記・国民B(2019.8.8)
■あらためて、議会主義者と平和主義者(社会民主主義者)の視点は、権力への打撃など無縁である

◆選挙が終わったら急に、日韓、米中、米国イラン、米ロの対立の緊張が高まったのか

 国内外で、まるで戦争前夜のような雰囲気が強まっている。多くの文化人、知識人が現在の動きを憂いている。だが、多くの民は日常に没頭し、見ざる、聞かざる、言わざるのように沈黙を守っているものが多い。
 こうした事態を憂うものから、聞かれる。「背後で何が起こっているのか」「戦争の危機なのか」「われわれはどうしたらいいのか」と。

 先に結論を明確にする。参議院選挙で安倍らカイライ中央政権の予定通りの勢力を表現した。「改憲論議をする」をコクミン多数が同意したとみなして、安倍の最後の実現課題である「改憲」に突き進みたい、ということ。
 カイライ安倍に世界金融資本=ネオコンから託された最後の課題だ。そのために、ぎりぎりまでの戦争危機を盛り上げるということ。日韓、日中、日ソの緊張を極限まで高めてコクミンを恐怖に震え上がらせて、改憲必至を作り上げる気だ。ネオコンの私兵CIAと一体である満州マフィアは、日本ばかりにいるわけではない。戦争が終結してもアジア大陸全土に温存されている。特に南北朝鮮に多数いる。
 国内では安倍の謀略機関が操縦するネトウヨ。これと朝鮮でう温存されている満州マフィアが連携して、現在の危機が作り出されていることを知っておく必要がある。

 参議院選挙が終わり、テレビや新聞では「れいわ新選組の山本太郎の意気込み」「NHKをぶっ潰すという、NHKから国民を守る党」のことでにぎわっている。あわせて、民にたいへん嫌な思いにさせているのは、日本と韓国の今までにない異様な対立の激化だ。
 阿倍は韓国との貿易への「制裁」行動に走った。韓国内では日本製品の不買運動が起こった。日本で開幕していた「表現の不自由展」の閉鎖に至った。日韓の民間レベルの親睦交流の催しは数多く取りやめになっている。
 また原油輸送の安全のためと言って、米国のネオコン一派が狙う「有志連合」に日本が加わるのかという話題。加わるとなると自衛隊の派兵となり憲法の改定など待たずに、事実上の「参戦」に踏み切ることになる。
 トランプが突然言い出して決行したロシアとの大陸間弾道ミサイルの条約からの離脱。その条約破棄が開始した。北朝鮮は数日間に4回のミサイル実験をした。米韓合同軍事演習を牽制したものといわれる。中露共同軍事演習で軍用機がそろって竹島、尖閣の上空を飛行した。
 シベリアのロシア軍施設で大規模な爆発があった。中国でもたびたびある。当局はこの戦争惹起の挑発に乗ってはいない。だが事故というより明らかな謀略だろう。世界中で起こっている大地震や異常な気象も、民を真実から隔離する策動だ。
 トランプは中露との対立、イランとの対立を激化させている。だが一方で北朝鮮のミサイル(といっても他国では日常的にこれ以上の実験をやっている)を容認している。

◆わかりにくくしているトランプの動向。トランプは行動の土台が揺らいでいるのか

 今日、地球を一元的に支配しているのは世界金融資本を核にした6つの集団である。世界金融資本でもその表の顔についているのは産軍複合体=ネオコン。戦争を繰り返すことで世界全体を直接牛耳る状態まで持っていく。
 現在のターゲットはイスラム圏での抵抗勢力と旧共産圏の勢力。戦争を仕掛けて混乱を起こし、収拾するふりして支配下に置いていく。そのためならどんなことでもやるという卑劣な勢力だ。
 中東での紛争はイスラム圏を崩そうとするもの。ISを組織して暴れまくる。それを制覇するなどと称して、世界金融資本の支配権を拡大する。ウクライナをめぐる騒動もある。これは対イスラム圏ともう一つの対旧共産圏、すなわちロシアとの策動も重なったもの。いまも執拗に繰り返されている。
 極東の紛争の激化は旧共産圏との対立を激化させ、旧共産圏内に亀裂を起こして、内部からの崩壊を拡大させようとするもの。日本は世界金融資本が第二次世界大戦を通じて実現した世界金融資本側の「不沈空母」。あきらかに、ここを足場にして揺さぶりをかけている。
 例えば香港での暴動。これは旧共産圏である中国へのネオコンの策動。もともとの「容疑者の本土への移送」をめぐる論議は、ただのきっかけに過ぎない。本来なら普通に論議して決めれば済むもの。これを200万のデモにまで激化させて、街の破壊まで過激にさせたのは、CIAと満州マフィアがやったことだ。
 「米中の貿易戦争」とか、日韓の対立激化で背後から「支援」するような状態を作っている。背後でつながっている。
 マスコミはこのときぞとばかりに、中国の習近平と韓国のムン・ジェインを小馬鹿にする。

