(記・国民B 2025.06.17)
■イスラエルのイラン襲撃を止められなかったトランプ政権のジレンマ

  《中見出し》
◆シオニストは何故に今、イラン攻撃に踏み切ったか

◆トランプ政権の迷い、煮え切らない態度の背後にあるものは何か
◆イスラエルとともにイランを攻撃しようとするトランプを必死で止めるタッカー・カールソン

◆シオニストは何故に今、イラン攻撃に踏み切ったか

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 6月12日イスラエルはイランへの直接攻撃を始めた。イランは直ちに反撃をした。イスラエルの第一撃では、イラン革命防衛隊の最高幹部を含めた4人が殺害された。少なくとも核兵器開発科学者2名が殺害された。ウラン濃縮施設一つ、弾道ミサイルの発射の中心的軍本部が破壊された。ネタニヤフは「脅威が排除されるまで継続する」と強気の発言をしている。
 トランプ政権は「米国は関与していない」と声明を出した。だが、トランプは事前にイスラエルから攻撃を事前に知らされていて、ネタニヤフのイラン攻撃を事実上黙認、ある程度の背後での協力をしたとも言われている。
 イランからイスラエルに向けたミサイルは、いくつかの国の上空を通過する。その過程で迎撃がなされるが、これにはヨルダン、サウジアラビア、UAE、シリアなど12か国が協力した。
 米国とイランは核協議をしていたが、交渉担当の指揮者がこのたび殺害されたことから、協議は無期限中断となった。
 イスラエルのシオニストたちは、以前から米国に「イランの核施設を徹底的に破壊して欲しい」と要求していた。トランプ政権は、イランとは核協議という場でイランの核開発を押しとどめる努力が先だとして、軍事的行動を拒否してきた。シオニストは「米国がやらないのなら、単独でイランを再起不能になるまで叩き潰す」と表明していた。それが、この度実行された。
 イスラエルのシオニストは、国内と周辺国に対してジェノサイドを実行している。これにはイスラエル国内外で激しい批判が沸き起こっている。国内では連日大規模なデモがくりひろげられていた。国際的には、従来イスラエル批判は「ユダヤ人批判」と同じだ。それは第二次世界大戦のヒトラーによるホロコーストと同じで「ユダヤ人批判」は法的に禁止されている国家も多い。しかし、現在のイスラエル政権によるパレスチナ人に対するジェノサイドは、イスラエルとかユダヤ人とかではなく、ごく一部のシオニストによるあからさまなジェノサイドだとして、世界的に従来の縛りをはねのけての批判が膨れ上がってきていたのだ。
 ネタニヤフ政権は突出したシオニスト連合で、いくつもの罪で国内では告発されている。戦争を停止すると、たちまち連中には監獄行きとなる。これから逃れるには戦争の継続・拡大しかないという状況に置かれていた。ハマスは敵だがほんとうの敵はイランだ。イランを叩き潰さなければならない(オクトパスドクトリン)と、第三次ネタニヤフ政権は発足当初から狂気だった。
 仮にイランを叩き潰して政権を崩壊させるようなことができれば、再度国民の支持を得て復権できるという、あまりに愚かで利己主義の人を犠牲にした考えだ。
 ネタニヤフらシオニストが、今が残された唯一のチャンスだ。これを逃がせばもう訪れないかもしれないチャンスだと考えたことには、根拠がある。
