◆イーロン・マスクのトランプ離脱騒動
全世界的な話題の第一は、蜜月だったとトランプとイーロン・マスクの激しい公論だ。
トランプ政権が、現代における階級闘争、革命闘争において、1917年のロシア革命に匹敵する重大なパラダイムシフトの実現を目指している。トランプがDSと呼ぶ地球支配者の打倒を訴えているという点で、革命的だ。地球支配者は世界人民の歴史的な共通の主敵であるからだ。2024年末の米大統領選挙で人民の支持を得て実現したトランプ政権は、レーニンがロシアで人民政権を打ち立てたときと同様に、猛烈な速度で公約の実現を実施してきている。
この政権実現の立役者の一人がイーロン・マスクだ。そして、すさまじい速度の新政策実行の先頭に立ってきたのがDOGEを率いるイーロン・マスクだった。イーロン・マスクは電気自動車の推進の先頭にたつテスラ、地球的規模の衛星ネットワークを整備するスターリンク、民間で唯一宇宙ステーションに飛行士を運ぶスペースX、言論の自由のためにツィーターを買収してSNSのXを運営する。彼はこうした巨大事業のトップでもある。
5月30日、イーロンがDOGEを任期で離れるにあたり、トランプは最大の祝辞と敬意をはらった。イーロンも今後も継続的に協力していくことを誓った。だが、2日後イーロンは、トランプの公約でもある大幅減税案(OBBB:第1期目にトランプが行った税制の延長。下院ですでに通過。現在上院で論議中)に対して、イーロンは突然「最悪だ」と異論を発したのだ。
上院のなかに設置されている法案の実施後の影響を審査する民主党中心の部会(議会予算事務局:CBO)の報告で「これを行えば国家債務は2.4兆ドル増加する」と報告したのをイーロンが、そのまま解釈した(早とちりしたかに見える)ことから発したものだった。
米国債務は前バイデン政権が急増させてすでに36兆ドルに及んでいる。利払いだけで1兆度ドルに達する(国家収入が7兆ドル弱に対して、利子払いだけで)。引き継いだトランプ政権は国家破綻をきたさないために、この解消をめざすことをかかげている。減税によって発生する雇用増加と経済成長を考慮すると、政府の税収は伸び(事実第1期で実証済み)、10年間で1.4兆ドルの赤字削減、1.7兆ドルの歳出削減が実現できる。歳出削減と公約実現は同時に進めるという見通しを法案に対して示していた。
イーロンは「事前にみてない」「赤字をさらに増やすのなら、DOGEでやったことは無駄だった」「歳出削減が先だ」という。頭に血が上った(イーロンは病気を抱えている。ヤクに類する薬も飲んでいる)イーロンは「トランプはエプスタイン文書に自分の名が載っているので、文書を公開していないのだ」とか「弾劾に賛成だ」「別党をつくる」とまで口走ってしまった。トランプもこれに激興し「電気自動車優遇の廃止を気に入らないのだ」と言ってしまう。
トランプとイーロンの公論は、マスメディアが待ってましたと言わんばかりに、トランプ勢の分裂劇を取り上げて騒いだ。
だが、冷静に事実を見たらわかるように、これはイーロン・マスクの単なる早とちりからおこったものである(報道を追う限り)。トランプの公約と法案は随分前からのものであり、提案理由はトランプと共和党側(イーロンも含め)では初めから分かっていたものだ。
イーロンは、トランプがCO2を敵にするグロ―バリズムの考えを否定した電気自動車推進政策を承知でトランプ陣営指示にまわった。結果的にテスラの売り上げは急落、あわせて株も下落し、何兆円もの私的財産を失っている。イーロン自身はその経済的打撃より正義を優先させた(政府からの報酬はゼロ)が、企業の株主サイドからの避難は激しさを増していた。
この株主サイドからの圧力がイーロンの精神を追い詰めていた。この矛盾を派手に爆発させることで、難局に一定の区切りはつくだろう。イーロンは、トランプの掲げるMAGA支持者から「冷静になってくれ。対立は誰を喜ばせるのか考えよ」という声を受け止めている。エプスタインの件、スペースX(政府に協力打ち切る)件などOBBB以外の発言を削除した。冷静にもどったイーロンは、自分の発言を振り返り、本来の心情にもどったようだ。
8日にはロスアンゼルス騒動に対して、トランプ政権のとった態度に賛同を投稿している。
