFベンチ自体が元々古く、CPU依存が高いベンチマークソフトであるためか、
Radeon系はGPUがアイドルクロックのままで駆動しているが、GeForce系はGPUのクロックがあがっているためであると考えられます。
(消費電力はワットチェッカーで確認。Radeon系はほとんど消費電力が上昇しないが、GeForce系は消費電力が上がっていた。)
(4) ラスト レムナント ベンチマーク
解像度を1920x1200 フルスクリーンにして実行。
Radeon HD4870X2 | Radeon HD5850 | RadeonHD5870 | Radeon HD5870 CF | GeForce GTX280 | GeForce GTX280 SLI | |
平均fps | 129 | 103 | 122 | 199 | 106 | 171 |
最近になって、ようやくCF、SLIが有効になったUT3エンジンを用いたベンチマークソフトですが、
HD4870X2のスコアが、ほぼHD5870と同等になっているところは興味深いです。
完全にHD5870 CFが、GTX280 SLIのスコアを突き放しています。
(5) ロストプラネット DX9体験版 ベンチマーク
デフォルト設定で実行。(ただし、HD4870X2、HD5870 CF、GTX280 SLIは、マルチGPUを有効にし、CPUの実行スレッドを7から8に変更)
Radeon HD4870X2 | Radeon HD5850 | RadeonHD5870 | Radeon HD5870 CF | GeForce GTX280 | GeForce GTX280 SLI | |
Snow | 209 | 171 | 205 | 329 | 194 | 325 |
Cave | 213 | 203 | 213 | 212 | 217 | 226 |
元々GeForce系がかなり有利なベンチマークであるが、HD5870 CFがGTX280 SLIをぎりぎり上回ったのは驚きです。
解像度を1920x1200にして他設定はデフォルト値で実行。
(ただし、HD4870X2、HD5870 CF、GTX280 SLIは、マルチGPUを有効にし、CPUの実行スレッドを7から8に変更)
Radeon HD4870X2 | Radeon HD5850 | RadeonHD5870 | Radeon HD5870 CF | GeForce GTX280 | GeForce GTX280 SLI | |
Snow | 116 | 91 | 109 | 191 | 92 | 168 |
Cave | 177 | 131 | 155 | 213 | 133 | 211 |
完全にHD5870 CFがGTX280 SLIを上回っています。また、GTX280とHD5850とのスコア差がほとんどなくなっています。
(6) デビルメイクライ4 DX9 ベンチマーク
解像度を1920x1200にし、FSAAをゲーム設定でx8にし、他設定は最高にして測定。
Radeon HD4870X2 | Radeon HD5850 | RadeonHD5870 | Radeon HD5870 CF | GeForce GTX280 | GeForce GTX280 SLI | |
SCENE1 | 193.14 | 140.71 | 167.95 | 312.20 | 121.67 | 200.84 |
SCENE2 | 140.15 | 104.27 | 126.20 | 241.82 | 86.27 | 152.80 |
SCENE3 | 226.84 | 185.45 | 213.71 | 405.58 | 154.56 | 262.48 |
SCENE4 | 144.79 | 104.69 | 119.84 | 216.56 | 85.97 | 143.46 |
HD5850がGTX280を軽く上回っています。HD5870 CFのスコアは圧倒的としか言いようがありません。
(7) ストリートファイター4 ベンチマーク
解像度を1920x1200にし、FSAAをゲーム設定でx8にし、他設定は最高(キャラ描画はポスターカラー)にして測定。
Radeon HD4870X2 | Radeon HD5850 | RadeonHD5870 | Radeon HD5870 CF | GeForce GTX280 | GeForce GTX280 SLI | |
SCORE | 10310 | 8752 | 9852 | 15003 | 7196 | 10238 |
AVERAGE | 148.46 fps | 116.97 fps | 139.21 fps | 243.35 fps | 85.50 fps | 147.01 fps |
GTX280 SLIがHD4870X2に負けています。単体GPUでも、HD5850にGTX280が全く歯が立たないスコアになっています。
(8) ゆめりあベンチver1.2(SM3.0対応fixパッチ適用)
XGA(1024×768)とUXGA(1600×1200)でとったのだ〜♪
すこあは最高だけしかとってないのだ〜♪
GeForce GTX280 SLIのみ「3DMARK06.exe」にリネームしてSLIが有効になるようにしたのだ〜♪
Radeon HD4870X2 | Radeon HD5850 | RadeonHD5870 | Radeon HD5870 CF | GeForce GTX280 | GeForce GTX280 SLI | |
