ここ数年間で「世界同時」という言葉が頻発する。ここに難民・移民問題を見るときの重要なカギがある。
全世界で火が付いている。特にフランスでは激しい。首都パリから始まり、周辺の都市でも暴動化し、さらに周辺国にまで拡大している。フランス警察は「暴動ではない。もはや内戦だ」と言っている。
最初はフランスに流入した北アフリカ系アラブ人の少年が、警察官の検問を受けた際に無視して車を動かしたところを、拳銃で射殺した。これに抗議して連日デモと抗議が始まり、暴動化している。
火つけ、強盗、打ちこわし…何でもありの状態で、包囲する警官との間で、すでに逮捕者は数千人を超えている。延焼破壊された自動車は無数、負傷した警察官多数、警察署への放火は30か所誓い。憲兵事務所のやられた。タバコ屋、商店、銀行等々、被害総額は1500億円を超える。
連日の暴動をまえに、マクロン首相は「平均年齢が17歳というから少年たちが、街頭でテレビ・ゲームを楽しんでいるのだ。子供たちに対してはその親が面倒をみるもので、国家が介入する問題ではない。拘束者の親には罰金を科す」とし、首相本人も何かのライブに行って遊んでいる。
ただ、きっかけは確かに少年が撃たれたことへの抗議だが、盗み、放火、破壊が主になるまで激化した背景には「ブラック・ロック」なる黒装束の過激な無政府主義者集団の加担が指定されている。3人の男が花火300kgを所持していた。わずか1日半程度で同じTシャツを抗議者たちが着ている。過去のカラー革命と同じで、紫革命として明らかに準備された組織的なもの。
そもそも難民・移民の流入を止めることをしない政府を追及する声が多い。だが、フランス政府は、難民・移民の流入は引き続き受け入れると表明している。イタリアメローニ首相は北アフリカからフランスに向かう難民・移民を乗せたNGO船のイタリアへの寄港の拒否を宣言した。
暴動の火が消える見通しは立っていない。政府の態度に注意したい。普通のヒトとしての感覚で許される範囲か。
難民・移民問題と言えば米国がいま最大の難関にさしかかっている。2016年の大統領選挙でトランプが「メキシコとの国境に壁を作る」と公約したときには、世界中が唖然とした。それは米国の難民・移民問題が世界的に認知されていなかったこともあり、国境に壁を作るなど荒唐無稽なことだという認識があったからだ。
当選したトランプは即予算を取って建設を始めた。メキシコとの国境は半端な長さではない。国境を接する州の土地の所有者や農民は、そこから毎日多くの不法入国者がはいり、荒らされ、治安は悪化し、本当に困っていたのだ。だから、壁の建設がはじまったら、それを喝さいで迎えた。
トランプは国境警備隊を配置して不法流入の阻止に力をいれて、難民・移民でおびえ、苦しむ不安な人々から支持された。
実際に不法移民による犯罪は徐々に鎮火する傾向を見せた。
ところが、2020年の選挙では地球支配者の決意で、トランプ再選を実現させなかった。耄碌バイデンが大統領に就くや否や、トランプの実行した政策を覆していった。難民・移民政策もだ。
国境壁は撤去がはじまり、不法移民の流入はとんでもない数に及ぶ。中米の刑務所から次々と犯罪者が釈放されて米国に侵入する。もちろん、CIAと現地ギャングと役人がつるんでやっていることだ。カネはソロスから出ている。米国には難なくはいれる。行けば仕事にありつける。とバスやトラックを用意する。仲介者には高額を払う。ソロスから得たカネでは足らない。
組織された仲介者への借金をする。つまり、借金奴隷として米国に不法入国し、犯罪で得たカネで返済するのだ。
流入するのは仕事に就けない貧乏な人だけではない。多くの犯罪者が紛れ込んでいる。自国内には居られない強盗殺人の銃犯罪者、ヤクの売人や運び屋、臓器密売者、幼児売買者などである。
米国では一応移民法があり、正規に移民を申しこむ人を裁判所で審査して、認可されれば正式に入国できる。ところが、そのような手続きはまったく用をなさない。べらぼうな多数であり、何より国境警備で捕まったものの数がくわわる。その人を裁判所に呼び出すのが十年以上後というバカバカしさだ。
もっと多いのは、国境警備に捕まらない連中だ。
