記・国民B(2015.4.20)
■政治経済軍事で衰退が加速する米国、それでもよりすがる安倍の醜態のあわれ

 何が日本の宗主国米国の衰退かというと、まず米国の経済は対処不能なほどの状態で安倍が必死に国債を購入して支えているということだ。米国の国家財政のデフォルトの危機をずっと続いている。米国債の所有額はついに第1位になった。ここ数年中国がトップだったが、米国にみきりをつけている中国にかわって唯一異常な買い支えをしているのが安倍のニッポンなのだ。
 2月末で1兆2244億ドル(145兆円)の所有高となり6年ぶりに首位に返り咲いた。これれはすべて日本国民の貴重な財産なのだが、その価値はゼロで、一方的な宗主国への貢(みつぎ)なのだ。すでに、大半の国民は持っている債権を円に戻すことができない、ただの紙くずであることを承知している。
 米国は世界中に米軍を駐留させ、中東を中心にいたるところで戦争をしドルをばらまきまくっている。いくら世界中の国々から収奪をしているからとはいえ底をつく。もはや外国への侵略と駐留は自力では維持できずに、撤退や縮小を余儀なくされている。
 そこで急きょ忠犬安倍に要請したのが、米軍の代替わりでの駐留と侵略(海外への自衛隊派遣)だ。安倍は「ワン、ワン」をいうだけの男だから、急いで自衛隊が世界中にいつでも米軍の要請があれば、代って出ていけるようにした(現在国会で決まる)。しかも先行して秘密保護法を通しているので、いつ、なぜ、どこへ、どんな規模でなどについてはいっさい明らかにする必要がないのだ。
 忠犬の忠犬与党公明党にはあらかじめ高いハードルを設けた案件を提示し、歯止めと称する「制限」を出させて、安倍は「妥協」を演じる。いうまでもなく、派兵という侵略などしてしまえば後の祭りなのだ。あとは秘密なので歯止めなど何の効果もない。
 安倍の真逆の「積極的平和主義」が単に戦争をするということ、派兵=侵略をする国にするだけということが、誰の目にも明らかになった。この大事な180度の変更を公明党とこそこそ論議し、閣議決定するだけで決めてしまう。自民と公明の論議をコクミンの論議とすりかえてしまう。コクミンは蚊帳の外。完全に大本営発表をする場になりさがったマスコミはどこも真実をつっこまない。マスコミの真実報道度が世界で61位という安倍の誇るべき数字。
 さらに、ほとんど全土を米軍基地として提供している沖縄に「負担軽減だ」「借地返還だ」と真逆をいって強引に基地を拡張して、提供している。もちろん負担はニッポンで、米兵一人当たりにして1,400万円程度の「思いやり予算」のおまけつきだ。
 かつて沖縄から主部隊をグアムに「移転させ負担を軽減する」というのがあった。現実にグアムで基地は建設されている。が、その部隊の移転費用、基地建設費用、兵士の娯楽慰安施設の維持費用等はすべて日本の血税持ちなのだ。米日の為政者が結託して「移転だ」「負担軽減だ」ということを口にすれば、ニッポンのコクミンは、底辺階級や年金生活者がどう苦しい目にあおうとも、資金の肩代わりをするのだという例だ。日本から見れば宗主国とはいえグアムは外国だ。そこへの軍事基地の建設費用と引っ越し費用と維持費をニッポンの政権が負担するというのだから、宗主国はウハウハである。
 辺野古問題で本土のコクミンは横目で無視しているが、沖縄の県民と知事は激怒するわけだ。これほど露骨に犠牲を押し付けられ、面前に見せつけられているのだから。
 宗主国米国内の主流を握っているのは、軍産複合体のなかの戦争屋ギャング集団だ。かつてのブッシュ=チェイニー、今のヒラリーらであり、この露骨な犯罪集団のひとりベイナー下院議長から呼び出されて、安倍は今月宗主国に行く、
 自衛隊の米軍肩代わりを進めている報告であり、TPPもたとえ何千億円の赤字を出しても妥結するつもりだと告げに行く。
 宗主国が押しつける特別枠の米国米の輸入だけでも数百億円の税負担になると報道されているが、ただ押し付けられ、理不尽な負担を強いらているにもかかわらず、犬の安倍は「喜んで!」と笑顔で受け入れるのだ。TPPは議員にすら条項が明かされない秘密交渉なので、マスコミが報道する内容はみな誘導推測記事だ。米国議会でも同じで全権委任を求める大統領に議会は不服をあらわにしていて、いまだOKをいわない。それでも安倍は「ワン!」なのだ。
