◆トランプの「米兵カム・ホーム」作戦の実行
トランプが米大統領になって、彼自身が「フェイクニュース」「ディープ・ステート」と言って以来、この言葉が世界中で言われるようになった。
フェイクニュースとは嘘のニュースを流すことだが、新聞・テレビで報じられることを、その視点で見てみるとよくわかる。
例えば、先日トランプは「重大ニュースを発表する」と予告し、それが重大かどうかは別にしても、流れたのは「IS指導者バグダディが死亡した」とのこと。
これは2013年にオバマが「911首謀者アルカイダのビンラディンを殺害した」という報道を思い起こさす。つまり、フェイクニュースと相当多くの人が思った件だ。今回のバグダディ死亡もほとんど同じだ。このような臭いことを前大統領を真似たようにして現大統領がやる。自分の成果だと誇らしげに。
このほとんど嘘だと思えることでも、報道で繰り返されると、民はつい信じてしまう。つまり、歴史の真実になってしまう。
ケネディがオズワルドの放った魔法の銃弾で暗殺されたと。強力な宇宙線層であるバン・アレン帯にめげずに人類は月に飛行して着陸したと。ビンラディン率いるアルカイダがハイジャックした航空機をWTCに激突させて911を引き起こしたと。凶悪なテロリスト集団ISはイスラム原理主義のバグダディが指導者だと。
こう列挙してみたらよくわかるが、主犯は全部同じ地球支配者だ。すなわち世界金融資本でありその中核の産軍複合体。実行部隊はどれもヤツらの私兵であるCIAとモサドだ。
目的は地球の一元支配だ。現代地球を一元支配したいとたくらみを膨らましているのは世界金融資本。その邪悪な目的をもう一歩進めるには、イスラム圏の征服と旧共産圏の征服という2大障害がある。つまり、中東と極東。
このエリアをガタガタと揺さぶって、少しずづ支配を拡大するというのが目的。そのために世界の民の思考を別のところに誘導しておく必要がある。それが表の政治であり、フェイクニュースの洪水。
今回の中東での「バグダディ死亡」。極東では日韓の緊迫だ。
世界の動きを冷静に見てきた人なら、表の報道がどうインチキか、実態と別のことかを容易に察している。
そもそもISやアルカイダなどはCIAとモサドが資金を投入し、傭兵を集め、訓練して放ったものだ。現地で反政府組織として生まれ、武装化した組織などではない。そこでの不満分子を集めて、雇い、育てたのはCIAとモサドだ。
先に処刑(表では病気とから高齢でとかつくろわれる)された米上院議員のマケインとバグダディが一緒にいる写真が多数流れている。ヒラリーの私的サーバーが押収されている。その中に彼女が資金を出したこと。直接ISへ指示をだしていることが証拠として存在する。それがスノーデンから公開されると米国では「ヒラリーを監獄へ」の声が広がった(が、当然それは沈静された)。
ビンラディンのアルカイダも同じだ。ブッシュ親子とビンラディン家がどれほど仲良く共同事業をしてきたかは、M・ムーアのドキュメント映画で皆が知ることになった。
いわば、ビンラディンもバグダディもブッシュやクリントンと深いお仲間。敵でもない。同じ目的のための共同作戦を展開する関係なのだ。イスラムは中東に勝手に国をつくり、住んでいたパレスチナ人を追放隔離したイスラエルを憎んでいる。だが、決してアルカイダもISもイスラエルを敵としない。仲間であるばかりか、イスラエルで訓練までしたのだから。
表の報道は敵対関係として、CIAは必至に追い、せん滅作戦を展開しているように報じる。もろフェイクニュースを流す。
この似た二人のテロリストは、表の報道だけでも幾度も死んでいる(バグダディは今回が6度目)。今回と同じ特殊部隊デルタ・フォースの作戦でとか、空爆で偶然とか、腎臓病で病院でとか。ロシアの部隊が殺害したとか。
ビンラディンのときは、例によって殺害する映像まで作って世界に流した。だがいまどきこんなものは、ハリウッドに頼むまでもなく自在に作れる。遺体は「海に捨てた」ということで、証拠隠滅。いや隠滅する証拠など最初からない。
