記・国民B(2019.12.2)
■安倍という黒猫の首に誰も鈴をつけられないのはなぜか

◆安倍ファシズム-閣議決定だけで自衛隊の中東派兵を1月に即実行する

 5年前に亡くなった菅原文太。彼の肩書は俳優だが、その人間としての心情は崇高なものであった。人民に対する深い信頼と理解がある。人民を苦しめている根源である戦争と貧困だが、戦争の根絶を願いその実現に向けてたたかいを貫いた尊敬すべき人である。
 「アエラ」に小さな抵抗と遠慮しがちなエピソードが紹介されている。これだけで菅原の信念が伝わる。
 死のわずか前に沖縄に飛んでいる。知事選だ。ここで一人の議員が尖閣列島での中国船の行動をとりあげ「法律を改正し、自衛隊を送り、武力をもってしても、中国船舶を追い返し、国土を守らなくてはいけない。これでは、日本の名誉が損なわれる」と話した。
 菅原はこの発言に即怒りの反応した。「君が、行くのかね。もし、そこで、一発でも銃弾が飛べば、戦争が始まる。そして、自衛官のいのちが失われる。それでもいいのかね。君に聞きたい。君たち国会議員が、守るのは、国家の名誉なのか、それとも、国民一人ひとりのいのちなのか。君は、何もわかっていないようだ。私は、あの戦争を体験している。どんなことがあっても、二度と戦争はしてはいけない。名誉なんてものは、一度失っても取り戻すことは出来る。でも、いのちは一度失われたら二度と取り戻すことが出来ない」と。
 別のところでの菅原の発言がつながる。「政治の役割は二つある。一つは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせること。もう一つは、これが最も大事なこと。絶対に戦争をしないこと」「戦争は『起きるもの』ではなくて、人が『起こすもの』だ」と。

 地球支配者による世界人民にたいする一元支配という現実を、深くみつめているからこその発言である。一握りの支配者が、戦争と貧困という戦術を使って支配をしている。
 格差といわれる世界金融資本への富の集中=民の極度の貧困化は、戦争と同じく、自然に、偶然に、たまたま起こるようなものではない。支配者の確信的な政策として、人為的に起こしているものだという、明確な真実を鋭く指摘している。
 先日中曽根康弘元首相が亡くなった。現在の安倍の前の悪の中央政治をなした極悪犯罪人だった。戦後日本の中央政治は、戦勝国である米国を乗っ取った地球支配者の忠実なカイライによって牛耳られてきた。
 米国が敗戦国日本の政治の表の顔に任命したのは、明治以来特別に要請してきた長州の岸一族である。極東裁判ではA級戦犯の容疑者にはなったが、CIAは文鮮明という世界をまたにかけて謀略をつかさどるものを岸と結びつけて、日本統治の顔とした。
 第二次世界大戦を通じて、極東の要所である日本を全面配下におさめ、対共産圏への足場を確保した。日本を極東の不沈空母にすることは、日米が戦争する時点からの決定事項。中曽根は首相の任期中に「不沈空母として役割を果たす」と明言した男だ。