 すでに、日本のコクミンの多くはこの流れに気付いている。
 安倍は犬の頭しかないために、世界の流れがわからない。日銀の黒犬を動かして為替や株を操作することに必死だ。株価が「二万円に達した」とはしゃいでいる。日本プロ野球にギャンブルをつけることで「もっとカネまわりをよくする」つもりだ。
 実質生産を背景にした実質経済をとことん破壊し、ギャンブル経済と詐欺師経済、仮想経済にうつつをぬかしている。第1次第2次産業をあなどり、現実と無縁の数字の動きに嬉々としている。いうまでもなく、これは詐欺師のホラであり、長く続くことなく、崩壊をみる。汗水による実質経済が低下するなかで、「オワライ」のような無生産産業がどう発展しようが、虚飾でしかない。
 宗主国米国が世界中にたかりまくって、それをやってきた。一部の詐欺師がぼろもうけし、米国の愚民がおこぼれを得て、ギャンブルと不労所得を持ちあげ、汗水しての労働を愚弄してきた。それを無批判にあがめ真似してきた安倍らの政治と経済が、根本的に狂っているのは論ずるまでもない。
 マスコミを手中にして演じれば、うまくやっていけると思っているふしもあるが、すでに多くの人びとが事態に危惧を感じてきている。
 世界の未来を見る目がまったくなく、目の前の利益だけをむさぼることに、生涯の生き甲斐をみいだす安倍らの振る舞いが、いま世界中で嫌われ出しているのだ。
 最近の話題では、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の動きだ。
 中国の呼びかけにたいし、世界をぎゅうじって当然だと思いあがっている米国に相談もせず、あるいは警告をされたにもかかわらず、かつての友国、属国がつぎつぎと参加したのだ。
 BRICSのときにはマレーシア機をやったように、AIIBではまず警告を無視したドイツの航空機をフランスの山岳に墜落させた。属国の韓国の裏切りにはアシアナ航空機を危ない目にあわせた。
 この世界の支配者ヅラした米国のあまりにも露骨で横暴なふるまいにたいし、ますます離反の意を固めているのだ。911を境に飛ぶ旅客機には、機長の機能をストップさせ、すべて遠隔で操作をしてしまう機構が組み込まれた。米国がそれを使ってやったことを、口をつぐんでいるが各国の首脳は皆承知なのだ。
 総すかんをくっている米国の戦争屋一派は、ロシアのプーチンと中国の習近平にたいしての暗殺指令まで出している。地球支配層の意を受けて策動しているのは中国に巣食った腐敗集団だ。習政権は今これらの反人民一派の一掃を強力に進めている。戦争屋一派と対立するオバマは、にわかにキューバとの復縁を演じて次期選挙の票を稼ぐつもりだが、戦争屋はそこにつけこんで、キューバの政権の転覆を工作している。
 忠犬安倍の宗主国への貢(みつぎ)や無用なばらまきで、コクミンの生活はかつてない貧窮を迎え、そして日本が公然と憲法に違反して海外侵略(自衛隊という軍隊の海外への進駐)を進めようとしている。小泉から酷くなったさまざまな格差の拡大が、底辺の人びとの未来を奪い、見通しがきかないなかで、社会の治安に深刻な不安を起こしている。
 社民党の福島議員は、安倍は14から18本以上の「戦争法案」を出していると正論を言った。安倍はただちに「一方的表現だ」「発言を削除修正しろ」「戦争関連法案ぐらいにしろ」と要求。福島は拒否した。まさに安倍はニッポンをいま戦争国、侵略国家に変えようとしているのだ。
 この事態が人びとに深刻な問題を投げかけている。素朴にこのままでいいのか、と。宗主国米国が急激に衰退するなか、中国やロシアが中心になった別の勢力地図が形成されてきている。友国が音をたてて離れていく中で、ニッポンは世界で極悪野蛮な米国と二国だけ取り残された状態でいいのか、と。いままでの「あこがれのアメリカ」の夢は何だったのだと。

◆人びとのあるべき姿を安倍は確信的に破壊してきた。安倍の出鱈目を拒否せよ。