バグダディについては特殊部隊の行動を衛星やドローンで撮影している。200人の部隊が突撃する。だが、バグダディは追い詰められ、子供2人を道連れにして自爆したのだという。現地でパンツからDNAを検査して確認したと。
もっともらしく聞こえなくもないが、誰も確証を得る手段がない。
このニュースでは、どのような裏の世界の真実がわかるのか。
第一に、テロリストとレッテルを貼りさえすれば、米軍や特殊部隊に上が命ずるなら、ビンラディンだろうが、バグダディだろうが、殺害していいのか、ということだ。
いや、ヤツらは、世界征服を邪魔立てするものならば、国家元首だろうが自在に殺害してもくろみの実行をすすめるという事実だ。フセインやカダフィは「テロリストをかくまっているに違いない」という疑いだけで、ヤツらの「米国の敵」と連日悪者キャンペーン(フェイクニュース)流した。そして多くの人が、こんな悪いやつなら殺してもいいかな、などという雰囲気をつくって、そのタイミングで実際に殺害する。
第二に、国際金融機関の先導的一角にいる産軍複合体が、私兵であるCIAとモサドを使って行うのだ。だが、世界に向かってはベールをかぶせる。それは米国の軍(の特殊部隊)の作戦とする。実は米国という国自体が、地球支配者の完全なるカモフラージュのカイライ組織だ。
これを「米国が」とか「米軍が」という表現になると、米国という国家が主役になる。つまり、親分の影がなくなる。世界の民から眼が子分や下っ端の仕業と映る。
第三に、報道機関とマスコミの役割。国際金融機関にとって、報道機関とマスコミは人民支配の中心的機関。いうまでもなく百%資本を支配している。首根っこを押さえている。民の思考を誘導するのが役割。「自由な報道」「真実を知らせる」「弱者の味方」などというのは、欺瞞に満ちたただのたてまえ。
権力者に忖度しなければ存在そのものが成り立たない。権力者にどこまでもへつらい、権力者にたてつかない。権力者を守る。いかにして権力の圧政、支配、横暴、邪悪を美名に変え、民をだますか。民はこう考えるべきだということを作文して流すのが役割だ。
日本のマスコミはヤツらの最大のカイライである米国や西欧のマスコミの系列下にある。AP、ロイター、UPI、AFPなど。ロシアや中国、イスラムにもあるが、それら世界金融資本の直支配でないところのニュースは、都合のいいものしか流用しない。つまり流さない。
日本のマスコミはこの系列という構造上、上位の報道を垂れ流すだけで、その内容に批判的な扱いは許されない。むしろ尻をなめるように、元ニュースを美化して報道する。
例えば、トランプ報道を見てみよう。
トランプは表の政治家であり、彼の動きに一貫性が欠け、まるでもろ世界金融資本の手先ではないかというのもある。だが「米国は世界の憲兵をやめる」として、まんべんなく派遣している米兵を撤収する行動は支持する。この政策の方向は地球一元支配を進めようとする勢力に大きな打撃になっているからだ。
「バグダディの死亡」はオバマがやった「ビンラディン殺害」と宣伝は同じ手口だが、理由がやや違う。オバマは自分の成果として911のケリをこれでつけたつもり。
トランプは中東から米兵を撤収するために使うつもり。「ISがこれでせん滅された。中東に平和が可能になる。無用になった米兵は撤収する」と。
米軍の撤収には「クルド人を見捨てた」と戦争や勢力は叫ぶ。「いてくれなきゃ困る」と必死にせがむ。安倍の姿と同じだ。「ロシアと中国に主導権を引き渡す気か」「米は覇権国として失格(覇権国でいてくれという発想自身が民のものではない)」とも。だが直近の米国での世論調査では6割がトランプの撤収を支持している。反対は2割ほど。
地球一元支配の前進を拒むものであれば人民は支持する。だが手放しではない。表の政治でどうあろうと、実際の世界の人民の足元に人民権力が構築されていかない限り、トランプの動きをあてにしたり、手放しで喜んでも無意味だ。
このことを前提にしてみなければならない。