トランプは記者からの追及に対して、イーロンがDOGEで果たしたことは誰にもまねのできない素晴らしい貢献をした。なみはずれた愛国者だ。今は、イスラエル、イラン、ウクライナ、中国問題に集中したいと、これ以上の詮索を避けた。
並外れた天才同士の協働。これは現代における階級闘争のなかで実現したひとつの表現形態だ。問題が、協働のテーマが何であるかだ。それが人民の利益にどう直結しているのかだ。それが、主敵である地球支配者への打撃にどうつながっているかだ。DOGEがおこなっている政府効率化省の戦いがまぎれもなく、地球支配者への大きな打撃となっている。現在までに1.5兆ドルの無駄金を暴いた。USDIDの今まで知られていないヤツらの支配の手口を世界人民の前ににさらけ出した。この意義を忘れてはならない。
全世界的な話題の第一は、ハーバードを始めとする米国の名門大学との抗争だ。
ハーバードに先立って報じられた事件がある。昨年12月にコロンビア大学で、ガザ地区でのイスラエル・シオニストによるジェノサイドに対して、一部の学生が「反イスラエル・反ジェノサイド」で大きな抗議活動が起こった。
イスラエルの自衛権を掲げる勢力と衝突した。学校側は中立を守ると言いながらも「反イスラエル・反ジェノサイド」側を支持し、イスラエルの自衛権を守る積極的な行動をしなかった。
あろうことか、キリスト教原理主義者を背景に持つトランプ政権は、学校側はイスラエル=ユダヤ人をちゃんと守っていない、全米の「反イスラエル・反ジェノサイド」運動の拠点となっているとして、4億ドルの助成金を打ち切った。
ハーバードでも同じ点が指摘された。学校側が反イスラエルへの対応が甘い。さらにハーバードはDEI(多様性・公平性・包括性)などというのを掲げて、誤った教育指導をしている。学生の本来の能力を伸ばし、それを正しく評価することより、性別や人種、性的趣向の均一性を優先して、能無しでも均等でいいというあやまった考えを押し広めた。
この是正を政府が提起したが、学校側は学問の自由への侵害だとして拒否し、裁判にまで訴えた。トランプ政権側は87億ドル相当の助成金を凍結した。政権はさらにエスカレートし、留学生の受け入れ禁止措置をとった。学生数の27%、6800人にも及ぶ留学生はおり、派遣している世界各国に影響が及んだ。 トランプ政権のターゲットにされている大学は「名門」なだけに、米国の政財界軍とあらゆる分野に卒業生は卒業して散っている。それらの大学は政府だけからではなく、中国などいくつかの反米的な国々から、多額の寄付を受けている。派遣された留学生は、多くの特権を持ち、米国の本来機密であるはずの情報に接し、それを本国に送っていて、事実上のスパイをしている。
このような学校のありようは米国政府として「安全保障の強化」から見過ごせないことだとした。マスメディアにしてみれば、非政治的な学問、教育の場を、トランプが単に気にくわないというだけで、いいがかりをつけて、独裁的にいじめ倒していると取り上げる。
副大統領のバンスは「大学という敵対的機関が、知識を支配し、何が真実で何が虚偽なのかを決め、われわれの社会で最も愚かな思想にお墨付きを与える研究をしている」と断じた。米国の現実として、名門を出たエリートたちが、おまえらはオレたちの判断に従っておりさえすれば、間違いないのだ、というのがある。そのまま、地球支配者がすすめるエリーと支配の考えだ。誰からも選ばれたり、認められたりしていない自称エリートの、鼻持ちならない姿勢だ。
米国でネオコンが実権を振るい始めた時期までは、名門大学に入学する動機の多数は「世のため人のため」だった 。それが現在は、圧倒的に「勝利者になる、金持ちになる、支配者になる」とかわってきた。つまり、現代のエリートによる三ない主義(いまだけ、カネだけ、自分だけ)思想そのものだ。米国の名門大学が、自分さえ勝てばいいという偏り過ぎた思想を世界中に広めている。
現代においてグローバリズムに反対するというなら、まず思想的な狂気、反人民思考の典型である三ない主義と戦うことである。大学で、三ない主義を事実上、徹底的に教え込んでいる。留学生が母国に戻り、エリートとしてこれを広げる。疑問を持たせない。許しがたい現実を知るべきである。当然日本でも同じだ。