 ギャンブル経済と詐欺師政治。これが安倍の理想だ。メディアの広告を見ればいい。時代を反映している。テレビや出版物をうめる広告は、この見苦しい方向のものでいっぱいだ。不労所得、ギャンブル、快楽、詐欺への誘導と、それで被害にあった人びとの「救済」で溢れている。
 3Kではなく9K(「きつい」「汚い」「危険」「休暇が取れない」「規則が厳しい」「化粧がのらない」「薬に頼って生きている」「婚期が遅い」「給料が安い」)というのだそうだが、これを徹底的に嫌う労働に価値があるとされ、それをあおる。当然の結果として、そうした仕事は底辺から抜けられない人が就くことになる。ニホンジンだけでは埋まらず、外国からの労働者に頼ることになる。
 利口といわれるニッポンジンは、親の財産、不動産所得、株等の金融所得、搾取取得という不労所得での生活に価値を求めて走る。政権の政策や法の支援があるので、金持ちには常にカネが寄ってくる。いつの世も資本主義ではそうなのだが、ニッポンの場合は戦後自民党と政治官僚が二人三脚で、おのれらへのてんこ盛り、税金の収奪体制を固めてきた。おのずと支配者(大企業と官僚と為政者サイド)が裕福になる。
 裕福者は財産を盗蓄してそれをぼんぼんの子供に受け渡す。為政者の支配する大学には金持ちだけしか行けなくし、そこを出たものだけが次の為政者や大企業・グローバル企業にありつく。ピケティなど出るまでもなく、格差は広がり、底辺は9Kに就くほかなく、底辺階級の固定化が進むばかりだ。底辺階級からの脱出はほぼできない。
 「子供を大事にする」と実際とは真逆をいっている。子どもの困窮化が深刻になっている。安倍は子供や女性や年金者をどんどん追い詰めているのだ。
 最近原発再稼働を仮停止命令するという判決があった。原発の犯罪性は戦争に次ぐもの。これをまっとうに認めた画期的なものだが、最終的なものではないのが残念だ。庶民人民がこれをはずみにして、原発の本質にどうせまるかに未来はかかっている。原発の巨悪を徹底的に暴かねばならない。
 安倍は原発を再開させる。原発を廃炉にするだけで催促の見込みで40年かかるという。廃炉をだすまでもなく、高放射線にさらされる労働者を常に必要とする。原発が続く限り高い放射線の環境で働く者が求められるのだ。最近は3Kの典型のような原発労働者の人気はない。だが、安倍ら政権は、この放射線被ばくを強要する労働者の供給を、これからも安定的にしていく自信を持っている。
 つまり、ニッポンジンの底辺階級をさらに厳しくすることで、原発労働者にしか就けない状態を、原発が続く限りやりぬくということだ。これが安倍らの偽善的な政治である。
 労働者の実質所得は、アベノミクスの「成果」により、20か月近く連続下落している。賃金は労働の価値では決まらない。単純に為政者が労働者を「生かさず殺さずの線がどのレベルか」「原発に就く労働者の供給を維持するにはどこまで抑えればいいか」で決めているのだ。庶民人民のみかけだけでもあった支配者と交渉する力は、現在ない。力関係でいうゼロなのだ。闘う理論でもその根拠を粉砕されて砕かれ散った状態だからだ。後述するようにいまこそ新たに再構築することだ。
 株価、為替、原油の値の揺れは、全世界の庶民人民の生活を大きく左右する。つまり支配者のギャンブルのスリルに日々振り回されているのだ。ヤツらのゲームのお遊びで、まったく無関係の人民庶民が振り回され、右往左往しなければならないのだ。
 新聞テレビは当然のごとく支配者のゲームの結果である株価、為替、原油の動きを報じる。安倍らはそのギャンブルにNISAなどといって、欲にくらむやつを誘い、ギャンブルに参加させ、さも当事者の一人にさせる。税制の優遇までして騙すが、おおくはようやくため込んだ小銭まで吸い上げられてしまいだ。
 サッカーでさえうまくいっていないのに、今度は野球だという。本気でカジノまでやるきだ。安倍らのニッポン破壊は音をたてて進んでいる。
 TPPで農業をうちのめし、不労所得をあがめる政策で、産業をダメにしてきた。汗水労働を蔑視するかぎり産業の再生などありえない。失業率の改善などありえない。例えいくらオワライや詐欺師産業の就労者が増えたところで、実質の経済は衰退するだけだからだ。
 低所得層の底辺階級を広め、救済広告を打つ。周辺で悪質な詐欺師の躍動の場を提供する。