 第一はグローバリズムの凋落だ。偽白人ユダヤ人(シオニスト=地球支配者の中心的一角)は、トランプ登場やブレグジットなどによる反グローバリストの台頭で追い詰められている。だが、キリスト・ユダヤ一神教勢力は依然として力を保持しており、なによりトランプはまだ偽白人ユダヤ人の仲間だ。
 第二に欧州のEUやNATOもイスラエル支援を続けている。特に米国のネオコンが厳然として支配を誇っているペンタゴン=CAIはモサドとの関係を維持している。英MI-6の協力も心強い。偽ユダヤ人が私的に作った国連への支配力も維持している。
 今回、イランの核施設の詳細な情報を得ることができたのはIAEAという核施設の調査をしている組織からの詳細な生情報が、筒抜けでイスラエルに漏らされたから成功できた。イランの軍や核関係の幹部の居場所がわかり、ピンポイントで殺害ができた。
 モサドの工作員も活動もイラン全土に暗躍しており、イラン政治、軍事、産業の中枢に協力者を得ていた。そうしたスパイの密告によって要人の住まいの部屋まで特定できていて、ドローンの襲撃はまさにピンポイントで実行できた。
 こうした条件は現在がピークで、トランプがこれからどう態度を変えるかでできなくなる。欧州でも反グローバリアストの運動の盛り上がりの結果で、情報が得られなくなる。
 今のうちに、米国から「バンカーバスター」を多数得て起きたい。イランの核施設は100~800メートル以上の地下にあり、バンカーバスターでも破壊が難しい(数十~50メートル程度までと言われる)。今回はイラン核施設の入口などは確実に破壊したが、地下施設の破壊の全容は分からないのだ。
 イスラエルは数百の核を所有している。だが、他国には今だ非所有を通している。所有に至る経緯から、核のボタンは全部米国に握られていて、単独では使用できない。これを単独で使用できるよう米国に依頼している最中だ。
 イスラエルの「アイアン・ドーム」は最強として誇ってきた。だが、この度、イランからの逆襲を受けて、相当多くがテルアビブの市街地を破壊した。特に、イスラエルのペンタゴンに相当する軍の中心施設が破壊された。アイアンドームが破られたことで、国民には不安が急激に拡大している。イランの襲撃システムは生きており、しかも制度は決してあなどれないことが誰にも知れた。
 イランが所有するマッハ数倍の速度を持つ多数のミサイルには対空ミサイルも対処できない。アイアン・ドームが破られたことの市民の衝撃は計り知れなし。
 一方イスラエルの1600キロ先への空軍の爆撃はイランの要所に大打撃をもたらした。基本的に戦闘機は途中で空中給油をうけての作戦だ。F35は1~2機撃ち落とされたが、これには英国とNATOの衛星支援を受けて成功した。イラン国内からのドローン攻撃も実行された。ウクライナがロシアに対して行った蜘蛛の巣作戦と同様に、威力を発揮した。
 双方の波状の攻撃はまだ止む気配がない。イスラエルはイランに「完全な核開発の放棄」「パレスチナ国家消滅の承認」を求めているが、当然にイランは飲める話ではない。イランは即時停戦をイスラエルに求めているが、イスラエルは当然拒否だ。
 イランは中東と世界各国にイスラエルへの戦闘停止の仲介を依頼し、トランプ政権の戦闘停止への働きかけを求めている。だが、トランプ政権は戦争は嫌いだが、一方でのイスラエル「支持から反対」を公言できないために揺れている。