 世界金融資本は2001年の911でのろしを上げた。それは地球一元支配のための行動を、計画や試行段階から、行動の段階に移行するという宣言。
 これを境に世界の情勢は一変した。どの分野、どの地域でもおぞまじい世界がはじまった。政治、経済、社会、化学、医療、生命の全分野でヤツらが展開するグローバリズムを全開した。
 ヤツらの世界支配への執念が至る所で、本気の行動に移されたのだ。
 日本ばかりではない、世界中で、未だに被支配者である各国人民は、ヤツらの本気度を十分に理解していない。

 世界金融資本は世界中を一元的に支配する体制の実現に向けて、長期の戦略を打ち立てて進めてきた。その一つがEU。ところが、邪悪な世界支配の野望は、被支配者である人民の強い抵抗を呼び、世界金融資本の足元である英国から離脱の声があがった。
 同時に、世界金融資本が世界支配の牙城としてすべてを牛耳ってきた米国でも、足もとから半旗が翻る。米国が帝国主義となり、世界の憲兵役を演じてきたが、それは世界の人民から富を強奪してできたことだった。米国に住む人民も民の一部で、だまされ気分は「裕福」だったが、実際にはとほうもない格差による貧困に陥っていることに気づいた。
 これがトランプの登場となった。米国を牛耳るディープ・ステートと称する旧来の中央政治は、米国人民とトランプらによってたたかう対象となった。
 トランプは転がり込んだ大統領の地位を利用して、グローバリズムの象徴でもあったTPPから即離脱、世界の憲兵をやめると宣言。世界中から米軍撤収、他国への干渉をやめるとも宣言した。中央政権で犯罪をほしいままにしてきた連中は監獄にぶち込むとも。
 地球一元支配を追ってきた世界金融資本や軍産複合体=ネオコンという戦争やにしてみれば、許しえない挑戦となった。このままトランプや世界人民の声を野放しにすれば、何千年来の計画が狂うと危機に陥った。
 これで決意を新たにした。911以来進めてきた、なりふり構わぬ、本気の行動から、さらに進めて、第三次の世界大戦を実行すると。戦争に直面すれば、誰もが強い支配者である自分にひれ伏す。民の思考がねじれる。トランプは寝返りさせえなければ暗殺すると。