 為政者がグローバル企業と、軍事産業と、ゼネコンと、薬剤業種と密接につるむ。医療関係などは顕著で、最近その不正が暴露される。医薬品を世界の半数近く日本で消費する。不要な薬で病人を増やす。その得意げなコマーシャルがTVをにぎわす。すべてマッチポンプだ。ニッポンは悪質な医療産業の人体実験場でいいカモだ。
 詐欺師政治とギャンブル経済ときっぱり手を切り、人のため世のために働くことに目を向けさえすれば、未来は無限に広がる。

◆例え「侵略」をどう美名をつけて呼ぼうとも、安倍の戦争法案を認めてはならない
 国家が武装した兵を持つことは、それを「自衛隊」とか名づけようがそれは紛れもない軍隊であり、武力であり、殺害を目的にした機構であることには変わらない。
 その軍隊が他国に出ていくことは「侵略」である。安倍らは姑息にも「国際平和貢献」「国際的な平和協力活動」「人道復興支援」だという表現創作にやっきだ。「侵略」という表現を避け「侵入」「侵攻」とかいってみたり、少しでもその行為に正当性を持たせようとしているのだが、あがけばあがけほど醜い。
 「積極的平和主義」なるものが単純に「戦争する」ことの言い換えで、ことばのまやかしだ。
 前の日本帝国軍の海外への進出はいうまでもなく、侵略そのものだ(と安倍の叔父岸信介すらいっていた)。だが、それを「アジアを先に植民地支配している帝国主義支配を解放するため」「そうした国々から来てくれと求められたため」「駐留していた日本軍が現地の馬賊集団から攻撃されたためやむなく反撃したのだ」「現地と共有した理想の共同体社会を実現するため」「現地で奮闘する日本人の生命と財産を守るため」「日本軍は現地から歓迎されていた」「現地は日本の軍事力の傘下での平和を求めていた」等々の理由づけを必死に展開する。
 だが、全部ただの「侵略」行為の合理化であって、認められることではない。「侵略」であることにいっさいの言い訳は無駄だからだ。
 その武力で圧せられる相手を考えたらわかる。それは騙されて派兵させられた庶民人民自身であり、それをすべてなげうって支えた家族であり、侵入されてきた国の庶民人民だ。物資提供を強要され、その国で徴兵された兵士が殺され、焼かれ、破壊される。殺害と破壊、消費するだけの巨額の浪費。裏では確かに軍需が発生しその関連企業は犠牲に反比例した利益を得る。だが、殺害と破壊を目的にした物資の生産が人類に対する負の清算であって、正の生産ではない。つまり、本来世に存在してはならないもの、巨大な犯罪産業なのだ。
 宗主国米国がここ数十年にわたって世界中でやってきたことをみれば、いっそう明らかであろう。
 戦争で「平和」など守れたのか。ベトナムで使った枯葉剤で今も未来も被害者は苦しんでいる。米国がしかけた中東の騒乱で、平和どころか国主は殺害され、庶民人民の犠牲者が出で、難民があふれ、予想したような混乱が起こっている。キューバはいわれのないテロ国家に指定されて経済封鎖、長期に不当な扱いに庶民人民はさらされてきた。米国民自身一時は世界の憲兵きどりで浮かれはしたが、収奪されて騙されて派兵されてヤク漬けにされて、気づいてみれば疲弊したぼろぼろの状態だ。
 友国と信じていた英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、カナダなど、属国韓国などがつぎつぎと表ではいまだイイ顔をしながらも、AIIBになびいている。つまり米国をみきっているのだ。もう米国の戦争一本やりの破壊行為に嫌気をさしてきているのだ。米国の主導するIMFや世界銀行が、ターゲットにした国を騙して借金地獄に陥れて混乱させいじめたおし、その後に強力な政治条件をつけて金貸しを救済名目でおこない、カイライ化していく。このあまりにもきたない道具としてのIMFと世界銀行の本質がもう誰の目にもわかってしまったのだ。
 ちなみに、米国の衰退を証明する別のニュースがあった。米国のより露骨な行動の号砲となった2001年の911だ。この911についての主犯はいうまでもなく当時表のブッシュ大統領の実質の実権為政者であるチェイニーらネオコンだ。そのチェイニーが911は自分がやったと自白をしているというニュースだ。ブッシュだけでなくチェイニーすらもそうとうなバカものであったこと、このようなバカに世界が踊らされていた自分に世界の「友」国の為政者が、あきれ、とりつくろいができなくなったのである。