 世界金融資本は最初は岸一族(岸信介、佐藤栄作)を首相につけて日米安保条約をむすび、形式的には独立国を装いながら、貢ぎのシステムを拡充した。
 その後に田中角栄という異端児が日本の中央政治に着く。着くや否や宗主国にことわることなく、日中国交を実現し、その勢いでロシアとの近隣友好の実現に向けて動いた。
 世界支配からみて猶予ならぬ事態とみて田中を犯罪人に押し立ててつぶした。かわって出たのが岸の後継の中曽根。彼は戦中からの犯罪人でのあるが、首相につくや世界金融資本の直系のCSISという日本への司令部とつるんで、かつてない日本の貢ぎ体制を遂行した。
 自衛隊の軍備拡張で性格の偏向のレールを敷いた。悪魔の原発をA級戦犯容疑の読売正力(戦後日本のマスコミ支配を任せられた)と組んで、実現していった。田中で揺れた日本支配をゆり戻したのが中曽根だ。
 地球支配者が米国を牛耳り世界の憲兵として目を光らせて、覇権をほしいままにしていた。一元支配という野望の実現のために米ソ対立を終わらせ、2001年の911事件を自作自演して、中東のイスラム圏の押しつぶしにかかった。国と国との戦争の時代から、テロリストとの戦争の時代への移行を宣言。
 戦争をふっかけるのに、宣戦布告は不要となり、相手をテロリストと決めつけるだけで、いつ、どこでも戦争行為を可能にした。しかし、これがあまりにも露骨であったことと、その体制を維持するのに膨大な費用が必要で、予算の確保に破たんが出て、若干の作戦の変更を要すようになった。
 NWO実現の経費を関係国に負担させることにした。日本には憲法のしばりで戦争できない自衛隊を、米軍の指揮下のもとその手先になって世界中で展開できるように変更を求めたことだ。思いやり予算と称して巨額の日本からの負担を求めた。これを一気に実現の方向に舵をきったのが中曽根だ。
 中曽根の敷いたレールは過酷で、支配者の勝手な日本いじりの指令は自民党への強烈な顰蹙となった。そこで日本の中央政権はふたたび大きく揺れる。中曽根の後の竹下から小渕までぐらぐらする。その中途半端な内閣ににえをきらして実現したのが、森・小泉政権だった。
 森・小泉は世界金融資本の直系の手下。自民党をぶっ壊すというワンフレーズを打ち出し、がむしゃらに、命令の実行だけを貫いた。この時期、憲法や法とは無関係に日本は世界金融資本の「ビッグバン」という規制の社会・経済・政治ルールの破壊が実現した。小泉には命令者であるCSISの竹中がべったりと横について、有無を言わさず強行した。
 当然のように民の反感が爆発した。誕生したのは民主党政権。しかもこの政権にはかつての田中角栄の子分の小沢がいて、この機会をのがざずに中国などの近隣国との再接近を、命令者にうかがいもなしに行動する。地球支配者の虎のを尾を踏む。
 世界金融資本にしてみれば、日本は「スキを与えれば、とたんに刃向う。不沈空母の役割すら危うい」と危機をあらわにして怒った。その後に地球支配者は日本に対してどのような態度で接したか。
 311で広島・長崎級の攻撃を仕掛けてきた。民が戦争時と同じように萎縮し、正気を失う。それを背景にして、右翼全体主義を結集した挙国一致の安倍政権を作った。明治以来特別に養育してきた岸一族を再びトップにすえた。CIAの統一教会を行動隊として、右翼全体主義の団体を乗っ取り、日本会議を安倍政権の背後団体にした。
 命令を聞くだけのカイライを万全の態勢でつくった。後がない。だが、絶対に倒れない政権だ。それにはあらゆる憲法や法のしばりを無視して、世界金融資本の命令だけを実行するファシズム政権としたからだ。
 選挙は総務省のデータベースを操作するだけで自在に不正が可能となる。国会は純粋に本来のおしゃべりの機関にする。重要なことは論議しない。無価値な無意味な、結論のないおしゃべりをえんえんと繰り返す場だ。大事なことはすべて閣議決定でする。
 表の政治はマスコミを使って虚偽の現実を民に宣伝する。裏の実態は安倍ファシズム体制を実行する。

 自衛隊の中東派兵は、単に地球支配者の安倍への命令だ。地球支配者の手先である代弁者の米国は安倍に「2028年までに在日米軍は撤収する」からとすでに伝え、それとは別に滞在維持費を現在の倍程度まで負担せよと命令した。米国側はこれを安倍は了承したといっている。
 中東での米軍による憲兵行動はやめるとし、それを有志連合でやらせるから、それに日本は入れと指示したのだが、安倍は有志連合への参加ではなく独自派兵の形にし、実態は米軍指揮下で行動するとした。日本の民の目をごまかすのだが、実態は同じだ。
 自国のタンカーの安全は自国の負担でやれというテーマ。実にバカな話だが、エネルギー確保の「重要性」症候群に陥っている人には、そうかな、とうなずかせる話。なら、近隣から安全に、安く、すぐにエネルギーを得る話をなぜテーマにしないかだ。単純な回答をめくらましで隠したいからだ。

 話は菅原文太にもどる。地球支配者は自衛隊派兵をすることで、日本が海外でいつでも攻撃される条件下に置く。攻撃される危機下に置くということは、いつでもそこで紛争を起こす側にも置くこと。かつての戦争の多くは「敵国から砲撃を受けた」と実際には自国が攻撃を仕掛けたにもかかわらず、民に嘘をつくことから始まっている。
 菅原はこの真実を鋭く指摘しているのだ。
 しかも、いったん戦争の火花が発したら、終戦にとほうもない工程を要するのだ。戦争を起こす地球支配者は、関係国の人民に計り知れない犠牲を強いる。末代までの敵への怒りの怨恨をひきづる。
 何度でも指摘するが、先の戦争からほぼ人生の年代が経過している。支配する民に生涯に一度戦禍に巻き込む。支配維持のために民の正常な思考を破壊するのが目的。
 地球支配者はカイライ安倍をつかって、民を戦争にまきこむ機会を狙っている。しかも、本気で。