XGA | 158719 | 155790 | 177330 | 162622 | 148199 | 197214 |
UXGA | 93276 | 86803 | 106242 | 170428 | 79755 | 133768 |
なぜかHD5870 CFだとXGAよりもUXGAのほうがスコアが高いのだ〜♪正確には完全に頭打ちになってるのだ〜♪
このベンチはSM2.0世代の性能を測定するものなので、3DMARK06の結果と照らし合わせると、
HD58xxシリーズはSM2.0性能を切り捨てているとしか思えないのだ〜♪
|ω゚)口調がねねこ風になるのは仕様なのだ〜♪
(9) バイオハザード5 ベンチマーク
実行ファイル名が海外版と日本版とで結果が大きく異なるという検証結果が既に各地で上がっているので、
それを踏まえて違いがわかりやすいように、結果をキャプチャーした画像を貼っていきます。
実行したベンチマークは日本版(BH5DX9.exe)。リネームした際の実行ファイル名(海外版)は(RE5DX9.exe)
1. Radeon HD4870X2
デフォルト設定 デフォルト設定からFSAAx8のみ変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更し、さらに実行ファイル名を「RE5DX9.exe」にリネーム。
日本版ファイル名だと、今回用いたドライバでは、Area3,4でCFが正常に動作していないことが分かります。(今後改善されるかは不明)
2. Radeon HD5850
デフォルト設定 デフォルト設定からFSAAx8のみ変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更し、さらに実行ファイル名を「RE5DX9.exe」にリネーム。
単体ではリネームしても変化がないことが分かる。
3. Radeon HD5870
デフォルト設定 デフォルト設定からFSAAx8のみ変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更し、さらに実行ファイル名を「RE5DX9.exe」にリネーム。
こちらもリネームしても変化がないことがわかる。
4. Radeon HD5870 CF
デフォルト設定 デフォルト設定からFSAAx8のみ変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更し、さらに実行ファイル名を「RE5DX9.exe」にリネーム。
日本版ファイル名だと、今回用いたドライバでは、Area3,4でCFが正常に動作していないことが分かります。(今後改善されるかは不明)
5. GeForce GTX280
デフォルト設定 デフォルト設定からFSAAx8のみ変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更し、さらに実行ファイル名を「RE5DX9.exe」にリネーム。
こちらもリネームしても変化がないことが分かります。
6. GeForce GTX280 SLI
デフォルト設定 デフォルト設定からFSAAx8のみ変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更
デフォルト設定から、解像度を1920x1200、FSAAx8のみを変更し、さらに実行ファイル名を「RE5DX9.exe」にリネーム。
元々日本版バイオ5のSLIプロファイルが入っている(リリースノートに記載済)せいか、リネームしてもほとんど変化がないことがわかります。
まとめとして、Radeon HD58xxシリーズの強さが目立つ結果が出ました。特にHD5870 CF時のフレームレートは驚異的です。
*まとめ*
Radeon HD5870、HD5850は、GeForceGTX280と比べて非常に高い性能を持っていることが分かります。
現在のnVIDIAの単体GPU最強のGTX285は、GTX280の1割弱の性能アップ版と考えると、
HD5850のコストパフォーマンスの良さ(09/11/4現在で3万弱)はかなり大きいです。
ドライバーの良し悪しですが、最近のGeForceのドライバーもかなりバグが多く、
(実際、191.07入れて使っていますが、ゲーム中によく今までのATi十八番だったドライバ応答停止問題が多発してます・・・)
ドライバーの出来に関しては、私はたくさんPCゲームをやっていますが、ATiもnVIDIAも「どっちもどっち」な状態になっています。
ゲーマーとしては、単体GPUでゲームをするのが基本だと思われますので、
(SLIやCFでは不具合が多発するゲームが未だ多いです。特に画面がチラついたり等)
Radeo HD5850/5870は非常に魅力ある選択肢だと思います。
ただし、HD5870に関しては、「GTX280(295)よりもさらにカードが長い」という「物理的」な構造の欠点があり、
「ケースを選ぶ」という大問題点を抱えています。なぜカードをもっと短くできなかったのか・・・。本当にココだけが惜しいです。
さらにHD5870X2はもっとカード長が増えるようです。E-ATX対応ケースでなければ入るかどうかわからないケースがほとんどでしょう。
全体的なまとめとして、Radeon HD5xxxシリーズは、SM3.0シリーズ以降(つまり、DirectX9.0c以降)
のゲームに特化したアーキテクチャを持つGPUということができると思います。