 ヒラリー・クリントンが、911の犯人とした「アルカイダはわれわれが作った」と明言している映像の流出も同じだ。
 安倍はそれでもこのネオコンの犯罪者に、コクミンをひきづってついていくのだという。忠犬なのか、それともそうとうな何かの弱みをつかまれているのか。
 これが軍隊と侵略を正当化してきた宗主国米国の犯罪だ。
 そのような犯罪と引き換えに目先の利益をあげることが、どう装飾して語ろうとも、人間として許してはならないことである。公明党がいう「やむを得ない」理由などそこにはカケラもない。
 コクミンの目の前で今安倍が進めている事態の本質がここまで明確であるにもかかわらず、安倍はなぜにまだ笑顔でいられるのか。安倍の「支持率が高い」のはどうしてなのか。

◆安倍と圧政を支えているのは庶民人民自身のなかの気持ちの歪みだ。そこに気づくことが解放の道筋
 民主主義という為政者のだましの最たるものが、悪魔の強制をする選挙だ。公正公明の真逆のもので、圧政の原因を庶民人民に転嫁するものだ。ここで「自民・公明・民主推薦候補」が圧勝する。「わずか」の批判者は、中身がないのに威勢がよさそうな維新と、現為政者がイザとなれば武力クーデターで壊すから絶対に政権にはつけない共産党に「安心」して入れる。
 実に妙な構図だが、選挙を民主主義のツールとしてしっかり信じている人には混迷のかぎりだ。投票率もおのずと下がる。このヘンな事態でほんとにいいのか、と悩むが、解決策が見えない。
 何度でも繰り返すが、ここで訴えたい。現在の出口のない圧政からの解放を思うのであれば、ぜひとも耳を傾けてほしい。
 出口の見えない圧政をささえ、混迷を固定化しているのは、庶民人民の側にも原因があるということだ。もちろん主犯というか圧政をしいている支配者が問題であるのはいうまでもない。だが、ヤツらの犯罪をいくら指摘しても、それだけでは圧政は絶対にくつがえらない。いくら圧政をなげいても、システムはびくともしない。
 被支配者である庶民人民の側の課題を解決しないかぎり、地球支配者の圧政は永遠に続くのだ。ヤツら自身がある日突然に、人間の心をとりもどし、圧政をやめるなどということは永遠にないのだ。
 逆に被支配者である庶民人民の側の課題を解決することで、ヤツらがすべてたちいかなくなり、滅ぶことになるのである。そのときに初めて圧政からの解放が実現できるという構造になっているのである。
 庶民人民が安倍をささえ、圧政の体制をまもっている、ということはどういうことだろう。例えば、家庭では妻と子を愛する夫がいる。その夫が毎日外で働いている。家庭ではあるいは自分に対しては心で、心底愛と平和を求めていながら、ドアを開け外に出ると、別の気持ちの人間になる。会社のドアをくぐると企業戦士になる。
 企業は奉仕団体ではない、利潤追求組織だとして、一円でも多くの利益を出すための機能に組み込まれる。頭はその行為を仕事として実行することにすべてを集中させられる。その行為が自分の生活を守るためのすべてであると理解する。
 ときどき人のため社会で有用なものを提供するためと自分を納得させる。確かに多くの労働はそのようなものではあるが、大企業や公共事業や業種での労働は、冷静に見たときのとほうもない偽善の世界にいることに気づくはずだ。一円でも利益をあげるために、下請けをたたき、原材料を下げ、競合社を騙してでも突き落とし、ニセモノを売ったり、偽造したり、役に立たないものを騙して売ったりする。
 職場でパワハラを日常的におこない(肩書だけで下を見下し、あごで使い、下劣な言葉をあびせ、理不尽な扱いをする)、何次にも重なる下請けを「アウトソーシング」などと称して使いこなしていく。原価や労賃をすらえられない価格で仕事をやらす。やったことが、労務考課として評価され、昇進やボーナスに反映される。「やった」ことが、居酒屋で自慢話となる。