◆安倍ファシズム下での人民のたたかいの思想をゆがめる奴隷思考

 安倍政権の歴史的な本質は右翼全体主義、ファシスト政権である。地球支配者の邪悪な一元支配システム=NWOの完成に向けて、日本をより強固な極東の不沈空母にするためのカイライ政権である。
 世界金融資本は全世界をグローバリズムでの一元支配をもくろんできたが、英国のEU離脱やトランプ政権の誕生で計画が狂ってきている。その計画の軌道補正は必至だ。つまり世界人民をだますために必死なのだ。これ以上世界人民が、支配の真実に気づいては困るからだ。
 日本では平成天皇が安倍に戦争に利用されるのを嫌い退位した。うっかりすると民が「究極の不平等」である王政に真実に気づくかもしれない。令和天皇は揺らがないように税金を投入して即位の式とパレードで盛り上げようとした。ローマ教皇を呼んで「宗教の力」を誇示した。しかも真逆の戦争廃絶・核廃絶や反原発まで利用しようとした。
 民の天皇崇拝がどれほど思考の歪みの固定化に関与していることか。民の宗教心がどれほど思考のゆがみを支えていることか。王政が歴史的な人民支配に深く利用されてきたことを忘れさせようとしている。イエスズ会が地球支配者の先兵としていかに残虐な覇権の痕を残したかを忘れてはならない。キリスト教が戦争行為に民を動員する役割を果たしてきたかを消し去ってはならない。
 例え、教皇が口先で戦争や核爆弾や原発に触れても、宗教を直接に利用している地球支配者に向かってこそ言わなければ、欺瞞そのものである。

 米国ルートで日本に世界金融資本が迫っているのは、今国会で憲法改悪を進めろということと、切羽詰まった問題として日米貿易協定FTAを通せというもの。FTAはTPPを米国として放棄したのに変わる貿易協定で、世界金融資本が「国家」という単位の上位につき、いつでも国際的な企業が国をも訴え、国が破滅するほどの損害賠償=ペナルティを支払うことが可能となるもの。すでに韓国に例がある。
 国際金融資本が勝手に自前で作った「国際裁判所」に訴えるというのだから、先に結論ありきの極悪非道で、露骨極まりない条約制度。これを先の日米貿易交渉での支配者からの命令・指示(妥結結果と称する)を国会で承認する。表の報道での交渉結果や安倍の説明と、米国自身が漏らす結果は大きく異なる。また、非公表の箇所を朝日新聞が試算して報道したが、大きく異なる。
 つまり、安倍政権は嘘を公表して命令者と悲惨な関係を結んだのだ。国会で通したことの報道は小さく報じられた。日本の農業や産業への悪影響は最小に守られたと。だが、裏では巨大な日本産業の破壊の扉が開かれたのだ。
 ところが、この安倍の悪事を隠すためにさまざまなことが表に出た。タレントのヤク騒動。北朝鮮のミサイル。常に安倍が困るとヤクとのミサイルが発注されるという皆が知る噂が、この度もそのとおりなされた。
 そればかりか、些細なことですぐに消し去るはずのものだった「桜を見る会」スキャンダルが、予想に反して大騒動にまでなってしまった。国費を使って、安倍支持者にお礼をし、信者を増やすというものだった。これ自身が犯罪なのに、コトを軽く見ていたがために、世の追及に安倍一味はあたふただ。
 口先だけで逃げ切ろうとしたのが、つぎつぎと関連犯罪が広がった。
 国費をほとんど安倍の政治資金に私用したのだ。私人のアキエ枠、母の宗教枠まであり、芸人はおろかヤクザ屋さんまで、支持につながるかも知れない人なら安倍事務所と自民党が連携して全国から集めておごりまくったのだ。並んで写真をとり、これが目的どおりに利用された。
 ヤクザ屋さんについては入り口で招待状など見せずとも自在に参加できたというのだからすごいものである。
 この催しの領収書や参加者リストは即シュレッダーで廃棄。紙などどうでもPCデータも削除してない、と証拠隠しに走った。火が消えたかに見えるモリカケ騒動でも同じだった。