世界金融資本がいまトランプに対してやろうとしていることはシンプルだ。大統領弾劾をしつこくする。並行して暗殺を企てる、の2点である。
その理由は、世界支配にとってトランプは邪魔だからだ。そう、フセインやカダフィと同じ。しかしトランプがやっかいなのは、ヤツらのカイライの中核である米国の大統領だからだ。かつてケネディをやったが、またやるとなると、そうとうな善後策を用意しないと、民の誘導にほころびが出かねない。
トランプを弾劾できればいいとして、まずロシア疑惑をはじめた。だが、もともとない火種で、でっち上げしかない。トランプとロシアの関係はどこをどうつついても、他の政治家や民主党の政治家が、トランプ以上にやばい関係があることがばれかねない。特にヒラリーなどは国家機密を手渡すまでしている。ついに「ロシアゲート」は収拾せざるをえなくなった。
そこで再度でっち上げに取り上げたのが、ウクライナ疑惑だ。これはトランプが民主党からの次期大統領候補の息子の調査を、電話での会談中に話したというものなのだが、どう頑張っても、弾劾を成功させるほどのフレームアップできない。
あるもの、ないもの、なんでもかまわないから、もっともらしく証拠をでっちあげろというわけだ。これも先の件と同じで、民主党議員の多くがトランプ以上の深い犯罪行為をウクライナとやっていることがばれそうになってきている。
現在進行形の第二のロシアゲートも、これほどつまらないレベルの話なのだが、日本のマスコミの醜さは、評論家・専門家を動員して、でっち上げを必死に上塗りしていることだ。
このような唾棄すべきフェイクニュース競争をもっと激化すればいい。バカさ加減に民はマスコミの役割を知ることになる。
いま米国は事実上の内戦になっている。産軍複合体が支配する米国の、政治、軍事、諜報機関、警察、統治機構が真っ二つに分かれている。あくまでヤツらのカイライ国家として「世界の憲兵」を続け、地球一元支配を推し進める側にたつのか。それともトランプの主張のように「米国第一主義」をかかげて、自力による米国の再興をめざすのか。
双方が経済と武力をもっているだけに、きわどすぎる対決になっている。トランプ側が弱いのは報道・マスコミ機関だ。だがいまはインターネットで細切れの事実が世界中に流れる。AP、ロイター、UPI、AFPなどが流すニュースを半面教材にしながら、細切れのネット報道を判断していくことで、ある程度の真実は見えてくるような事態だ。
カリフォルニアの火事とか北部を襲っている寒波については、日本のマスコミも口をつぐんでいるが、日本を連続的に襲った台風と異常な豪雨と重なっている。米国西部での放射能レベルが急激に上昇は、日本での原発放射能汚染隠しと重なる。米国は「ミニ氷河期」が民を襲っている。7000か所を超えるところで記録を更新している。
◆オリンピック騒動の悪臭、たかりの巣窟
政治の表と裏、そして報道・マスコミの話題だが、ここひど過ぎる報道をいくつかあげてみよう。
オリンピック。マラソンと競歩が突然札幌へ会場を移すと。ズブズブと腐臭が漂う。スポーツ競技大会の腐敗は究極まできた証拠だ。スポーツは世界金融資本がすすめる3Sの一つ。民から政治への意識を弱めるために、スポーツに夢中にさせるのだと。特にオリンピックは民族主義への意識を駆り立てる点でも利用できる。
オリンピックというのが「平和の祭典」とかいって、民族対立の壁を越えて手をつなごうという側面でもあるのは事実だ。だが支配者の道具として常に利用されてきた。
NHKの大河ドラマ出演者のスキャンダル続きで、人気も不調だが、そこで主人公が「止めろというのならオリンピックではなく、戦争のほうだろう」と主張した一点は評価する。だが、オリンピックをどう美化しようとも、こうした大きな競技大会が、詐欺師政治屋のかっこうのたかりの巣になってしまっている。
きたない金まみれ。初期でもてんこもり状態で8000億円が予算だった。それが日本中の詐欺師政治屋の介入で3兆円まで膨れているが、最終的にはどうなるのか。民は完全にコケにされている。
