Radeon HD2400Pro PCI版の性能とは?
最近(08/5/25現在)発売されたバッファローブランドのRadeon HD2400Pro PCI版についてイロイロと調べていきます。
Radeon HD2400Proの特徴をいくつか。
・DirectX10対応
・AVIVO HD対応(MPEG4/AVC、VC-1ハードウェアデコード機能搭載)
買ったもの →■(別窓で開きます)
仕様はサイトを見てください(ぉ
(1) PCI-Ex1 - PCI 変換ブリッジ写真
中央のチップが変換ブリッジチップです。
従来のRadeonX1300 PCIに載っていた変換チップと同じメーカーのものを使っているようです。
ただ、どうもPowerColorのHD2400ProのPCI-E PCI変換ブリッジはPEX8111ではなく、PEX8112のようです。
メーカーによって、使用している変換ブリッジチップが違うようです。
違いは、PEX8111、8112ともに32bit/66MHz PCI対応であるが、
・PEX8111は、RoHS非対応品もラインアップされているのに対し、PEX8112はRoHS対応品のみラインアップされている。
・PEX8112は、PEX8111よりも動作可能温度範囲が広がっており、産業用として使えるとメーカーが謳っている。
とのようです(ネットで検索して出てきたPEXのプレゼン資料より)
(2) 環境によってサウスチップのPCI-Eブリッジドライバとリソース競合が起こる可能性がある
このビデオカードも、Radeon X1300 PCIやGeForce 8500GT PCI同様に
PCI-E - PCI変換ブリッジチップを搭載しているため、
マザーボードによって、他デバイスと競合を起こす場合があります。(詳しくは面倒なので省略)
マザーボードによってリソース競合が起きる(特にサウスのPCI-E接続オンボードデバイスが多い+x16以外のPCI-Eスロットが多いマザーボード)
可能性がありますので、購入の際は注意が必要だと思います。
(3) HDMI音声出力はできる?
残念ながら、ATI HDMI Audioドライバーが検出されなかったので、
HD2000シリーズ専用DVI→HDMI変換コネクタを使っての音声出力それはできません。
なぜHD2400Proは、HDMI音声出力や、HDCP非対応のがあるかというと、
推測ですが、HDMI音声を出力するため等のライセンスの費用を削減して、
少しでも安く製品を作るためではないかと考えています。
(4) 本当にHDCP対応?フルHD動画再生できるの?
メーカーの製品サイトでは、HDCP対応とかかれてますが、本当に対応しているのか検証しました。
検証した環境
CPU:Core2Duo T7600(2.33GHz)
メモリー:DDR2-667 1GBx2
マザーボード:Aopen i975Xa-YDG (intel 975X+ICH7)
サウンドカード:Auzentech X-Meridian (CMI8788) 製品情報→■(新しい窓で開きます)
OS:Windows XP Pro SP2
グラフィックドライバ:Catalyst 8.4
ディスプレイ:三菱 MDT241WG (HD2400Pro PCIとはDVI接続しています。このディスプレイのDVIはHDCP対応です)
使用したフルHD動画再生環境:PowerDVDUltra海外リテール版(パッチ3730a適用)
WinDVD 9 Plus (最新パッチ適用)
XBOX用HD DVD外付けドライブ(HD DVD再生用)
I/O DATA BRD-AM2SB(Blu-Ray再生用)
使用した動画: HD DVD版リベリオン (動画フォーマット MPEG4/AVC)
BD版スパイダーマン3 (動画フォーマット MPEG4/AVC)
BD版300 (動画フォーマット VC-1)
BD版ミッションインポッシブル3 (動画フォーマット MPEG2)
結果
双方の再生ソフト、全ての動画において、再生がコマ送り状態で正常に再生されない状態となりました。
環境の問題か
(PCIバスはサウスチップに接続されているため、サウスチップの性能の影響かどうか。
上記のPCのサウスチップはICH7。)
を調べるために、別の環境のPCでも試してみました。
CPU:Core2Quad QX9650 (3GHz Quadcore)
メモリー:DDR2-800 2GBx2
マザーボード:ASUS Maximus Formura(intel X38+ICH9R)
サウンドカード:オンボード SoundMAX (Realtek HD Audio)
光学ドライブ:GGW-H20N (BD/HD DVD読み書きドライブ)
OS:Windows XP Pro SP2
グラフィックドライバ:Catalyst 8.4
使用再生ソフト GGW-H20N付属 PowerDVDUltra OEM版
使用した動画 上記同様
結果
上記PC同様双方の再生ソフト、全ての動画において、再生がコマ送り状態で正常に再生されない状態となりました。
さらに、別のPC環境でも試してみました。(最初のPCを環境変更したPC)
CPU:Core2Duo E8500(3.13GHz)
メモリー:DDR3-1333 1GBx2
マザーボード:ASUS Blitz Extreme(intel P35+ICH9R)
サウンドカード:Auzentech X-Meridian (CMI8788) 製品情報→■(新しい窓で開きます)
OS:Windows XP Pro SP3
グラフィックドライバ:Catalyst 8.4
使用したフルHD動画再生環境:PowerDVDUltra海外リテール版(パッチ3730a適用)
WinDVD 9 Plus (最新パッチ適用)
XBOX用HD DVD外付けドライブ(HD DVD再生用)
I/O DATA BRD-AM2SB(Blu-Ray再生用)