◆トランプ政権の迷い、煮え切らない態度の背後にあるものは何か

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 トランプはネタニヤフに対して、パレスチナ人へのジェノサイドを止めるように求めていたが、無視されてきた。さらに、イランへの攻撃などもってのほかだ、とは言いつつも、ネタニヤフに無視された形で単独行動に走った。米国トランプ政権は、シオニストに対して発言権がもやはないように見える。
 このトランプのあいまいな態度、弱腰について、これまでここの記事で毎回論じて来た。トランプのこの限界の根底にあるのは、キリスト・ユダヤ一神教原理主義者としての矛盾と限界だと。
 宗教を信じることで、宗教の理念が人間としての自由でまっとうな思考を歪めてしまう。人間として直面しているテーマに神を持ち出すことで、神頼みやキリストの再君臨、来たるべき千年王国の夢で現実を解釈しようとする。
 シオニストのパレスチナ人を「人間でない。ゴイム=家畜、動物、奴隷」だとして虐殺するのを、神の教え、聖書に明記されているとして容認してしまうのだ。だから、目の前のジェノサイドをみても真実が見えない。人間が人間を無残に殺している現実がみえない。
 「ユダヤ人は神に選ばれた民族だ」「パレスチナ人はゴイム=奴隷=動物=けだもの=アリンコやごきぶりと同じ)だ」という神の教えから、相手を同じ人間として見えないのだ。狂気に陥っているのだ。
 「米大陸発見」などとうぬぼれる。原住民を皆殺しにしても、それが人間としての大犯罪であることを気づかず、建国の誇りだと真逆に思う。アフリカから大量の黒人を狩って奴隷として働かせた。ベトナム戦争では枯葉剤を頭上に撒いた。新型コロナが流行るとして治験のないワクチンの強制をした。皆同じである。偽白人ユダヤ人の地球支配の現実だ。
 キリスト・ユダヤ一神教原理主義者は長年世界の頂点に立ち、世界を思うがまま牛耳ってきた。かつての西欧、米国は世界の頂点に君臨してきた。植民地国や小国は、連中の言うことに従ってきた。連中の言うことが正しく、真実だ、それに異論を唱えれば痛い目にあうという理不尽の世界だった。
 だから、パイキング、米国建国、奴隷、ベトナム戦争等のそのときに、ヤツらの言うことに意を唱えずに「自由と民主主後のため」と称え、側面から力を加してきた。そしてヤツらのグローバリズム推進に手をかしてきた。
 反グローバリズムの声が大きくなっている今、シオニズム、ネオナチ、ネオコンらが目の前で行っているジェノサイドに対して、いまだに声を上げないでいるものが多い。しかも、反グローバリズムの先頭の部類に属するトランプ革命派、MAGA陣営の中枢であっても、真実が見えていないものがいるのだ。
 今、冷静な人民の目、人民生活の五原則の視点から見れば、シオニストの犯している大犯罪は明確に見えるし、人間としての間違いを指摘できる。
 トランプがキリスト・ユダヤ一神教に束縛されて、盲になっているのは放置したとしても、世界人民は気づかねばならない。世界人民が、いまこそ立場を明確にすることが、トランプ革命派、MAGA陣営を結束させらせる。
 キリスト・ユダヤ一神教原理主義か、人民生活の五原則の視点か。

◆イスラエルとともにイランを攻撃しようとするトランプを必死で止めるタッカー・カールソン

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 宗教を素朴に信じる人が多いのは事実だ。だが、世界的に人民は生まれながらに持つ心情を持っている。そうした視点からの思考には普遍的に人民が共鳴する。
 トランプ政権とMAGA陣営が登場し推し進めている、現在の激烈な戦いは自らが「反グローバリズム」だとは明言しているわけではない。だが、はっきりしていることは「DSを一掃する」というスローガンは、現在地球を裏で実質支配している連中の一掃を掲げている。DSと言ってはいるが、この記事での主張のように、それが地球支配者だと言ってはいない。
 ここに不明確さがあり、これが現在の地球支配者と対決する迷いが表れている。地球支配者はまさにグローバリストであり、偽白人ユダヤ人であり、イスラエルロビーだ。キリスト・ユダヤ一神教を最大限に利用するヤツらであり、世界人民の究極の主敵だ。
 世界人民の側に自分を据えて目の前で展開されていることを見るなら、その根源がすべて地球支配者の邪悪な世界一元支配にあることがわかる。だから、目の前でパレスチナ人がシオニストによって虐殺されていることが同じ人間として許せない。
 目の前でそのシオニストがイランに言いがかりをつけて無謀な襲撃を看過できない。目の前でネオナチがロシア人を殺戮しているのを放置できない。そのシオニストとネオナチを米国を深く支配しているネオコンの願望と一致していることに気付かないわけにはいかない。
 トランプが真正面からDSとの戦いはしているが、イスラエルロビーやネオコンらの目、思惑を気にして鈍い動きになっているのは、人民の目から見たら明白だ。

 シオニストのネタニヤフが、パレスチナ人にジェノサイドを実行していて、さらにイランへの強力な攻撃を始めた。それにトランプがあいまいな態度で、事実上手をかしているのをみて、鋭く注意を喚起した人物がいる。それはこれまでトランプ政権の活躍を大称賛してきた著名なジャーナリストであるタッカー・カールソンだ。
 彼は、素晴らしい視点で、率直にトランプに語りかけ態度の明確化を訴えている。720万のフォローが同時に見ている。
 それは、下記の通りだ。