 最近のトランプの行動がおかしい。すでに一貫性を失い、表の政治では、旧来のネオコン一味と同じような振る舞いに明け暮れている。
 憲兵やめた、米軍を世界から撤収する、他国に干渉しないは、みなウソだったのか。事実そのように追及するものが多い。
 以前から指摘しているが、基本中の基本は人民側の権力構築の問題である。表の政治の個々で何が起ころうとも、それはすべて世界支配者どもの演出だ。ヤツらのもくろみを宣伝する機関であるマスコミに言わせているだけだ。
 たたかう人民はそのような表の政治にかんする、マスコミ報道を真に受けてはいけない。百パーセントがフェイク・ニュースである。
 トランプについていえば、トランプが目指す政治の方向が「アメリカ第一」で「偉大な人民の自力を再生させる」のであれば、その道筋を明確にすべきだし、誰に依存して実現するかを示すべきだ。だが、それは報じられない。
 例えば、7月4日の独立記念日のトランプの長時間に及ぶ演説があった。だが、内容はどこの報道機関も明らかにしていない。それでいて「かつてないひどいもの」「軍事パレードを利用した」「次期選挙に勝つためにだけやった」という、状態を非難攻撃した報道だけだった。
 セレモニー会場は超満員。聴衆は沸いたのに、何を話したかを会場以外の人が知らされないという異常事態。
 トランプを支援する人民がソビエトのように、ほうんとに組織され、活動として展開しているのであればいい。ネオコンらはそれなら7月4日のできごとを内容として報じることはないし、隠す。
 マスコミがトランプのことを、評価したりほめたりした報道がまったくない。これが出たらトランプはヤツらの手先に落ちたといえる。現在までは、世界中のマスコミがトランプ攻撃を続けている。
 トランプについては、①表の政治のことなので、すべてフェイク・ニュース。②表の動向に依存したり、目を奪われうことが間違い。③トランプを褒めるマスコミが出てきたら、その際にあらためて判断する。
 トランプという人間が突然に表の政治の舞台に登場した。もちろん背後に壮絶なたたかいがあっての話だ。そのトランプが世界金融資本とたたかうというのなら、それを民は評価し世界金融資本への打撃に利用したらいい。世界の憲兵、米軍の撤収、不干渉、犯罪人を監獄へ。いいではないか。だが、即実行など無理だ。時間をかけてでもいい。完遂してくれたら、世界中の民は拍手喝さいだろう。それを過剰に期待するのは不要。
 民の政治闘争の基本は人民権力の構築にある。

◆ネオコン=戦争屋一味のカイライ安倍ら満州マフィアの戦争惹起策動を許してはならない

 別項で「戦争を子供にどう教えるか。戦争が持ついくつかの顔。戦争の廃絶はできるのか」(6/23初版)を記した。
 戦争の廃絶は、民の圧倒的多数が求めているにもかかわらず、実現できないのは何故なのだ、という課題を扱ったもの。
 この文章は一番引きが多く、内容も洗練して第3版に及んでいる。このテーマは「正義を求める人々へのメッセージ」の根幹でもあるためだ。
 「圧倒的な人民が求めているにもかかわらず△△が実現できない」というのは、戦争ばかりではない。原爆・原発。報道と自由。エネルギーと医療…、いくらでもある。
 「阿倍政権は支持しない」(支持が5%程度)というにもかかわらず、阿倍一強が実現されている。単純に何故なのか。6日は広島原爆、9日は長崎水爆の記念日で、圧倒的多くの人が原爆の廃絶を願う。だが、阿倍らは廃絶の国際条約に反対という現実。辺野古に基地はいらないという声が圧倒的なのに、建設を強行する阿倍一味。
 素朴に、多くの民の意志が実現しないのは何故なのか。というのがテーマだ。これが、民の満足をするまで突き詰めていけば、政治のすべてが見えてくる。これほど、重要で的を得たテーマなのだ。
 このこと自身が人民が置かれている奴隷状態なのである。世界金融資本の支配、すなわち所有物という現実がある。多くの民がヤツらの奴隷としての所有物であり、民の意志など、豚や鶏の考えと同列視されているという、おそらく認めたくない現実の象徴なのである。飼われている豚や鶏がいくら多数でも、その声は飼い主には聞こえないのだ。

 「戦争を子供にどう教えるか…」記事で指摘しているように、第三次世界大戦は、ヤツらが本気で起こそうとしている事実がある。それは、第二次世界大戦が終結してからすでに人の一生分の時代が経過していること。支配を継続するためには、被支配者に生きている間に、戦争を実体験させる必要があると、もくろまれていることである。
 ヤツらは人民を恐怖のどん底に引きづり込むことで、民を震え上がらせ、民は支配者に絶対に永遠に手向かうことができない、服従する運命しかないということを実現したいのだ。
 阿倍は戦争屋の忠実な手先として飼われている。戦争屋は世界金融資本が支配を強めるために、絶対必要な手としての戦争を定期的に実現するために存在する。世界中にその火を埋めて準備している。
 今回は日韓の対立をあおってきた。戦争は表の形式では国家間の武力での争いだ。しかし、真実は違う。国家は世界金融資本の支配のための一つの道具にすぎない。世界金融資本は、己が配置した各国のカイライを使って、いがみ合いを演出する。
 双方の民に、民同士が憎しみ合うようにしかけ、油を注ぐのだ。マスコミが重要な役割を果たす。表では、中間派や正義派を装いながら、民族的な感情をあおる。
 民族や文化の相違があおられた偽の感情で燃え広がり、後戻りできなくなる。