放送権をにぎるメディアの要望で、主催者は決められないと。それを主催者とはいわないだろう。そもそも都市が誘致する催し、つまり東京都だ。なのにその東京都は主催からはずされ、責任も放棄状態。
少なくとも公的な組織でもないオリンピックに世界中の詐欺師が介在し、公的なカネ、つまり税金にたかるだけの場になっていて、選手や閲覧者はただのサカナ。
オリンピックの精神などとうにない。私的機関のIOC自身が地球支配者の手先、カイライになっている。だからただの金権主義の盲者の集合。誘致とか放送とかの利権をむさぼりあう。ぶすぶすのわいろ地獄。
欧米のスポーツの盛り上がりの谷間が夏。夏に開催するのを条件に最初から誘致合戦を仕込んだ。「アスリート・ファースト」「おもてなし」は真っ赤なウソ。夢をえさに、無償の多くのボランティアに依存して実行する。
属国の日本のスポーツは戦後、A級戦犯容疑だった笹川というカイライにすべて任せた。スポーツ利権は個人が持ちぐちゃぐちゃになったのだ。そうしたでたらめが噴出したのがマラソン札幌だ。すでに、日本ばかりか世界の人民は、お見通しだ。中止、解散しかない。いまからでも遅くないだろう。
◆暗黒安倍をとりまく最近の動向
安倍は米国トランプにすがっているが、米国が真っ二つになっている現在、きわめて微妙な立場にある。安倍に直接命令を伝えていたのは、旧来の米国の戦争屋一味だ。日米合同委員会ルートで背後の官僚トップグループと一体で動いてきた。
米国内でのジャパン・ハンドラーの組織の弱体化にともない、おのずと命令が途切れがちだ。そうしたことから、戦争屋一味とトランプ派の双方に忖度しながらも、必死に独自の立ち位置も追及している。
日本を極東の不沈空母として、中国、ロシア、朝鮮と対決し旧共産圏を揺さぶっていく役割を、戦争屋一味は一貫して追求してきた。これに沿い、北朝鮮のミサイルを理由に対立と制裁を強化してきた。揺さぶるということは、極東で戦争・紛争を起こすことだ。
米国内の対立は、トランプ側は2028年までに日本から米軍を撤収するという方針を示し、米国は日本防衛を担わない、自分で自分の国を守れ、日本は憲法を「戦争できる」ように変えろと求めてきた。
米国の核傘のもとで米国の忠犬としてふるまえばいいと考えていたものが、それでは済まなくなった。命令者の気ままなご都合主義に、振り回されるだけではいいのかと。
安倍一味は日本国民を、自分が宗主国の忠犬ではない、独自にちゃんと考えてやっているのだとだます。そのために、戦争屋としてつるんでいた統一会議(CIA)を動かし日本会議を作った。その構想は明治回帰に近い。
単純に満州国再建のようなもの。黄色人種、アジアはDNAが一緒で元祖が同じ。だから一つに団結すべきで、天皇をトップにした日本が中心になるべき。というような選民思想に満ちた時代遅れもの。
だが、こんな陳腐なものは世界はおりか日本でも人民は許さない。「八紘一宇」の統一教会(=CIA=戦争屋)にとっては、民をだますためなら自分が信じなくても利用する。嫌われもののユダヤ人でも、ここでなら喜んで受けいれるとかの美名もちらつかせる。
戦争屋にしてみれば、日本をアジアの侵略者にして、犠牲をすべて民におしつけて、アジアで戦争・紛争を起こすこと。安倍一味はこれを確信的に進めているのが現在だ。
いま、いかにキナ臭いか。線状豪雨帯が恒例になった。連続する台風被害に豪雨がかさなり、311の被害を連想する事態。さらに首里城の火災。白川郷の火災。政府専用機のボヤ。連続して羽田空港の国内線の第2ターミナルでの断水。ただの天災、事故かも知れないが、いまどきだから人為的な疑いを呈するものもいる。
4日バンコク近郊で安倍と韓国大統領ブンジェインが短時間話をした。何か進展があったわけではない。安倍の周辺ではいまだ韓国への激しい挑発発言が続出。緊張は続いている。ブンの話し合いでの解決提案に安倍は同調を示さなかったという。