 ブラック企業が増加している。格差の拡大に油を注ぐアベクロ経済のものでの当然の現象だ。善良な夫が、気づけばその加害者の手先にか、被害者になっていないか。
 必要がないのに高く売りつけたり、病院は病人を増やすのに手を貸す。相手がどうなろうと、騙される方が悪い、競争に負けたら自分がやっていけないのだと鞭打つ。グローバル企業では「やらなきゃ国際競争で生き延びていけない」が金科玉条だ。国内企業でも「企業競争に負けたら元も子もない」といい、太刀打ちできない労働組合は全滅状態だ。
 けっきょく、良き夫は外にでて、全力を注いで働いているのだが、為政者と企業の経営理念のいうがままなのである。米国のいうがままの安倍と、良き夫はまった同じなのである。子どものときに元気で理想を語ってきた人の多くが今は「ワン、ワン」言っているというCMは、現実をするどく指摘している。
 ちなみに、このCMを出しているのはヤフー・ソフトバンクだ。ヤフーというのはYahooでヤッホーからきたもの。ヤッホーはユダヤ一神教の神YHWYが元。神は己に似せて人間(被支配者)をつくったというが、人間の平和や幸福などにはまったく関心がなく、凶暴で嫉妬深く、何でも支配管理したがる非人間的な精神構造が、のっとった米国の為政者の精神構造そのものとして観ることができる。それを偽善者にしたのが属国ニッポンの安倍ら。その圧政に苦しむ愚民が現在同じ精神構造に、つまり人間性の破壊、歪みに落とされているのである。
 グローバル企業の一角のヤフー・ソフトバンクが良き夫を犬にし、おもしろおかしく妙なストーリーを展開するが、善良な人民庶民の偽善の本質に迫ることを、さりげなく流して、あざけているのだ。
 一方が「合法的に」他から収奪して利を蓄積する(盗蓄)ことを「格差」などと呼ぶ。巨大な富の略奪を格差などという言葉で表現して、その犯罪を覆い隠している。騙されてはいけない。騙してはいけない。格差とは収奪という犯罪行為なのだ。
 また「ヘイトスピーチ」のように差別し、いじめ、一方を蔑視することが絶えない。男女を差別し、給料で差別し、作業服の色で蔑視し、非正規社員をあなどり、いたるところで差別をする。あげくは、気性が気に食わない、顔が気に食わないということだけで、差別といじめにあうのである。
 この差別というのは、愚民が「差」や「様相の相違」をときたま価値の高低や、正悪と意図的に勘違いすることを、為政者が利用した支配政策なのだ。差別する、した、で庶民人民同士がいがみ合い、憎しみ合い、対立し、為政者に向かって団結したりしないようにするための政策なのである。
 為政者の主要な支配ツールでありながら、理不尽の頂点そのものである戦争や原発とやや違うのは、差別は庶民人民のもっとも身近で日々実行される卑近なツールという点だ。
 愚民は同じ仲間や同僚を、わざと侮り蔑視しいじめることが、ときには快感を伴うような錯覚があって、気を許す仲間同士では特にそのようなじゃれ合いをすることがある。それは互いの信頼の度合いや度量を十分にわきまえたときには、親しみの裏返しで許されるときもあろうが、少しでもそのバランスがくずれるとすざまじい憤怒となる。互いに近いほど憎しみとなり殺人事件にまでなるほど憎悪の感情が高まる。
 為政者はこの庶民の感情や習性を絶やさずに、利用してきたのだ。
 論ずるまでもなく、仲間同士あらそう理由も必要もない。そもそも男も女も、金持ちの家庭も貧乏の家庭も、膚の色も、足の長さや太さも、ハゲも、カアチャンの出べそも、本人が選んでできたものではない。それは状態の違いであって、争ってどうになかなるような性質のものではない。それを為政者のたくらみにのって、ちょっとした加減の操作で血みどろの仲間同士の争いにさせられているのだ。
 被支配者同士のいがみ合いと争いが存在するかぎり、彼らは為政者に向かって団結しない。
 庶民人民は絶対にいがみ合いをしてはならない。庶民人民同士の「差別」などは為政者が意図的にさせているものだ。ヤツらこそ「俺は為政者、お前被支配者」として徹底的な差別を、何千年もやってきた本人なのだ。仲間同士のいざこざの原因に比べて、ヤツらの差別の罪の大きさはけた違いに大きい。ヤツらの差別をこそ問題にするべきなのだ。