 真実を求める民は、ヤツらの汚いこの手口を知らなければならない。許してはならない。正義を求める民は、ヤツらの民をまきこむ戦争惹起の策動を「内乱に転嫁」しなければならない。
 それは、阿倍らの策動を徹底的に暴露して、民自身はだまされて、あおられて戦争に手を貸すことなど、絶対にしないという力を足もとで組織することである。
 阿倍による改憲、阿倍による戦争惹起を、二度とできないまでに追い込むことである。

 韓国による徴用工、慰安婦問題での日本への追及は、阿倍によれば「ありもしなかったこと」「賠償問題など終わった過去のこと」「不当で卑劣な韓国の、国際感覚ではありえないいいがかり」「前政権がした国と国との約束にそむく裏切り者」と言う。見苦しい。
 阿倍らが謀略的にやらかしているネトウヨやとりまきによる、排外主義・厭韓主張は、人間としてもへどものだ。他人や他民族をあなどることは、そのまま自分をあなどり、否定するというものである。
 民族の誇りは尊重し否定してはならないものだが、卑劣な連中に、さも朝鮮民族をあなどることが戦争を美化するために利用されることなど、絶対に許してはならない。ヤツらは戦争に民族主義の高揚を、バカの一つ覚えのようり持ち出す。
 日本が世界金融資本の誘導によって先の戦争で、アジアに侵略して破壊と強奪をしたのは事実だ。ぬぐいえない負の遺産。アジアの盟主を気取わされて、太平洋岸の領土をいいように併合したが、しょせん侵略。敗戦でそれは当然戻された。天文学的な賠償も含めた後処理費用を血税から負担した。
 阿倍が登場して、この歴史的な事実を強引に「過去のもの」「清算が終わったもの」にしようとした。言うまでもないが、民の目から見たら、戦争の主犯である世界金融資本が地上から民によって放逐されない限り、過去のものにもならないし、清算はされない。
 まして「韓国はあつかましい」などと言える口がない。ネトウヨや阿倍らにだまされて同調などしてはならない。「内乱に転嫁する」というのは、韓国の人民と手を携えて、阿倍らの戦争惹起を徹底的に暴くことだ。この解決は主犯である世界金融資本を倒すことによってだけ可能であることを指摘することだ。
 挑戦で暗躍する満州マフィアの一味、日本へ単純に憎しみをあおる手先連中に矛先を向けなければならない。卑劣な連中は民の中の無知なもの、カネと欲の盲者、腐りきった根性の連中を利用する。こいつ等は民に歯向かわなければ、民を敵にしなくてすむものを、ヤツらにそそのかされて「役」を演じさせられる。
 民はこいつ等に甘い顔をする必要はない。こいつ等は背後に権力がいるので暴れるが、その権力に単にだまされていること、そしてなした行動の罪は自分が背負わされるのだという事実を突き付けるしかない。民に歯向かうことの罪を知らなければ、主犯と同じ運命として罪を購ってもらうことになる。