副大統領のバンスは、どう理論化しているかは分からないが、現代における階級闘争は、グローバリズムと反グローバリズムだ。その思想的骨格を形成しているのは三ない主義で、人民側が徹底的な克服することである。長期の支配で実現してきた三ない主義を、人民が一掃すること。そして「人民生活の五原則」を打ち立てることが、人民革命の根幹だ。
ハーバード問題のスタートは「大学が反ユダヤ主義排斥に消極的だ」という、妙なことだった。妙というのは正確にはまちがっている。パレスチナ擁護、シオニストのジェノサイド反対という学生たちの抗議活動のほうが正しい。その真実と虚偽について、理論的に深められないのが、現在のトランプ政権の限界だ。
国内のキリスト教原理主義者から強い支持を受けている。自らがリスト教原理主義者だということが、自らの思考を、自ら縛っているからだ。だから、ユダヤ教とシオニズムというファシズムの区別に気付かない。本来の「ユダヤ教信者」と「白人偽ユダヤ人」の区別がつかない。
しかし、世界に三ない主義を広めている拠点になっている。それをぶち壊すという現在の到達点は正しい。これを、トランプやバンス、MAGA陣営が理論的に深く展開するなら、この戦いは大きく意義のあるものとなる。米国人民の大きな課題だ。
現在芸国で大きな話題は、ロスアンゼルスの抗議デモに対する州兵派遣がある。トランプ政権の不法移民の一斉摘発に対して、不法移民たちが街頭での抗議デモと周辺への暴動を起こした。法執行(摘発行動)をしていた連邦府職員たちが不法移民の武装的抵抗により追い詰められた。連邦府施設が不法移民に占拠されるところに至っていた。州に支援を要請したが、反トランプの知事は応えなかった。
公共の幹線道路を占拠したり、火をつけたりして車を炎上させ、多くの事故被害を拡大している。
トランプ政権は職員の身の安全を守るために、州兵300人を動員した。州側は知事が同意していないとして、政権と対立した。米北方軍司令部は500人の海兵隊を派遣する体制を整えた。
暴動の中心になっているのは不法移民たちだが、いずれも凶悪な暴力犯罪者集団だ。それにいつも登場するアンティファなどである。すでに56人が逮捕された。
トランプ政権の法と秩序を守る行動に対して、民主党と不法移民とアンティファなどが「聖域都市」とよぶ無法地帯を拡大しているのに、ヤツらのマスコミは、反トランプのキャンペーンに利用している。
6月2日深夜ウクライナはロシアに対して、かつてない大規模のドローン攻撃をした。112機のドローンを密かにロシア国内で組み立て、ロシアの戦略的軍事基地:飛行場周囲に移動、一斉に数か所でロシアの戦略爆撃機41機を破壊した。続いて3日にはクリミア大橋を大破した。8日には戦略爆撃機と戦略戦闘機破壊の2度目の攻撃を行った。カザン火薬工場、レーダー研究所も破壊された。一連の作成を「狂った蜂作戦」とした。
ウクライナのドローンは爆撃機が破壊される様子も撮影しており、ウクライナ軍からその様子が世界に発信された。ロシアは半数以上を迎撃したのだが、基本的に、国内発進のドローンについての迎撃システムを完備しておらずに、大きな犠牲を受けてしまった。
ロシア国内にいる新ウクライナ人による協力のもと、数年かけて必要な機材や爆薬を運び込み、組み立ててトラックに積載して、ロシア全土の飛行場、武器製造工場、インフラをターゲットにして一斉に行動をおこなったものだった。当然ながらロシア側は、これを受けて漏れのない厳重な体制を敷いた。戦略爆撃機を収納する設備の整備を一斉にはじめた。
戦略爆撃機については、言うまでもなくターゲットは米国とNATO諸国だ。米国が勝手に破棄したかつての戦略兵器制限条約にもとづき、契約当時の取り決めで、衛星から爆撃機の数、配備状況を互いに掌握できるように、爆撃機を地下や格納庫に入れず、野ざらししていた。
この情報をウクライナは英MI-6から入手して位置や配備状態を掌握し、機体の形式などをAIに学ばせ、当日の襲撃に利用した。米国にしてもロシアにしても、この条約締結後には新種の機密爆撃機の開発を行っており、当然それらは無傷で保持している。