 上記のような安倍ファシスト政権がやることは、あってはならない犯罪だが、安倍政権にとっては日常である。まんまとFTAはやっちゃったのだから。
 問題はこうした極悪犯罪をリアルタイムで目の前にしても、安倍を温存させている民の立ち遅れである。野党は国会でおしゃべりに明け暮れるが、安倍の打倒には無関係である。民は無関心と「野党」への依存症という深い病のなかにあり、韓国や香港のデモではないが、街での行動もない。せいぜい山本太郎とか独自組織が演説している。が、やはり安倍打倒には至らない。
 野党の姿勢の矛盾というか欺瞞は、国の公文書を安倍一味がぬけぬけとシュレッダーにかけるという「法律」を撤回させる動議すら出さないことだ。こんな法を作ったこともバカそのものだが、撤回の行動もしないのでは民の指示が得られないのは当然だ。
 安倍はいう。「消去したデータの復旧はできない」「桜の会は来年やらないようにした」としゃーしゃーとしたものだ。

 安倍の打倒どころか、ファシズムを深化させている要因がどこにあるか。安倍の横暴を許しているのは何なのか。これが現代日本を覆う人民側の致命的な弱点だ。
 人民の権力思想を放棄したときのただの「ぐち」である。抜け出せない苦悩にオウンゴールで足を踏み入れた結果である。
 ロシア革命時にレーニンが口をすっぱくして説いた改良主義(社会民主主義思想)の誤り。第二インターとのし烈な思想闘争の教訓だ。現代ではまさに議会主義、改良主義、証拠主義、紳士主義、依存症である。民主主義は何かも知らずに、民主主義教という溺れている結果だ。
 議会主義で世は変わった試はない。おしゃべりの機関だ。幻想を持つな。まして、ここで安倍を追い込めることなどできない。安倍ファシズム政権ができて以来、悪事の山は築いたが、民のために何一つやっていない。
 民が政治をする代表を民主義的に選んだ(だまして選ばせた。マジックの手口と同じ)ことにして、政治屋が民に公正に選ばれたことにして、ぞんぶんに詐欺を行う制度が議会主義だ。
 改良主義は改良で世を今より少しでも良くしようというもの。世は安倍政権下悪くなっている。改良でどこかよくなったか。例え少しでもあったとしよう。だが、悪事のほうがその何倍も増加している現実をみるべきだ。
 証拠主義は支配者が作った誤った科学主義。シュレッダーで不都合なことは消す法律下で、物証はないに等しい。民から見たら、モリトモにせよサクラにせよ、どぶに捨てるほど多くの証拠がでているではないか。その証拠をヤツらの居間で並べても、見えない。その目こそすでに病に侵されているからだ。
 紳士主義は、相手から殴られても殴り返さない姿勢だ。相手が凶暴なギャングなのに紳士的対応しても、相手からなめきられ、操られるだけ。まさに今の野党がそうだ。
 依存症は完全な奴隷根性だ。誰かが、いつか、やってくれる。あるいはそのスジの専門家が多くいるのだから、その専門家にまかせるというもの。いつか誰か、専門家、というキーワードが出てきたら疑え。
 民主主義は人民が主人公ということ。政治屋詐欺師、資本家や投資家は人民か? 違う。人民を支配する。人民を使う。人民をたたかわせる。人民を働かして搾取する。こうした側の人間はヒトと同じような姿をしていても、人民ではないのだ。それを勘違いしたり、だまされていっしょくたにして、連中も民の一部であるかのようにだまされているのだ。民主主義は「人民が人民のために人民によっておこなう政治」である。世界金融資本の支配する世、安倍ファシズムの支配する世に民主主義は存在するわけがない。悪質な支配と圧制で世界金融資本の独裁があるだけだ。
 ちなみにソ連や中国などを「非民主主義・非人権主義の一党独裁」と言下に攻撃する。米国や日本の政治体制こそが民主主義だと主張する。香港をみよという。こうした白黒逆のとっつきやすい嘘を真に受けてはならない。老獪な独裁者が自分を民主主義といいつくろって、民をだましているのである。
 もっともソ連や中国がそうした邪悪な思想攻撃に、世界の人民が納得いくような反撃と実証をできなかった。この弱点はここでいう改良主義に陥ったからだ。
 日本の人民、民主主義派はいまあらためて、自らの歴史的に陥っている思想的な弱点に目を向けなければならない。例えいくら支配者側が自己矛盾で弱ろうとも、たたかう人民側が依存する思想を確立しない限り、奴隷根性からの脱出はできないだろう。