沖縄では米軍が取り決めに違反し、夜間の降下訓練をした。例によって形だけの抗議をした。だが、オスプレイが夜間訓練再開と同様、在日米軍はまったく属国のいうことを聞こうともしない。かつて米大統領が言ったように「終戦により米軍が日本の制空権を掌握し、いつでもどこでも自由に軍の展開ができるようにした」状態にすぎない。
日本に外国の軍隊が存在する限り、民の声などきかないのは当然なのだ。「他国の軍隊が居る」状態そのものが解消しない限り、平和はない。「出ていかないでくれ」とすがるような政権を民が許している限り、平和はない。
首里城火災の件では、安倍は「政府が責任をもって再建をする」と発言した。沖縄では安倍は嫌われ者のトップ。それは辺野古工事の強行にみられるように、民意をかけらもくみ取る気がないためだ。首里城再建での安倍の口出しまで嫌う。安倍は戦争屋として軍事では絶対に一歩も引かない。だが、首里城再建ではその主導権を握ることで、少しでも人気の挽回をしたいという魂胆だ。
安倍の閣僚が早くも二人辞任した。その上で大学入試の英語をめぐって、大臣が「身の丈に応じて」発言で燃えている。劣化、腐敗、衰退の事態はオリンピックと同じだ。
大学の試験問題作り、試験方法がやや時代遅れになって、新たな制度に切り替えなければという論議の結論だそうだ。それが、民間に投げるという方式。確かにすぐれた予備校は大学受験のノウハウ、生徒の能力の評価手法は現時点で最高のものを持っている。
だが、ここで民間機関にまる投げでいこうとするのは、すでに根底から狂った、実に資本主義的な愚策だ。政治屋が「大学受験」というところにダニのようにたかった結果だ。同時に大学の自治の放棄に他ならない。たかりの巣窟にされたのだ。
教育へのたかりの究極の完成品は、学校での英語授業。どう長期に勉強しようが、生徒は英語音痴にしかならない。この世で類をみない見事なシステム。英語を学ぶという課題が、結果は絶対に身に付かない。日本のたかり屋の教育システムの典型的な成果。そのウミがいま噴き出している。
オリンピックも大学受験も根底からやり直すべきだ。教育費補助というのであれば、受験者に負担を押し付けるのはやめなければならない。公正でなければならないところに、詐欺師の介入はいらない。
◆民の声が反映した共産党主導の連合政府はできるか
なぜに今の時代にトランプ現象が起こったのか。それは地球一元支配者の911を境に地球一元支配の完成のために凶暴化したためだ。ファシストとしての本性を表に出して、安易な横暴による人民支配を強めた結果だ。全世界的な規模で、被支配者たる人民に支配の構造がばれてきたからだ。
世界金融資本は新自由主義とかグローバリズムを絶対化して、国を越えて民への強奪を強めてきた。支配は所有である。このシンプルな構造を民に知られないようにするために、民の思考を歪める。強奪を合法にする。収奪を裕福とよぶ。戦争を平和のためにするのだとする。真逆の思考を民にさせる。
そこで欠かせないのは、まず民の貧困化。究極は戦争だ。それを世界金融資本は確信的に、日常の支配政策として実行する。民は拡大する格差というヤツらの犯罪行為を目の前にしても、それを強奪だと認識しない。民は戦争という究極に理不尽を体験させられても、コクミンの生命と財産を守るためだと理解するのだ。
貧困と戦争は支配そのものである。
だが、支配者によるこの真逆の思考操作に人民が気付きだし、異を唱えだしたのだ。それが英国のEU離脱とトランプ現象。トランプ現象は支配者層を分断し、支配を混乱に陥れている。
1917年ツアーの圧政に反発してロシアで民の政府ができた。この労農人民政府は地球一元支配者の、全力の戦争攻撃をあびて歴史的に葬られた。
ロシア革命から百年経過し、現在新たな人民の高揚の芽が出てきているといってよい。それはかつて「ヨーロッパを覆う妖怪」で、現在は「トランプ現象」であるのだが、当時と異なるのは、たたかう側の思想と組織の問題だ。
