GeForce 8800GT SLI vs GeForce 8800GTX SLI
　　vs GeForce 9800GX2 vs GeForce GTX280

G80コア世代ハイエンドのSLI環境と、G92コア世代のSLI環境と、最新コアのGTX280とを性能を比較する。

　テスト環境

　CPU : Core2Duo E6850 (3GHz L2=4MB Dual Core）
　MEMORY : PC6400 DDR2 SDRAM 1GBx4　(DDR800動作)
　M/B : ASUS P5NT WS (nForce650i+570SLI？独自x16 x16 SLI対応マザー)
　その他拡張パーツ :　SoundBlaster X-Fi XG、ELSA PhysX PCI
　電源 :　CoolerMaster RealPowerPro 850W
　OS : Windows XP Pro SP2　、　Windows Vista Ultimate 32bit SP1

なお、XPでの使用ドライバーは、GTX280以外は174.74、GTX280は175.12。
Vistaでの使用ドライバーは、8800GTX SLIは175.12、GTX280は177.35。
全てメーカー定格品。

Vistaでの比較は、都合上（お察しください）、8800GTX SLIとGTX280のみで行っている。
Vistaでの比較結果は、後日掲載。

Windows XP　での測定結果　

（1)　3DMARK06 build1.10

　　1．　1280×1024　FSAA no　　Aniso no (Default）

完全にCPUが足をひっぱっている状態になっている。

　2．　1280×1024　FSAA x8　　Aniso x16　

これも、CPUが足をひっぱっている結果に思える。
GTX280のスコアの低下が、単体グラフィックチップにも関わらず、他と変わらないのはかなりの進化をしている証拠だと思える。

　3．　1920×1200　FSAA no　　Aniso no　

ほとんど1．のスコアと変わらない。CPUが足をひっぱっている証拠でもある。

　4．　1920×1200　FSAA x8　　Aniso x16　

GPUに高負荷をかける設定で、SLIが有利だが、GTX280のスコアが8800GT SLIと同程度なのは立派である。

（2)　ロストプラネット　DX9 体験版　パフォーマンステスト

グラフィック設定は以下通り。解像度だけを変更して実行している。（GTX280ではマルチGPUオフ）
ある程度低い解像度でも、GPU側に負荷がかかるような設定にしてある。

------------------------------------------
PS:オフ
AA:x4
HDR:中
テクスチャフィルタ:異方性16倍
テクスチャ解像度:高
モデルの詳細:高
影の品質:中
影の解像度:デフォルト
モーションブラーの品質:高
エフェクトの解像度:高
エフェクトの品質:高
エフェクトのボリューム:高
ライティングの品質:高
ディスプレイの解像度:*任意*
ディスプレイの周波数:60Hz
フルスクリーン:オン
垂直同期:オフ
アスペクト補正:オフ
並列処理:2
並列レンダリング:オン
マルチGPU:オン
-------------------------------------------

1024x768

8800GT SLI　　　　：　Snow　131　　Cave　56
8800GTX SLI　 　 ：　Snow　146　　Cave　56
9800GX2　　　　　 ：　Snow　137　　Cave　56
GTX280　　　　　　：　Snow　135　　Cave　57

8800GTX SLIのSnowスコアが飛びぬけている。

1920x1200

8800GT SLI　　　　：　Snow　62　　Cave　54
8800GTX SLI　 　 ：　Snow　76　　Cave　54
9800GX2　　　　　 ：　Snow　69　　Cave　55
GTX280　　　　　　：　Snow　68　　Cave　56

解像度が高くなると、さらに8800GTX SLIと他のスコアの差が開いている。
GTX280のSnowのスコアが、9800GX2と同じなのは驚きである。

（3)　World in Conflict　DX9　DEMO　パフォーマンステスト　

グラフィック設定は、「Very High」で、解像度だけ変更して実行。

1280x1024

GeForce 8800GT SLI

GeForce 8800GTX SLI

GeForce 9800GX2

GeForce GTX280

GeForce GTX280のスコアが抜きん出ている。

1920x1200　

GeForce 8800GT SLI

GeForce 8800GTX SLI

GeForce 9800GX2

GeForce GTX280

GTX280の平均fpsは最も高いが、フレームレートの変化が、SLI構成よりも激しいのが分かる。

（4)　Unreal Tornament 3 patch2適用　DX9　

ベンチマーク用ツールを用いて、CTF-Coretのflyby(GPU依存)とbot（CPU依存)のスコアを測定した。
テクスチャ等の設定は、最高にしてある。

1280x1024

GeForce 8800GT SLI

flyby　：　165.10 FPS average, 98.94 percent of time spent > 30 FPS
bot　　：　112.26 FPS average, 94.53 percent of time spent > 30 FPS

GeForce 8800GTX SLI

flyby　：　165.41 FPS average, 98.88 percent of time spent > 30 FPS
bot　　：　137.92 FPS average, 95.30 percent of time spent > 30 FPS