【6月4日:X マーク・レヴィンは本日ホワイトハウスを防れ、イランとの戦争を推進している。明確に言っておくすが、レヴィンは自分自身がこの戦争や他の戦争で戦うつもりはない。被はアメリカ車に載せようとしている。イランの核兵器開発を用止する必要がある、とワシントンの同調者たちは主張している。被らは数週問以内に実行に移すつもりだ。
 この主張が耳慣れたものなら、それは1900年代から同じ人々が同じ主張を線り返してきたからだ。これは嘘だ。
 実際、イランが核兵曇の製遣に近づいているか、その計画を持っていることを示す信願できる情報は一切ない。そう主張する者は、無知か不誠実だ。もし米国政府がイランが数週間で核兵響を保有する可能性があると知っていたなら、すでに戦争状態にあるはずだ。
 イランはこの事実を知っているため、核兵器を製造しない。
 イランはまた、武器プログラムを完全に放棄することが賢明ではないことも知っている。カダフィは武装解除した直後、NATOは彼を殺害した。イランの指導者たちはその光景を目撃し、明らかな教訓を学んでいる。
 では、マーク・レヴィンが核兵器について過剰反応しているのはなぜか。本当の目的から目をそらすためだ。その目的は政権交代。ほとんど誰もこれを口にしない。アメリカが外国の指導者を転覆させる記録は、あまりにも恥すかしいほど逆効果のため、政権交代は「災難」の同義語となっている。
 公式には誰も支持しない。そのため、被らの真の動機を明かす代わりに、ヒステリーを煽る。「イランのような国が核兵器を持っことは絶対に許せない、被らはロサンゼルスを核攻撃する! 今すぐ行動を起こさなければならない!」と】
【6月4日:X 真の分断は、イスラエルを支持する人とイランやバレスチナを支持する人の間にあるのではない。真の分断は、暴力を軽々しく煽る人と、それを阻止しようとする人の間、つまり好戦主義者と平和主義者の間にある。
 好戦主義者とは誰だろうか。今日ドナルド・トランプに電話をかけ、イランとの戦争への空爆やその他の米軍の直接介入を要求している人たちが含まれる。
 そのリストには、ショーン・ハニティ、マーク・レヴィン、ルバート・マードック、アイザック・バルムッター、ミリアム・アデルソンなどがいる。いすれ被らはこの件について資任を取らされることになるが、今から被らの名前を知っておくべきだ。
 米国はイスラエルとイランの戦争に関与すべきではない。資金も、武器も、兵力も。「特別な同盟国」が何と言おうと、イランとの戦争は米国に何の利益ももたらさないし、国家利益に反する。
 イスラエルがこの戦争を戦うのであれば、その権利はある。しかし、アメリカの支援を受けてはならない。アメリカがこの紛争に介入し続けることは、過激派イスラム世界における西欧への憎悪をさらに爆り、次の世代のテロリズムを助長する。
最悪のケースは、数千人のアメリカ人が犠牲になる事態となり、その全てが我が国とは無関係な外国の戦争のために行われることになる。どの可能性もアメリカにとって有益ではない。
 しかし、別の選択肢があります:イスラエルを切り捨てることです。彼らに自分たちの戦争を戦わせましよう。
 私たちは、エリトリア、スリナム、カンボジア、または地図上で目を閉じて指差した任意の国のために同じことをするのを拒否するのと同じ理由で、アメリ力をイスラエルの戦争に巻き込むことを拒否する。
 イスラエルの戦争はアメリカの戦いではない。それに加わることは、アメリカを第一に置く政府を築くために投票した数百万の有権者への侮辱となる。
 今後何が起こるかが、ドナルド・トランプ大統領の政権の成否を決定づけるでしよう。
 「無法国家」とよく形容されるイランですが、強力な同盟国を有している。イランは現在、世界の陸地面積、人口、経済力、車事力の過半数を占めるBRICSの一員だ。イランはロシアと広範な軍事関係を集いており、石油輸出の圧倒的多数を中国に販売している。イランは孤立してはいない。イランへの攻撃は容易に世界大戦に発展する可能性がある。私たちは敗北することになる】

 ●人民生活と思考の5原則
   ①人に迷惑をかけない
   ②カネとモノ、利権のとりこにならない
   ③地球と未来に負荷をかけない
   ④戦争の根絶、安寧な生活
   ⑤人間としての誇りと尊厳