警備で捕まっても、留置する場所がいつも満杯で、リスト作成すらままならない。略式で名前をいいなりに記載する程度で、その場で釈放される。捕まらなかった連中と事実上同等だ。この人びとが目指す先は「移民聖域」を自称するニューヨーク市などだ。主に民主党が支配する地域に殺到する。
共和党が支配する地域では、なだれ込む不法移民を、束ねるようにしてバスに乗せて「聖域都市」に送り込む。それでも数が多く、送り込みが追い付かない。
送り込まれた「聖域都市」は公共施設や広場でのキャンプに向かえる。すぐ足りなくなり、公立学校の運動場や、使用頻度の少ない教室まで使われる。当然、学校では授業が制限される。子どもたちや家族が抗議する。
拘置する環境は満足なわけがない。ここでも闇のギャングやさまざまな業者が暗躍する。「い仕事がある」「これを手伝ってくれないか」と誘い出す。つまり、安い労働力を求めている工場や農場はいくらでもある。そこに闇で送り込む。直接ギャングの一味になるものもある。
幼児やヤクや臓器売買で連れてこられたものは、留置所に来る前に組織がどこかに移動させる。
コロナ禍のときは、感染症などが持ち込まれる恐れがある場合は入国を制限できるという臨時法があり、ある程度の入国扱いには制限があったのだが、この春それは終了したために、現在は野放図状態にある。
米国の難民・移民担当は副大統領のハリスだ。この無実績の女は「移民には人権があり制限できない。自分の未来を切り開く機会を国が干渉してはならない」旨の姿勢で、対策をする気がない。さすがバイデンの右腕として大喝采をしたいほどだ。
米国にはもやは法はない。耄碌バイデン政権の姿勢をみていて、これを「まとも」だとして欧米日のマスメディアは報じる。気は確かか。犯罪ファミリーバイデン親子の国家反逆罪に値する横暴が次々と明らかにされている。だが、司法は見てみぬふりを続けている。マスメディアも報じない。
日本をみてみよう。日本は島国であることもあって、難民・移民問題が大きく話題になることはなかった。だが、国際的に難民・移民が億に達するような状況で、日本はもっと多くを受け入れよという「国際的声の高まり」が話題になってきた。
それでカイライの中央政治屋どもは、受け入れ拡大の方向で政策を強めてきた。これみよがしにウクライナからの難民をわずか数人受け入れ、対応を自慢した。
これまであった問題では、近隣の在日韓国・朝鮮人への優遇対応、在日中国人への特別対応がり、さらには「外国人技能実習制度」による低賃金搾取があった。
外国人の難民・移民についての国の対応は、欧米と同じで、極端な優遇だ。人々からは日本人にはギリギリまで締め付けておきながら、なぜ外国人を優遇するのだという声が大きい。
比較という視点から見れば当然の声だ。ちょうど、カイライ政治屋が昔からやっている「海外へのばらまき」と同じだ。日本人には徹底的に搾り上げているのに、海外にはけた外れの巨額を湯水のごとく、たやすくつぎ込む。民に問うことはない。国会での決議もない。ヤツらには誰も権限をあたえていないのに、ヤツらは昔からの既得権でもあるかのごとく、バンバン贈呈するのだ。
その一かけらでも、低所得者に役立てればと誰もが思う。子供をもつ母子世帯は自業自得として、低年金生活者(老齢で働けないが年金は生活保護より低い)という目を向けられない人々の生活レベルは極めて厳しい(親の遺産とか他の高額不労所得者は除く)。
自己防衛策もなく底辺で生活しているまっとうな人びとへの締め付けに比べて、特定の外国人は確かに優遇されている。特定のというのは、不法入国ではないものの、日本に来て文化や言語などの要因で、仕事にありつけずに厳しい無権利化の環境にある人たちが多数いる。優遇のおこぼれから縁遠く生活しているひとも多いからだ。
どこの国でもあるのだが、こうした人たちを「恰好な低賃金労働者」として利用する。暴力団が巧妙な闇の仲買組織を運営している。この労働者を工場や農業に紹介している。
これに対して公が「外国人技能実習制度」として、低賃金で労働力に利用している。「技能を途上国に移転する国際貢献」であるとともに「日本の労働力不足解消」に役立っていると、お上には自慢げな制度だ。農業関係、漁業関係、建設関係、食品製造関係、繊維・衣服関係、機械・金属関係、その他の合計85職種で歓迎されいるという。