 名古屋で開催が始まった「表現の不自由展」が中止になった。そこで慰安婦問題が取り上げられていることから、右翼やネトウヨが主催者側に脅迫までしてきたからだという。阿倍ファシズムを象徴するような事件だ。
 反戦宣言都市が反戦集会に「思想偏向に加担しない」として会場を貸さない、というのもある。今回の展示は愛知県が関与している。だが名古屋市長は「慰安婦の証拠がない」「南京事件はなかった」という人物で、今回の展示には中止を申し入れていた。
 市長が展示中止を求めるという行為は「表現の自由」を規定する憲法違反なのではないのかという話題にもなった。だが、講じた動きこそが阿倍ファシズムの象徴である。
 民主主義は欺瞞だが、民は声を出さなければならない。展示は訴えたい趣旨があってこそなされるもの。その意思表示は保障されねばならない。同時にそれに対する反対の意思表示も、そうしたい者に保障する。だが、不当な暴力や脅迫という行動で妨害するのは犯罪である。ファシズム化では、この単純なことが守られない。
 多くの日韓友好の催しは、つぎつぎと壊されていっている。阿倍が策動する嫌韓工作によってだ。日本には朝鮮統治時代に引き連れてきた人を含めて、膨大な朝鮮人が住んでいる。産業にも深いかかわりを持っている。これは、民が願って、戦争を克服する願望を一歩一歩作り上げてきたものだ。
 阿倍ファシズムは命令者のいうがまま、こうした成果をすべて踏みにじろうとしている。
 阿倍ファシズムの人民圧政の本気度のすすんだ現象だ。反阿倍の意見は現在インターネットから、つぎつぎとアカウントの凍結をされている。Youtubeなどの情報サイトからも反世界金融資本の情報は削除されていっている。阿倍ファシズムの安定的な独裁政治体制を揺らがそうとするものは、民の目に触れさせないというものだ。
 マスコミが流す報道は基本的にフェイク・ニュースだが、政治の安定、社会的公正・中立などの理由で、阿倍ファシズムに反対する意見、集会、展示、運動などはできなくなる。日本の報道の自由度は、すでにひどいものだが、記録はどんどん悪化する。