結果
上記PC同様双方の再生ソフト、全ての動画において、再生がコマ送り状態で正常に再生されない状態となりました。
どうみても、データ転送が間に合っていないとしか思えない状態となりました。
(3Dベンチコーナーで後述)
(5) 3D性能比較(Radeon HD2400Pro PCI-E版と比較)
PCI-E版のHD2400Proを持っているので、(コア、メモリクロックとも、PCI版と同じ)
3Dベンチを数種類とりました。
3DベンチをとったPC環境
CPU:Athlon X2 4850e (2.5GHz L2=512KB)
メモリー:DDR2-800 1GBx2
マザーボード:ASUS M2A-VM HDMI(AMD 690G)
サウンドカード:オンボード(Realtek HD Audio)
OS:Windows XP Pro SP3
グラフィックドライバ:Catalyst 8.3
以下、左側の結果がPCI-E版、右側の結果がPCI版。
3DMARK2001SE Build330 デフォルト設定値
3DMark Score | 11978 3D marks | 6095 3D marks |
Game1 - Car Chase - Low Detail | 193.6 fps | 81.7 fps |
Game1 - Car Chase - High Detail | 80.9 fps | 42.7 fps |
Game2 - Dragothic - Low Detail | 178.9 fps | 94.4 fps |
Game2 - Dragothic - High Detail | 114.0 fps | 49.6 fps |
Game3 - Lobby - Low Detail | 178.6 fps | 100.7 fps |
Game3 - Lobby - High Detail | 94.2 fps | 49.4 fps |
Game4 - Nature | 34.3 fps | 24.7 fps |
Fill Rate (Single-Texturing) | 692.4 MTexels/s | 686.3 MTexels/s |
Fill Rate (Multi-Texturing) | 2028.4 MTexels/s | 1988.1 MTexels/s |
High Polygon Count (1 Light) | 80.2 MTriangles/s | 59.4 MTriangles/s |
High Polygon Count (8 Light) | 29.0 MTriangles/s | 14.4 MTriangles/s |
Environment Bump Mapping | 226.5 fps | 51.1 fps |
DOT3 Bump Mapping | 103.0 fps | 23.2 fps |
Vertex Shader | 167.9 fps | 49.8 fps |
Pixel Shader | 234.5 fps | 31.3 fps |
Advanced Pixel Shader | 116.5 fps | 96.6 fps |
Point Sprites | 13.1 MSprites/s | 13.2 MSprites/s |
PCI版はかなり興味深い結果が出ています。
特に、Pixel Shaderのスコアよりも重いはずのAdvanced Pixel Shaderのほうがスコアが3倍近く上回っています。
こんな結果が出るのは、今まで何種類ものビデオカードで、3DMARK2001SEを実行させたことがありますが、
初めてみます。推測ですが、Pixel Shaderのテストプログラムは、接続バス(PCI)を頻繁に通るプログラム、
Advanced Pixel Shaderのテストプログラムは、ビデオカード内部で比較的完結するようなプログラムに
なっているのではないかと思います。(ソースコードみないとそこは本当かはわかりませんが)
FFベンチ3
Low 5958 2378
High 3728 1279
3DMARK2001SE同様、ほぼ半分の差になっています。
ゆめりあベンチ ver1.2(強制SM2.0パッチ適用)
XGA最高でとったのだ〜♪
7559 5272
8500GTのPCI-EとPCIでの差が1割程度であったけども、
HD2400Proの場合は2割程度差がついているのだ〜♪
バス速度に関係ないベンチと言われているけども、それだけだと説明ができないスコアなのだ〜♪
これは、どう考えても、PCI-E - PCI 変換ブリッジチップの性能の低さが足をひっぱりまくってるのだ〜♪
そう考えると、HD動画のコマ落ちとかも説明ができるのだ〜♪
( ゚ω゚)ねねこ口調になるのは仕様なのだ〜♪
*まとめ*
HD2000シリーズは、GeForce8500よりも強力な動画再生支援機能を持っているので、
まともに再生できるものかと思っていたが、全くダメという予想外の結果となった。
公式サイトでも「環境によってはコマ落ちする場合があります」という
実にいい言い逃れができる文章が書かれているので、
この件で、文句を言っても、「環境のせいです^^」と返答されて一発アウトされるという罠が待っています。
正直な意見として、わざわざこれを買う必要はないと思います。
元々、グラフィックカードがPCIバスしか増設できないメーカーPCでは、
CPUが非力なものばかりなので、上記結果よりもっと悪い結果が出ると思います。
HDCPは対応してますが、それで、昔のPCでも地上/BSデジタル用の単体キャプチャーカードを
使えるかも、とお思いになる方にいるでしょうが、あれらは、CPUパワーをかなり必要とするようなので、
(CPUでMPEG2TS表示以外に暗号処理解除等をやっているっぽい)
PCIでしかグラフィックカードを増設できない環境のPCの場合、これを試すのは無謀だと思います。