多くの日本人が3K(きつい、汚い、危険)を嫌い、避けたがる現場では、実際に外国人が多く働いている。
「労働の現場が人手不足の実態をうまく解消しているのだからイイんじゃないか」「工場も農作業現場は賃金を低く抑えられるので助かっている」というのだ。「外国人」というだけで、現場では差別もあり、実際に人権を無視した奴隷強制により、トラブルは絶えない。
絶えられず現場から逃げだす例も多い。もちろん逃げても、よりイイ環境にはありつけない。より悲惨な現実にはまり込む。カイライ政治屋は決まって言う。「自業自得だ」「自己責任だ」と言って、手を打とうとしない。もちろん、手などもとよりないのだ。
世界同時に、つまり、新型コロナウイルス戦争と同じだ。地球全体にたいして、国のくくりなど無視して、一斉に同じ問題が起こる(目につく)というのは、問題が決して各国レベルで発生したものなのではないことを示している。
新型コロナと同じで、地球支配者が意図をもって、各国のカイライ政治屋に命令してやらしているものなのだ。難民・移民問題は、ヤツらが意図的に起こしたものと断定できる。
西欧では、ヤツらがおこなった中東掻きまわし作戦だ。先のイラン、イラク、シリア、リビアへの侵略と破壊、転覆戦争だ。国家元首フセインやカダフィをヤツらは暗殺した。いままで平和で生活してきた生活を捨てて、国外に押し出された。それが億に達する。中東から欧州になだれ込んだ難民だ。
中南米から米国への流入は先に指摘したように、現地の貧困を理由にソロスがカネで騙して米国へ向かわせた。米国社会を破壊するためだ。それに反対する共和党、トランプを追い落とすために、移民受け入れ政策を実行している民主党への投票を増やすためだ。
日本に対しては欧米の流れを認知させ、その流れを推進させるという一方的な命令による。目標は社会の混乱だ。カイライ政治屋の無茶苦茶な愚策で、民が困惑し、民同士のいざこざが激化さえすればいい。
このように指摘をすると、ヤツらの社会常識から「確かに、社会が混乱しているし、犠牲も起こっている。だがお上が、意図的に社会を破壊しようとしているなどと言うことは認められない。社会を破壊して彼らに何の得もない。グローバリズムで地球が狭くなって、同時に発生しているだけで、多少の矛盾がでるのはやむを得ない。長い目で見て、少しずつ解決できればいいではないか」という声がでる。
人民同士の争いの激化もある。
フランスでは、難民の野放図な流入は国が法を明確に決めて止めるべきだという声。難民のために、多額の国税が使われている。強奪、破壊で犠牲になった上に、治安の悪化は国の政策によるものだ。まっとうなフランス人は国の愚策への怒りをあらわにしている。
米国も同じだ。多額の国税が使われ、仕事を彼らに奪われ、治安と生活不安は危機的状態にまで達している。
欧米に比べて日本は表立っての反対の声が低い。問題がないわけではないのに、抗議やデモがない。だが、注目してよい映画が上映されている。「縁の下のイミグレ」監督・脚本なるせゆうせい原作・原案「アインが見た、蒼い空。あなたの知らないベトナム技能実習生の物語」(学而図言刊/近藤秀将著)。ちなみに、同監督は先に「君たちはまだ長いトンネルの中」という消費税の理不尽と矛盾を追求する映画を公開している。
欧米のように抗議活動やデモに向いてはいない。映画で視聴者自身がこの問題に目を向け、自分で考えることを訴えている。暴動はダメだが、抗議もデモも重要だ。だが、じっくり自分の頭で考えることも、あわせて重要な活動だからだ。
目の前で人民への抑圧が実行される。これに対して人民は声を上げる。当然の行動を始める。自然な、当然の流れだ。(後述する「自然発生的な人民の抗議活動」。フランスでの年金改悪に対する広範なデモ。カナダでの「フリーダム・コンボイ」)
ヤツらは、現在本気で、さまざまなことを人民に仕掛けてきている。今回は「難民・移民問題、国境破壊、大量移民」を取り上げているが、この「正義を求める人々へのメッセージ」では、さまざまなことを取り上げてきた。