米軍の分析では、ウクライナ軍が報じた被害額は半分だということ。確かに、ドローン映像を見る限り被害は大きいが、実際の軍事力という点から見たら、多くは古く廃棄寸前のものもある。有効機の被害は10機にとどまっている。現在はウクライナとの特殊な戦闘中であって、戦略的なターゲットと立ち向かってはいない。一定の時間さえあれば、容易にカバーできる被害だ、というのである。
プーチンとトランプの電話会談も行われている。プーチンに早期停戦を訴えたいトランプも、今回はさすがに怒れるプーチンのウクライナへの激しい反撃を容認することになった。
プーチンは当然ウクライナの変則攻撃を猛烈に非批判した。相応の反撃を予告し、即ドローン500機を超える体制でウクライナへの反撃を開始した。ロシア軍と対峙するウクライナ軍の前線では、ロシア軍は圧倒的な優勢を堅持していて、毎日数百メートルから数キロでウクライナ兵を追い詰めている。
ロシア側のウクライナに提示している終結案では、東南部4州のロシア併合を承認し、NATOへの加盟断念の宣言が中心である。プーチンは一時的な停戦には興味がない。ウクライナ軍に息継ぎを与え再開時のエネルギー補給をするだけだからだ。二度とロシアに刃を向けてこない状態にすることに、ゴールを絞っている。
欧米日という地球支配者の手下が、ヤツらの邪悪な一元支配の完成のために、ロシアの壊滅を命令されて、ウクライナのネオナチを前面に立てて起こしたのがウクライナ戦争だ。その欧米日から今や米は抜けた。残った欧州、つまりEUとNATOは命令者の指示を死ぬまで守る気だ。ネオナチのゼレンスキーは、米国からの支援が切られても、ロシアへの敵対心を貫こうとしている。欧州の支援があればまだロシアとの闘いには勝てると夢想している。
今回のドローンによる奇襲攻撃の成功は、ロシアに勝てるという夢想を膨らませた。英国MI-6の支援と軍の奇抜なアイデアで世界を驚かせ、ウクライナを支援してきた勢力を、ひさびさで勇気づけたからだ。
だが、現実にはウクライナと欧州の支援国家勢力は、自壊の道を一歩進めたに過ぎない。このような奇策、現在まで軍事の最先端では想定されていても実行してこなかったことを、ウクライナがやってしまったことから、これからは二度とこの手が使えなくなったことである。
今までウクライナは前線では負けていながら、終戦に合意を阻んできた。現在は残された道が、戦闘での敗北だけになった。極論としては、東側は全面的にロシア領となり、西側をルーマニアなどの領地とされ、ウクライナが消える。
これは、もともと手下どもに「ロシア壊滅」を支持した地球支配者の全面的な敗北を意味する。EUとNATOの大敗北でもある。地上に残る地球支配者は当然に認められない敗北を突き付けられる。911以来、一途に一元支配の実現に走ってきたが、突きつけられた「敗北」にどう対処するのか。
世界人民が決起して、ヤツらに追い打ちをかけて、ヤツらの地上からの消滅を実現するか。それとも追い詰められたヤツらが、一時的に敗北を受け入れて、静かに時間をかけて再起を決意するか。またまた、窮鼠猫を噛むで、敗北を認めず、ハルマゲドンで人類全滅の最終決戦にでるか。この三つの選択となる。
世界人民が望むのは当然第一だが、現時点ではその客観的条件がそろっていない。
さて、ウクライナのことたびの奇抜な戦術のことに戻る。
長年の計画。内部に協力者を得て、内部でドローンを組み立て、軍事施設、空港、重要インフラの各所の近所まで運び、一斉に攻撃する。このような攻撃方法だと、いわゆる防衛ドームは役だたない。
日本に当てはめれば、以前から一般に語られているように、原発施設、データセンター施設等は完全な無防備状態だ。簡単で安易な武器で、容易に攻撃できる。だから、他国からその気で攻められれば無抵抗で完全にやられる。
作家の松岡佳祐は「令和中野学校」でもろ描写している。自衛隊のデータセンターを占拠破壊する外国勢力との闘いを扱っている。世界の大国は土地が広いので、形式が異なるが同じ問題を抱えているのは事実だ。日本は原発施設、データセンター施設は都市のど真ん中ではないが、施設のすぐ近くは多くの住民が生活しているので、人民の被害は甚大であるがゆえに、真剣に考慮すべきことだ。
●人民生活と思考の5原則
①人に迷惑をかけない
②カネとモノ、利権のとりこにならない
③地球と未来に負荷をかけない
④戦争の根絶、安寧な生活
⑤人間としての誇りと尊厳