◆民自身が阿倍ファシズムを容認し、一角に加担し、民自身を苦しめるシステムを動かしている側面に気づく必要がある

 重要なことである。「阿倍一強」が白々しく報じられるが、それに異議が出ない。マスコミが封じるから当然かもしれない。言論弾圧が日常になっている。阿倍一味の謀略機関として最近暴かれているのが内調とよばれる組織だ。
 報道の裏で連日満員になっているのは映画「新聞記者」。ここでも登場する。世界金融資本は必要な分だけカネは出す。阿倍機関も一日で数億円の工作費を使う。例えば吉本にもカネは流れる。
 ネットの世界では阿倍支援部隊に対して、動画からフェイスブック、ツイッターとそれぞれの分野で、1件当たり数十円から数千円を支払っている。選挙演説最終日に阿倍演説会場への動員はバスだが、ここでも動員される。カネだ。
 米国が軍人を地球の裏に派遣するが、お国で仕事にも就けない貧困状況で兵士にする道だけが開かれ、応募して仕事を得たものが多い。「愛国」「米国人の生命と財産をまもるため」は、すべて後付け。
 情報を遮断しておいて、一つの選択しかない道を用意すれば、戦争で戦闘に参加し犠牲になってくれる人を欠かすことがない。阿倍ファシズムの戦争政策も同じだ。
 日本で現在実現している現象は、民を同じように貧困化させて、ぎりぎりの生活を強い、考える余裕を奪い、きゅうきゅうとさせている。ファシズムがどんどんと進行しても、今だけ、カネだけ、自分だけで、政治的な事態がどう変わっても、鈍い反応しかできなくさせられている。
 マスコミが誘導する方向で、一斉に動く。ポケモンGO、すなわちゾンビのようなロボット奴隷状態にさせられている。おめでたいことに、本人は少しも気づいていない。思考が停止しているためだ。
 選挙になればマスコミが予想したような行動をとる。結果もほぼ同じになる。先に書いたようにカネで阿倍演説会に参加し、カネでSNSにヘイト・スピーチを書く。反阿倍の動画や意見が出ると通告してカネをもらい抹消に協力する。
 安定した仕事に就きたいとはだれもが思う。就いたら職を失いたくない。上からの指示には従う。仕事だと割り切り、指示を自分の意志で膨らまし、より多くの成果をだすためにがんばる。例えそれがグローバリズムで他国の民を収奪するものであっても、自国の民の健康が損なわれるものであっても、企業の利益の増大に貢献するものであれば、何でもする。
 直接的な表現で法やモラルに触れないようなことなら、罪の意識など起こらない。
 日本は世界に進んでJ・オーエルが描いた「1984」のような社会になっているのかもしれない。家庭に帰れば、仕事はすっかり忘れ、良きパパ・ママになる。玄関を出て、職場のドアを開ければ、企業戦士に変身する。
 世界は現在世界金融資本が支配している。世界中の企業が新自由主義=グローバリズムを推進する傘下にある。そこで働く民は仕事としてグローバリズムの一端を担う。
 国はすでに分断支配のくくりとしての役割しかない。レーニンが活躍したおよそ百年前は、帝国主義時代全盛期。資本主義は寡頭化が進み帝国主義となり、見かけは国同士の分捕り合戦時代だった。
 国単位で成長した資本主義は独占資本主義、帝国主義に発展した。現在に到る過渡期の状態。そこで強化された当時の独占資本主義の頭目である金融資本家どもは、2回の世界大戦をしかけた。
 この大戦を通じて分捕り合戦は終結し、金融資本は一層の寡占化を経て、世界支配の野望で一つになった。それが大昔からの王政権力、ユダヤ・キリスト一神教バチカンと手を組んた。
 新たに「新世界秩序」を目指す現在の支配システムになった。野望の障害になっているイスラム教勢力と旧共産圏勢力を、完全な配下に置くための策動が現在の段階。
 その歴史的進展は一様に、きれいに進むことはない。邪悪であるが故、新世界秩序は失敗する。だが、ヤツらは存在している限り、あきらめない。
 ヤツらの世界制覇を阻止するのは世界の被支配者である人民の力しかない。逆にヤツらがもっとも目を光らせているのは、人民の権力が構築されることだ。動きがあれば、芽のうちに紡ごうとする。現にこうして、見事に、特に日本では人民の権力思想は、跡形ないほどたたきつぶされた。
 かつて、2・1スト、スト権スト等の決起がなされた。60年・70年の街頭を埋めた学生運動があった。このエネルギーは根から絶やされた。
 それにヤツらにとって効果的に登場させたのが、社会民主主義と平和主義だ。つまり、選挙・議会を通じて平和的に権力の交代を実現しようという運動。権力者が用意して育てたものだ。これが現在全盛時代となった。
 たたかう前から権力者に媚を売り、用意された舞台で踊れというのだが、圧政の主犯である世界金融資本をこそブチ倒さなければならないと思う人民からしてみたら、許しがたいほどの冗談だ。
 議会主義者(選挙で権力交代)と平和主義者(主犯がいるかぎり平和など欺瞞にすぎない)が、さも人民の正しい考えであるかのようなのが、あたりまえのように社会にはびこっているのは、正義を求める民には怒りしかない。

 かつて戦争の危機が近づき、戦争が始まったときに、この議会主義者と平和主義者である社会民主主義者は、権力と一緒になって民に語った。「国民は一体になり、軍に入り銃を持って敵とたたかいやっつけよう」と。
 そればかりか、戦争の主敵に対して、敵国の人民とともに立ち向こう、戦争を強要するカイライ政権を打倒せという、人民をあろうことか売国奴とののしり、権力に売るという卑劣な行為をした。
 レーニンの時代、これが第二インターナショナルの裏切りとして徹底的に、社会民主主義者の思想と行為が非難された。先の戦争でも、各国でまったく同様なことがあった。この歴史的な教訓が完全に忘れ去られている。
 人民自身が現在の支配システムについて、いかなる形で圧政に加担させられているのか、ということを見つめなおさないで、ほんとうの圧政の実態を知ることはできない。
 正義を求めるこころある人民は、社会の実態を承知している。日々面従腹背で来るべきときに備えて、人民権力の構築を世界中で、えいえいと続けている。
 あらために、その活動の革新的な心構えを記す。

 第一、ひとを不愉快にさせたり、迷惑をかけないこと。
 第二、カネの盲者、欲の盲者にならないこと。
 第三、子孫に負荷をかけない、未来にツケをまわさないこと。
 第四、戦争の禍根を解き放つこと。他国へのよけいなお節介をしないこと。
 第五、人間の尊厳をもって生活できるようにすることへの貢献。