ウクライナ戦争、生物兵器、COVID-19(毒ワクチン義務化、パンデミック条項、ワクチン大量死)、CDCやファイザーTSMC誘致、大阪都構想、ギャンブル経済、五輪、万博誘致など公金たかり構造、不正選挙、LGBT法案(同性愛を強引に推進、LGBTQ+)、ウクライナ問題、NATOへの参加、財政のばら撒き、バイデン政権が数十億ドルの移民児童人身売買関与、SDGs、グリーン・エネルギー政策、脱肉食、昆虫食、デジタル通貨、デジタルID、マイナンバーカード、原発問題、インボイス制度、増税、軍事費の増額、弾薬まで可とする兵器輸出・提供、憲法改悪…。
人民生活の五原則に照らしてみてみれば、いずれも、人民に少しも利益をもたらすものはない。逆に人民に今まで以上に過酷な犠牲を押し付ける問題だ。いずれも「憲法違反」の内容だ。平気で憲法を無視する。憲法を守るべき政権が議会では「憲法違反」の法をつぎつぎと打ち立てる。これらの雑多な多数の問題を、次つぎと投げかけてくる。しかも、すべて本気だ。
以前ならこの一つを出しただけで、論議の火が付いたものだ。当然だが、年に幾日かだけ開かれる国会での徹底的な論議などできない。ヤツらは「閣議決定」なるものを日常の最高刑次機関にしてしまった。
自民党が統一教会というカルトを背景に、創価学会の公明党を与党として組んでいる。共産党を含む野党が現在足並みそろえて、大政翼賛会になっている。グローバル化の時代、危機には「足並みそろえて」行動する必要があるというのだ。
自公与党が地球支配者の命令を受けて、問題をぶち上げる。容易ならない問題。だが、大政翼賛会は頭が「日本国の利益を優先」という立場から、些細な方法論や自分たちの立場を守ることにきゅうきゅうしているばかりで、人民の困窮に関心を示さない。
世界共通はまだある。これがもっとも深刻だ。世界は、まるで革命前夜のような人民抑圧がすすめられているのを、連日目の当たりにしながらも、選挙では与党を「支持」しているのだ。
フランスではマクロンはそれなりに支持されている。反グローバリストのルペンは、少数派だ。米国ではトランプの反グローバリスト勢力がそれなりに頑張ってい入るが、歴代最高の犯罪ファミリーであるバイデンが、どんなに彼の犯罪が明らかになろうとも、政権は維持されている。
日本では、自公カルト政権は揺るがない。
野党は、ヤツらが次つぎと投げかける問題にたいして、人民の立場からのどこからも、抜本的な声をあげない。問題の本質をとらえようもなく、あたふたいしている。
労働組織や社会運動組織も、基本的に同じだ。労働運動は自らの賃上げさえ運動できない。組織は不団結で戦う方針が出せない。本来敵側である経団連をメーデーに招待する。首相があいさつする。賃上げを政府と経団連が決めるという体たらくだ。
社会運動は、かつてのような社会が「そうだ!」と受け止める運動方針を出せない。署名運動とデモが、運動側を超える機動隊に挟まれて、限られた場所をだらだら歩くだけだ。そこには、権力の悪政と真正面から対決するという気迫も感じられない。周囲の人も、多少同情はするが、自分が積極的に賛同し、参加するには至らない。むしろ、邪魔だとさえ思う。
行動する人びとは立派ではなるが、ヤツらの宣伝機関であるマスメディアは小ばかにした扱いで報じる。反社会的思考の行動だと決めつける。
ヤツらが問題を投げかける。それに直接迷惑し、損害を与えられて人やグループが、声をあげ立ち上がる。頭を寄せて抗議や裁判を起こすのだが、運動が発展しないのだ。周囲の個々の運動との連帯が生まれないのだ。
日本人民は、もはや、典型的な飼いならされて「ロボット奴隷化している」と、世界の多くから見られている。
人民の目から見れば、まさに見るに堪えないようなのが、現在の置かれている状況だ。
歴史的に、何年も長く続いた平和な昔の平和な人びとの生活は、生産力の発展に応じて社会体制が変化してきた。許しがたいことに、支配者が生まれ、奴隷制、封建制、王政などが長く続くことになった。資本主義の現代につながる。それも異様に発展して帝国主義となり、地球分割はほぼ定着した。
常に圧迫を受けてきた人民は、ヤツらの鎖の弱い箇所をぶち切って1917年にロシア革命に成功した。人民は歴史的な経験をした。だが、わずか数十年でヤツらの猛烈な間断ない攻撃を受けて、自己瓦解した。