当時は共産主義とボリシェビキが存在した。だが、現在はたたかう思想ができていない。たたかう組織が崩壊させられている。無政府主義とSNSのレベルだ。
表の政治ではトランプ現象を生んだが、その主たるものは表の政治での対決構造で、民の足元からの組織とたたかいが基盤になっていない。つまり、決定的な改変までにはいきつかない。もちろん、これからでも遅いわけではない。たたかう側の、足もとからの思想と組織について、今世界中で人民は再構築する以外にない。
日本の共産党は5日「2022年は党創立100周年。それまでに民主連合政府」を作りたいと表明した。現在国会でも野党の統一行動が進んでいる。2022年は日本共産と創立百年にあたる。
結論をいえば、民主連合政府は実現しない。それは表の政治の交代を、民が足もとから支える人民の権力が構築されているとは言えないからだ。
表の政治では確かに、現在の民の声を体現した統一戦線政府ができることは大事だろう。だが支配者側の報道・マスコミが世論を誘導している中で、共産党が主導する「野党連合政府」を支持するだけの「多数」は形成できない。
「民が足もとから支える人民の権力」があれば別だ。人民の権力とは、宣言していないだけで安倍の政治権力下で、同時に別の人民の権力が二重に存在していること。ロシア革命時のソビエトである。
共産党が現政権に反対する「政府」を口にすると、すぐに権力側の評論家、専門家は猛烈な反論を展開する。共産党主導となると、まるで狂犬のごとくだ。
その論点は、連合政府がかかげる政策についてではない。共産党主導政権がはらむ「危険性」を主張する。例えば加藤成一(元弁護士)なる人の主張に集約されている。
A:【日本の国益に著しく反し、かつ、日本国民を「社会主義・共産主義社会」へと誘導することになりかねず、極めて危険であるから、他の野党は決して共産党の「野党連合政権」の誘いに応じてはならない。のみならず、今回、日本共産党が提唱した「野党連合政権」は、統一戦線の政府である共産党主導の「民主連合政府」の樹立を目指すための戦略戦術であることは党綱領上からも明白であるから、他の野党は共産党の真の狙いを絶対に忘れてはならない】というもの。
B:【日本共産党は、「科学的社会主義」(マルクス・レーニン主義)を理論的基礎とし、「社会主義・共産主義社会の実現」を目指し、「プロレタリアート独裁」も「民主集中制」も「敵の出方論」も、一切放棄せずに温存している。このような「革命政党」である日本共産党と、立憲民主党、国民民主党などの他の野党との間には、イデオロギーにおいて絶対的な矛盾対立が存在するのみならず、自衛隊、安保条約など外交安全保障の根幹においても、絶対的な矛盾対立が存在することは明白である】。
C:【「プロレタリアート独裁」は、党綱領で、「社会主義をめざす権力」と規定され…採用している「民主集中制」は、科学的社会主義(マルクス・レーニン主義)の核心である少数の職業革命家による暴力革命論に基き、党は秘密結社であるため党内民主主義を認めず、党最高幹部への権力集中と独裁をもたらす制度】だ、というもの。
共産党主導の政権は、A:社会主義・共産主義を実現するための暴力革命を隠した手段だ。B:「選挙による政権交代を金輪際認めず、議会制民主主義は完全に否定され、集会、結社、言論、出版、表現の自由をはじめとする市民的自由や基本的人権は抑圧蹂躙され、共産党に対する一切の批判は許されない」プロレターリアート独裁だ。C:「党は秘密結社であるため党内民主主義を認めず、党最高幹部への権力集中と独裁をもたらす」一党独裁だ。このようなスターリンの大粛清や毛沢東の犠牲を強いる社会を実現しようとしているのだから、認めてはならないという主張だ。
日本共産党はこれにどうこたえるのかは知らないが、まさか「その通りだ」とはいわないだろう。そう考えた過去はあるが、今はそれをもう破棄した、というだろう。おそらく、共産党員にアンケートでも取ったなら、ほとんどは、一党独裁とかプロレタリアート独裁とかは認めないだろう。
