記・国民B(2016.8.9)
■天皇の「生前退位」意向ビデオメッセージは暗黒安倍政権への痛烈な抗議

 玉音放送のようだが、あらかじめ発表があったとおり、8月8日にテレビで放送された。この内容についてはマスコミがその真意なるものについて、あれこれと取り上げている。だが、為政者の支配の道具(誘導機関)であるマスコミが真意など報じるわけがない。
 見ていて、このニュースは現代の圧政の歴史的な真髄の一端を証明していることに気づく。

◆憲法で政治的な権限をはく奪されている天皇。名目的に憲法の主人公でありながら実質人権も生活権もはく奪されている人民とのある種の共通
 天皇の発言を聞くといろいろなことが解る。平成天皇は、先の戦争で大きな役割(戦犯)を果たした昭和天皇の贖罪をすることが義務付けられたかのように、就任以来熱心にかつての侵略国を訪れた。
 仕掛けられた戦争で犬死させられた人民、遠くまで来て殺した兵士、その兵士自身も為政者に踊らされた一方的な犠牲者。その犠牲を反省し尊い命を悼んだ。また、為政者が引き起こした福島原発事故を含む311での被害者に対して支援と励ましの行動を起こしている。
 これは人民の気持ちとしては当然のことなのだ。口先だけで被害救済を言い、実際には真逆の行動を貫く暗黒安倍とはまったくの相違だ。これは、どこまで意識しているかはまったく別だが、天皇が人民と同じく政治権力をはく奪され、結果何のてらいもなく、すなおに人民の置かれている一面を考えることができるからの思いだ。
 別に天皇をあがめたり、王政という主敵としての存在を否定したりすることとは関係ない。権力を奪われても、国費で生活権は誰よりも保障されている天皇と人民は元来同じであるはずがない。だが、いったん政治権力が奪われた状態にあると、おのずと人民の置かれた圧政に考えを及ぶのだ。

◆「国民の象徴」としてあがめ、上に置かれ、次の戦争の責任だけをかぶせられるのを拒否した。自分の代でそのような卑劣な制度をやめさせる決意
 暗黒安倍は内閣改造でますます戦争色を強め、北朝鮮には常時ミサイル迎撃命令を出し、日中の海域での緊張を高める挑発を繰り返している。安倍への為政者の命令はいま必至だ。何としてでも日中の紛争へ持っていきたい。
 一世代に一度は人民を戦争に巻き込むこと、ドル支配の終焉を引き伸ばすこと、日本と中国の経済を破壊すること、という指令が待ったなしだ。それを政治権力をはく奪された天皇が横で見ていて、その戦争に皇室が一歩的に利用される危惧を感じている。
 昭和天皇まで日本を支配する為政者に思うように戦争に利用された。平成天皇からしてみれば、日本国憲法は自らの政治権力のはく奪と引き換えに実現したことが何とよかったことか。つまり、平和憲法として世界に誇れるもの、実際に今日まで戦争の災いを避けてこれた。
 憲法を安倍らの政権者が変えること自身が憲法違反であるのにもかかわわらず、阿部らはぬけぬけと「憲法は古い」「押し付けられた」とか言い出して憲法を変えると言っている。憲法を守る義務があるものが、守る必要がない、別のにすると、公然と憲法違反を犯している。
 そして今、憲法を守るの大事さ、憲法の精神に従って忠実に天皇の役を果たしてきたのに、あろうことかまた天皇を利用し戦争へという真逆をさせられようとしている。それを拒否する。天皇がそのような役割なら、天皇制自身なくなってもいい、という意思だ。
 平和を望み憲法に忠実な天皇。憲法を否定し天皇を利用して戦争に走る安倍。この色の違いを鮮明にしたのだ。

◆現憲法、現皇室典範のままでは生前退位は法的に無理として「今回限りの特別立法」でごまかそうとする安倍
 確かに天皇の生前退位実現は法的には無理だろう。だが、安倍が憲法も法律も無視して横暴をやっているときに、法的に無理だという言い訳は根本的な無理がある。
 マスコミは、高齢天皇に多すぎる業務の軽減という小細工での対応で騒がせている。
 だが、天皇が突きつけた生前退位の問題はそのようなものではないことを示している。天皇自身が「仕事の軽減」「摂政」などのことではないと明言。政治的な発言も含めた権利をはく奪されているから、ストレートな表現が制御されている。ということで、ここでことの背景を示したのだ。
 これは、地球を支配する為政者の歴史的な内部抗争の激化によって、世界的に起こっているものだ。
 いままで優勢を誇ってきた、地球支配者のなかの戦争一本やりの強引な方法での世界制覇政策。つまりネオコンとその影響下にある日本支配者(ジャパン・ハンドラー=為政者一派)と、それに直結した暗黒安倍一味。それに対して、もっと穏やかな方法であと何百年いや何千年かけても支配を維持し続けられればよしとする一派の対立だ。
 国際的にヨーロッパで中東でそして米国でネオコン一派が窮地にたっているのが、現在の情勢だ。そのネオコン一派に毒食わば皿までと尾を振っているのが日本の安倍一味だ。ネオコンも世界で安倍一味だけが頼り。そうした世界情勢の中で、日本で発露したのが今回の天皇生前退位ニュースである。
 もちろん、主敵王政の一角である日本天皇の動きと暗黒安倍の対立が、人民の圧政を解放することに、安易に結びつくことなどない。
 おおいに話題にして、背景を語り、圧政を根絶するための人民権力の思想を拡販することだ。それ以外の道で、しかも外の動きに依存して人民の生活が良くなることはない。