世界人民は人民が歴史上始めて成功させた「人民革命の自己瓦解」という打撃から立ち直っていない。ショックをひきづっている。ヤツらは調子に乗って、いまこそ地球一元支配の完成を達成する。邪悪なアジェンダに舞っている。2001年の911で狼煙をあげた。ヤツらのアジェンダでは、成就は四半世紀を目標(2025~2030年頃)にしてきた。2023年の今年は、ヤツらの計画では仕上げの時期に入っている。だから、必至だ。これが、ヤツらの「本気」の理由だ。
歴史は必ず社会の主人公である人民が勝つ。これは歴史の揺るがしえない法則だ。いくら現在敵が強かろうが永遠ではない。いくら人民が現在みじめな状態であっても、人民はそれを克服して必ず勝つ。これが明確な定めだ。
だがら、ソ連瓦解の深刻に考えすぎ、それにおぼれたままであってはならない。自己瓦解の事実を明確に整理し克服することが必要なのだ。現代に人民に課された課題だ。
現代の人民に課せられているテーマを、短い記事ですべて記述することはできない。「正義を求める人々へのメッセージ」では、それでも可能な限りこのテーマを追求してきた。
結論は分かっている。それはひとえに人民の革命党の問題である。その党が現存しないがゆえに、発生する運動を革命に転化しえないのだ。革命的視点から発展する運動を起こせない。客観的な情勢は世界が人民革命によるパラダイムシフトを求めている。人民革命でしか目の前の大矛盾は解決し得ない事態であるのは明白だ。
だが、革命を主導する革命党が存在しないということが問題をより深刻にさせている。つまり、人民サイドに主体的カギを持ち合わせていないことが致命的なのだ。ヤツらの横暴は存在としてあたりまえのことで、そのこと自身は、グチを言うだけではどうにもならない。悔しい。だが、現代人民はこの悔しさを、力に変えていく必要がある。
資本主義が発生し人民支配が急速に激化したときに、マルクスが登場して地球支配者に対する反撃の道しるべを示した。さらに、資本主義が帝国主義となり、弱肉強食の地球の支配の分捕り合戦が展開されたときに、レーニンが登場した。遅れた農業国であったロシアという地球の一点で人民革命政権を打ち立てて見せた。
歴史は、抑圧された人民に過酷な経験を求める。支配者の長けた支配能力をしのぐ力を人民が身につけるよう求めている。支配者を究極的に打ち破り、二度と支配されない人民自らの力を打ち立てるためだ。
だから「ソ連の自己瓦解」という歴史的打撃から、現在世界人民が教訓をくみ取り、より強くならなければならない。もちろん、まだまだ時間を要するのは明らかだ。だが、課題はこれ以外にない。
この問題を真正面から受け止め、その解明に生涯をかけたものが存在した。現代、全世界で彼ほど真剣にマルクス、レーニン、そして日本の革命を理論的に解明しようとした人は見当たらない。
マルクス、レーニンと言えば共産党だが、日本ではインテリの宮本顕治や不破哲三は同じ文書を読んでも、ソ連を瓦解させた側と同じ結論をだしただけだった。
つまり、地球支配者側の圧倒的な力にひれ伏し、共産党を議会主義と選挙主義に変質させ、現代の大政翼賛会の一翼になった。革命的人民からみれば他の野党と区別がつかない。権力側の支配の機関のひとつになった。
自称共産主義者は多数いる。活動家や学者にも、マルクス、レーニンの理論を学んだ(読んだ)人は多数いる。しかし多くは、自分でパラダイムシフトを求めているにもかかわらず、階級的で革命的な意味を理解することができずに、自分の解釈の範囲での活動、自己満足の範囲から出られない状況にいる。結果的に革命からはるか遠い社会派の一活動組織にとどまっている。
先に述べた研究家だが、ソ連の発展期に身を置き、革命理論を第一戦を経験した戦士から教えをこい、帰国後に日本共産党の幹部として働いた。地球支配者は戦後211ゼネストのうねりに恐れ、朝鮮戦争にも阻害要因だと共産党大弾圧をした。幹部は地下に追いやられた。その後公然化した共産党はスパイ野坂参三と宮本顕治が手を組んで急速に議会主義党に曲げられた。この党変質を体験したがゆえに、革命政権ソ連の変質を見抜き、今日の自己瓦解ショックまで覚悟していた。