だから、共産党批判派の肌での毛嫌いはわかるが、実際の共産党に即した批判とは言い難い。現在の表の政治での共産党の姿は、安倍によってずぶずぶの状態になっているなかでは、もっとも「議会制民主主義」的な政党になっているといってよい。だから、むしろ、選挙で政権を目指すという、今の共産党の主張は当然すぎるほど当然なのだ。
共産党の主張の弱点は、一党独裁とか、民主主義を否定しているとか、暴力革命だとかについて、論議をはぐらかし、あいまいにしていることだ。
現在の共産党の主張の誤りは、マルクスやレーニンの打ち立てた思想を「教条主義」として否定したことだ。「科学的社会主義」と自称しているが、内容はレーニンがプロレタリア独裁として読んだ「ソビエト(人民権力)」の思想を捨て、単に表の政治での政権の選挙での交代を目標にしてしまったことである。
レーニンの時代は表の選挙などを、人民権力の構築より優先させることなど絶対になかった。
今の共産党は、人民の足元から組織されたソビエトという人民権力を捨てた。表の政治での選挙での「政権交代」一本になった。だから安倍政権と並行して人民の権力が存在する、などという思想が理解できない。レーニン時代、それを社会民主主義と呼んだが、まさに、どっぷりと社会民主主義に浸かった状態がいまの共産党といえる。
かつて共産党の主張のひとつに「敵の出方論」というのがあった。暴力革命を目指しているのではないかという、批判に対して「議会での平和的な政権交代を目指しているが、反動派が武力で立ち向かってきたら、抵抗して武力ででもたたかう」という主張だ。
だが、これはソビエトという人民権力の思想を理解しないものの苦肉の反論だ。加藤成一による批判でも、いまだに牙を隠していると指摘されている。
レーニンが指摘しているように、人民の政権は天から降ってこない。議会で生まれない。圧政とたたかうなかで、足もとから構築される人民の権力が成長してできるものだ。並行して存在する二重権力を作り、情勢の発展のなかで、とり替わるものなのだと。
圧政の権力化で芽生え、たたかいの中で成長する人民権力はむやみに、無駄な衝突をしない。決定的な情勢が醸成したときに、一気に蜂起する。そのときは、敵の権力機構、すなわち軍隊、警察、行政機関、裁判所、報道・マスコミをゼネストによってマヒさせることである。
そのときに至るまで、人民権力は表に姿を見せない。昼は敵の支配下で、いつもと同じ日常を過ごす。だが夜は人民権力が機能する。ゼネストを実行するまでの期間は長い。それまでは忍耐、忍従をする。徹底的な「面従腹背」を続ける。
軍隊内で「戦争反対を仲間と話す」。警察内で「弾圧反対で友が集う」。
表の政治で、たとえば、選挙で多数を得そうになると、圧政政権は封殺に走る。これは絶対である。日本でも、小選挙区制をしたり、政治資金法などで企業献金をおさえたり、政党への税金投入などをした。投票をコントロールすることもしている。しかし、それにも関らず、人民の意を反映した政権ができそうになったとする。
このときに、歴史の反動派である世界金融資本と支配政権は、全力をあげたクーデターを起こす。絶対に起こす。このときに先の「敵の出方論」という空論があったのだが、完全武装の敵にたいして素手で勝てるか。民の政権を守れるか。いくら敵が卑劣だとわめこうが、守れない。
カンボジアのシアヌーク政権、チリのアジェンデ政権の例にあるように、悲惨な虐殺がCIAによってなされた。
このときの反動に立ち迎えられるのは、人民の権力しかない。CIAとそのカイライは軍隊と警察をはじめとする圧政機関に、容赦ない弾圧の命令をくだす。このときに、昨日までハイハイと面従腹背をつづけてきた軍隊や警察が、矛先を命令者に向けるのである。
これが人民権力である。軍隊と警察の中にひそかに構築される人民権力が、反動派の命令をきかない。逆に軍隊や警察の機能を一気に無力化し、その武力をそのまま命令者を封じる行動に使う。
このようにして構築される人民権力(ソビエト)とは、末端の民の足元からの意志を反映した組織である。これは、日常的に機能する組織だ。