GeForce 9800GX2

flyby　：　166.32 FPS average, 98.58 percent of time spent > 30 FPS
bot　　：　121.63 FPS average, 94.23 percent of time spent > 30 FPS

GeForce　GTX280

flyby　：　175.93 FPS average, 99.93 percent of time spent > 30 FPS
bot　　：　114.11 FPS average, 95.74 percent of time spent > 30 FPS

flybyは、GTX280が一歩抜きん出ているが、botでは8800GT SLIと同程度のスコアになっている。
botテストでの高負荷（キャラクター＆エフェクト大量表示）では、SLIの効果が出ているものと思われる。

1920x1200

GeForce 8800GT SLI

flyby　：　151.31 FPS average, 98.39 percent of time spent > 30 FPS
bot　　：　120.08 FPS average, 94.42 percent of time spent > 30 FPS　

GeForce 8800GTX SLI

flyby　：　163.80 FPS average, 99.01 percent of time spent > 30 FPS
bot　　：　116.61 FPS average, 95.48 percent of time spent > 30 FPS

GeForce 9800GX2

flyby　：　156.94 FPS average, 98.92 percent of time spent > 30 FPS
bot　　：　124.05 FPS average, 95.44 percent of time spent > 30 FPS

GeForce GTX280

flyby　：　162.52 FPS average, 99.93 percent of time spent > 30 FPS
bot　　：　117.40 FPS average, 96.39 percent of time spent > 30 FPS

1280x1024のときとほぼ同スコアである。CPUが足をひっぱっている結果になっている。
（UT3は、常に2コアとも100%使う仕様のようで（Crysis等はそうではない）、CPUの性能がかなり影響するのではないかと考えられる。

（5)　F.E.A.R patch 1.08適用

設定は、「MAXIMUM」にして、解像度のみを変更してパフォーマンステストを実行。　

1024x768

GeForce 8800GT SLI

GeForce 8800GTX SLI

GeForce 9800GX2

GeForce GTX280

SLI構成のは、どれも同程度だが、GTX280のみ、スコアが他よりかなり抜きん出ている。
常に60fps以上という結果になっているのが驚きである。

1920x1200

GeForce 8800GT SLI

GeForce 8800GTX SLI

GeForce 9800GX2

GeForce GTX280

1920x1200でも、GTX280は最低fpsが60、平均が102という8800GTX SLIを4割程度上回るスコアを出している。

（6)　Crysis patch 1.2

　グラフィック設定は、全ての項目を「very high」に設定し、ベンチマークツールを用いて、
ソフト付属の「benchmark_gpu」を解像度、アンチエイリアシングを変更した設定で実行した。

8800GT SLI

Run #1- DX9 1024x768 AA=No AA, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 52.82
Run #2- DX9 1024x768 AA=4x, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 49.95
Run #3- DX9 1600x1200 AA=No AA, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 44.625
Run #4- DX9 1600x1200 AA=4x, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 32.32

8800GTX SLI

Run #1- DX9 1024x768 AA=No AA, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 56.455
Run #2- DX9 1024x768 AA=4x, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 54.78
Run #3- DX9 1600x1200 AA=No AA, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 52.29
Run #4- DX9 1600x1200 AA=4x, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 44.035

9800GX2

Run #1- DX9 1024x768 AA=No AA, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 52.57
Run #2- DX9 1024x768 AA=4x, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 49.885
Run #3- DX9 1600x1200 AA=No AA, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 46.84
Run #4- DX9 1600x1200 AA=4x, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 35.01

GTX280

Run #1- DX9 1024x768 AA=No AA, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 63.555
Run #2- DX9 1024x768 AA=4x, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 61.23
Run #3- DX9 1600x1200 AA=No AA, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 51.655
Run #4- DX9 1600x1200 AA=4x, 32 bit test, Quality: High ~~ Overall Average FPS: 41.385

8800GTX SLIとGTX280が、8800GT SLIと9800GX2を引き離している。
8800GTX SLIとGTX280は、設定によって、優劣が異なっている。

＊まとめ＊　

GeForce GTX280は、従来のハイエンド9800GX2に匹敵する性能を持っていることは確かなようである。
1チップで、従来の2チップ分の性能を出しているが、7900GTXから8800GTXに世代変更した際ほどのインパクトはないと思う。
ただ、8800GTXの発売当時は、ドライバにかなりバグがあり、
ゲームマシンとしてまともに使える代物ではなかったが、（発売日に購入した自分が経験）
今回のGTX280は、どちらかというと、速度面よりも安定性を重視したドライバを準備して発売した印象を受ける。
ベンチ以外のゲームもいくつかやってみたが、表示がおかしくなるものは自分の手持ちのソフトではなかった。

しかし、恐ろしいのは、実質4万で組める8800GT SLIのコストパフォーマンスの良さである。