そうした中で自分の寿命という制限を感じる。変質しない党、その理論の解明の完成を急ぐ。大枠での解明は彼なりに終えた。彼は自分の仲間と共産党の再組織に取り組む。だが、自己瓦解ショックに陥った社会環境は厳しく、周囲から見向きもされない。自らによる党再建は一歩前進二歩後退が続く。過程では一時的に権力と戦う部隊の一同団結として、旧共産党系の組織や新左翼、新右翼といった合同や共闘も実現したが、自己瓦解ショックの流れに影響を及ぼすに至らなかった。
彼は大局の研究に没頭するあまり、目の前の具体的な戦いへの適応や、自らの組織内での幹部の育成、日常の活動の具体的な力の配置と言う点でおろそかになっていた。それをカバーするだけの現場の幹部の力量ができていなかった。内部で具体的な日常についていけないという分列までおこした。
おそらく、彼が生涯かけて解明した「視点」が現代では唯一正しいものだろう。それはパラダイムシフトであり、核は人民権力である。マルクス、レーニンの理論を最大限要約している。これ以上みごとにまとめられたエッセンスは他に類を見ないと評価できる。
問題はその思想、理論をいかに、現代にあてはめ、具体的な姿にしていくのかということだ。その思想と理論を、現代人民の感性に合致するように表現することだ。それができる幹部を育成してこそ、彼の目指したことが実現されたといえる。スターリンも毛沢東も解明に到達する前に世を去った。歴史的課題は現代人民に託された。
現代人民の経験としては、党の問題をさらに詳細に解明してゆく必要がある。
少し前置きが長くなったが、表題の「難民・移民」の問題を取り上げるときに、何が人民の課題なのかを掘り下げてみたい。
世界的に人民が現在、支配に対して起こしている行動は、自然発生的な抗議、爆発行動である。
これは、可能な人はみな参加して、ともに行動する必要がある。しかし、自然発生的な運動や行動は、戦った人民の満足には決して行きつかない。職場の改善闘争、賃上げ闘争でも基本的に同じだ。目標にした賃上げがその通り実現したとしよう。〇〇に予算をだして、整備を整え、みんなの無駄をなくそうという要求が通り実現したとしよう。
裁判で勝利した場合も同じだが、あげた成果は尊く、素晴らしい。だが、それは一時的なもので、同質の問題はくり返し発生する。つまり、問題が起こる原因が厳然として存在している状態は少しも変わっていない。
難民・移民では、予算を取り警備隊を増強し、法的に規制を実現しても、それは一時的なものでしかない。難民・移民が押し寄せてくるという原因は少しも変化していない。
抗議に対して相手が、謝罪し、賠償金を全額取得しても、発生した原因が変化していなければまた同じことが起こる。
つまり、経済闘争、改善闘争、抗議謝罪要求闘争とはこのようなものだ。闘争は大事だし必要だが、根本的な解決をしたわけではない。自然発生的な闘争は、たとえそれがどれほど大きなものでも、同じである。
革命的、階級的な闘争とは、こうした自然発生的な戦いを、目先の勝利にとどめることなく、ここから「革命の力」を生み出していくことである。つまり、改良闘争の目先の成果を得ても、パラダイムシフト抜きに根本的な原因は取り払われないこと。このことに気づかせ、ではパラダイムの実現はどうするのかを、ともに戦う戦友に理解させることである。
そのようなことを忌憚なく話せる仲間を作ることである。一人が二人になり三人になり組織になることである。
自然発生的な戦いには階級的、革命的視点を注ぎ込まない限り、革命的な仲間作りはできない。これを「外から革命的視点を注入する」という。レーニンが「何をなすべきか」で明らかにしたことだ。
革命的人民の中の、自覚したものが、目的意識的に、社会活動に「外から革命的視点を注入する」。これをしない限り、革命へ近づくことはない。
ただ、この活動は、資本主義社会下では、真っ先に拒否される。なぜなら、地球支配者はこれが自分の命取りのスタート点だと、知っているからである。これをさせないために、社会で、職場で、全力をあげた体制を作っている。
革命家の行動上の任務は「外から革命的視点を注入する」をすることだ。この面倒を突破することが欠かせない行動である。これを実行するのが党員というものだ。