これ以上の民主主義はない。議会主義・民主主義といわれる現在の米国や日本を見たらいい。民主主義などない。民が日常的に生活すること、働くことが、ヤツらの支配機構の歯車として動いている。つまり、民を支配する機構を民が生活し働くことで、いやでも支配者の意図に加担させられている。支配者は、人民を支配=所有しているが、人民が生活する行為に犯罪を埋め込んでいるのである。ヤツらは民を犯罪の共犯者にしたてているという欺瞞だ。これが民主主義の実態である。
欺瞞に満ちた圧政化の民主主義と、人民の権力機構の存在がどれほどかけ離れているかを考えてほしい。
現在の共産党やたたかう民主主義者が、共産党独裁という攻撃に対して反論できないのは、人民権力(ソビエト)の思想を理解できない、あるいは捨てたからだ。レーニンの時代は当然だった人民権力の思想は皆知っていた。民主主義がだれにも実感できた。その時代に「ソビエトこそ非民主主義」と、ソビエトの人民にいってみたら、彼らはどう答えるかを想像してみたらいい。
それが、一党独裁は非民主主義の象徴という攻撃に屈し、あるいはみずから投げ捨ててしまったことから、現代の人民の思想的な悲劇がおこった。
◆【追記】ラサール石井「内部留保は460兆。1%吐き出すだけで消費税増税分です。つまり消費税上げなくていい」への激しい攻撃の中身
ラサール石井というタレントがどういう方はよく知らない。だが、この主張は正しく、民の立場からの声である。このツイートに対してすぐに多くの反論がなされた。この反論をみると、現在の安倍政権の姿が見えてくる。
どんな批判だったのか。
「経済オンチであきれる」「簿記二級ぐらい理解してから言え」「アベが悪いで何か解決するのか」「このオッサン内部留保の意味が分かってない」「バランスシート見てない」「ただの浮動層左翼だ」「恥知らずの知ったかぶり」という攻撃は、予想通りの下劣なことばの羅列で、タレントは政治発言するなという威圧。
批判の中身をみると、「内部留保が現金だと思い込んでる」「本質的に株主の持分で、再投資の財源にもなるもの」「租税対策上の単なるテクニックで、設備投資やM&Aなどへの投資に使われるもの」と。
内部保留は税金対策の帳簿上の数字であって、現金ではないが、再投資、設備資金、企業買収資金、投資目的で、株主所有のもの、といっているようだ。
だが、異常に巨額の内部保留の問題はこうした批判で指摘しているようなことではない。
第一に、企業が経済の成り行きに不安を抱いていることの証拠という側面。つまり、景気がそれほど落ち込んでいるということ。上がった利益分を公正(ありえないけど)に分配はしないばかりか、来るべき(?)経済危機・破たんにそなえて貯めている。
第二に、企業は一定の内部保留をもってさまざまな局面に動的に対応するクッションをもつ。だが、460兆円に及ぶというのは正常なのかという問題。本来的に、企業の利益は労働者と社会にも還元しなければならないのに、投資家には回すがあとは留保しておくということが間違っていないかということ。悪法下では投資家のものだろうが、本来は労働者や消費者のものでもある。
第三に、タックスヘイブンの問題と同様で、企業にこのような税金対策が正当なものと認められる制度でいいのかという問題である。さらには、安倍の海外バラマキ。すでに100兆円を超えるといわれている。消費税増税にもどれほど多額の税金をぶちこんだことか。
つまり、消費税増税は財政増加や福祉原始のためなどではまったくない。単に民を混乱に陥れる、圧政を加える目的で行っているのだ。最長政権といわれる安倍。この政権で、安倍は何かひとつでも民のためにしたか。誰か指摘いってみてほしい。民の貧困化と戦争は、即民の支配と継続。世界金融資本の手先が推し進めるのは、現代においてこれだけである。
ラサール石井の提起したことは、批判者が指摘しているようなことだけではない。この機会にぜひとも論議のテーマにしてほしい。