ソ連の自己瓦解で、党が放棄させられてことに、党という組織の存在、党員の規定の問題がある。ヤツらの言い分はこうだ。「外から偏向した言い分を人に注ぎこむ行為は、宗教の布教活動と同じで、社会秩序を乱す行動だ。そもそも一般の人がいて、一部の自称エリートがいて、エリートが思想を振り回すなど、そのような権利がない。迷惑なだけだ」。
つまり、自分には真理があるとするエリートの存在を人の平等への挑戦、つまり差別主義、鼻持ちならない上から目線は認められない、という反撃である。
党も同じで、自らを(労働者階級、プロレタリアートの)前衛だとエリート視し、最高の真理と規定しているが、それは納得できるものではない、という反撃である。
党員は、それを当然の如く感じているようだが、このような人びとを見下した考えは、決して一般大衆からみて、受け入れられないものだ、という反撃である。
支配者が「自分だけ、今だけ、カネだけ」という思想を世に蔓延させてきた。どっぷりとこれに漬かった人びとからすれば当然、党や党員は彼らにとって異物でしかない。排斥の対象で、近づきたくない対象だ。
マルクス、レーニンが実践で解明した真理だ。「何をなすべきか」で明確だ、などと話したところで、ますます話し相手は遠のく。
「正義を求める人々へのメッセージ」では、これにひとつの解答を提案している。それは、人民生活の五原則だ。
①人に迷惑をかけない②カネとモノ、利権のとりこにならない③地球と未来に負荷をかけない④戦争の根絶、安寧な生活⑤人間としての誇りと尊厳
つまり、ヤツらの思考攻撃としての「一般論」や「常識」なるものと、正面から論議してみ無意味だ。根拠となっている「三ない思想」が蔓延している限り、論議は無駄だ。人民生活の五原則なら、人民である限り否定しようがない。この思想、この思考で目の前の現象の解明できる。背後の根本原因についても話せる。パラダイムシフト以外に解決がないことが話せる。
地球支配者が一元支配をねらって、気にくわない国や民族に干渉する。軍事介入する。CIAなどの謀略機関がその国の社会を無茶苦茶に破壊する。この意図的な行動が、難民と移民を生んでいる。
五原則で指摘している「他国へのちょっかい」が直接的原因だ。
直接の目的は、社会の混乱だ。直接干渉された国に限定しない。アフリカや西欧のように陸続きのところでは、ヒトがつくった国境など無視されて移動する。引き起こした主犯は、一方で「難民・移民」は被害者として、被害者の生活を、権利を保障する必要があるなどという欺瞞で、各国に配置したカイライ政治屋に受け入れを命ずる。
ここから目前の混乱が起こっている。流入する目の前の人びとをどうするか、という問題は自然発生的な問題だ。これを革命定期視点から解明する基準として「人民生活の五原則」と結び付けて話すことだ。
莫大な利益を上げる仲買業者と関係政治屋がいる。戦争がネオコンと軍産複合体をカネで太らせているのと同じだ。ヤツらの手下は「カネ」で動くが、主犯は手下ではない。手下を動かしているのが主犯だ。
社会が混乱する。治安が悪化する。犯罪が増える。監視カメラが爆増する。人民の行動を日常的に管理するべきだという雰囲気をつくる。それには、マイナンバーカードを普及させる必要があると説く。さらに、理想的な社会はスマートシティだと説く。つまり、ヤツらの支配体制を完了させる方向での話しに結び付ける。
5億人程度に地球人口を間引きして、ロボット奴隷として、主人にかしずく社会を実現する。911から四半世紀、2025~2030年を目標にNWOを実現させるというアジェンダが遂行しているのだ。
欧米日の各国が混乱したら、各国のカイライ政治屋の無能が明らかになる。それぞれの国家レベルでの対応、収拾は無理なのだという印象を持たせる。ということで、国連だとか、WHOとか、WEF(世界経済フォーラム)だとかが、超国家機関として頻繁にかを出しする。
近年のように、ヤツらは世界に向かって「パンデミックだ」と危機を煽り、超国家的規模での団結行動を命令するようになる。
こうした現実の世界の動きが「夢想、陰謀論、根拠のない」ことなのか、真実なのかが論議できる。
そうした論議で同感するもの、理解するものが周囲に増える。革命家、つまり党員の仲間ができる。これが組織になれば、それが人民権力(ソビエト)である。二度と変質しない国家のキーは人民権力、ソビエトの構築である。
人民の未来と展望は人民権力が切り開く。