 戦争、原発、差別など為政者の放つ支配の言霊の効力は根深い。庶民人民のこころの根底にへばりついている。ヤツらが多少状態を放置しておいても、いったん庶民人民のなかにとりついた「歪み」はほぼ自動的に作動し、たいていが庶民人民内部の対立の自己燃焼によって完結する。絶対に真の為政者のたくらみに矛先が向かうことがない。
 現在コクミンの目の前ですすめられている安倍の政策、ニッポンを戦争国にする動きになぜストップがかかけられないのか、安倍の支持率が下がらないのか、という嘆きの理由も同じだ。庶民人民の日常の生活のなかにその理由があるのだ。
 善良な市民は「戦争おたく」のようなおバカは別にして、基本的に戦争での殺し合い、破壊行為が続くのは好まない。自分が、自分の子供が武器を持ってそれに参加するのも喜ぶものはまずいない。愛する伴侶や子供も平和があっての話だ。
 だが、善良なこの市民が、安倍の戦争推進に正面から反対できずに「やむを得ない」のような、なし崩し的に認めてしまう気持ちになるのはどうしてなのか。長いものにまかれろ、か。
 これこそが安倍を許す、支えている根源なのだ。「子供みたいな平和論で敵がせめて来てからでは遅い」のだ。「国際競争に負けたら元も子もない。これから生きていけない」のだ。という為政者の脅迫的な決めゼリフに反論できなくされているからだ。きちんと考え、人民の立場から論理を組み立てて、反撃する隙を断たれているからだ。断たれているように思い込まされているからだ。
 為政者の政策としての、被支配者に放った言霊であり、マインドコントロールである。庶民人民の「こころの歪み」であり、それに自ら気づかせないことなのだ。
 逆に表現すれば、庶民人民は被支配者として「歪んだこころの状態」を常に持たせられているということだ。こころの歪みが目の前のことを「まっとうに」「普通に」「すなおに」「正常に」受け止めたり、考えて対処したりできないようにさせられているということである。
 人民庶民にその状態を常に持たせ、気づかぬまま生涯を終える。そのようにさせる為政者の最高の手法が、戦争である。戦争を生涯のうちできれば一度以上体験させる。少なくとも百年の間をおかない。本来争う理由のないのに、宗教だ、エネルギーだ、何だといってありもしない憎しみでけしかけ、人民庶民を武装させ、互いに殺戮破壊に参加させるのだ。
 殺戮と破壊の現場には人間性を奪うすべてがある。人間が考えられる理性のすべてを超えた理不尽を体験させる。戦う相手に対する憎悪を究極までたかぶらせる。あるいは正気を失わせる。家族も同僚もコクミンも皆一致して狂気を経験する。自分が死ねば同僚や子が、子が死ねば生まれてくる子が、敵に復讐しようとする。
 この理不尽な狂気の強制こそが為政者の支配の要であり、世界の庶民人民を永遠に愚民としておくことができる技なのだ。家族、郷、国、民族、宗教という枠は為政者が放った多重の監獄の塀である。庶民人民の頭の中に作られた監獄の扉で、そのときどきによって、その単位でどこか相手と対立をさせられるのだ。
 この構造を理解したならば、世界を支配してきた連中が世界史でやってきたことの本質が見えてくるはずだ。末端の手先になって戦争をあおっている安倍のあわれな役割も解るはずだ。庶民人民が、圧政に嘆いているばかりでは、何の解決にもならないことも解るだろう。
 良き夫(あるいは妻、いや善良な庶民人民の皆)は、自らのなかの問題点をここで振り返って見つめ直してみる必要があるということだ。善良な庶民人民であるのはいい。しかし偽善であってはならない。つまり、内ではよき夫でも外に出たらパワハラをしていないか。為政者と企業の論理の遂行の最前線でヤツらの手先を演じていないか。多くの善良な市民が、実際には本人が気づかぬまま、良かれと思い、あるいはやむなしとして、日々為政者の先兵になり、為政者の地固めに力を貸しているのだ。
 善良な市民の偽善とは、一方では善良でも他方で道を誤っているということだ。といっても、それはすっきりわからないかもしれない。パソコンに密かに忍ばされたバックドア、情報を流出させるウイルスソフトがある。重要なIDやパスワードばかりかPC内の重要なファイルを所有者が知らない間に、他人が抜き取るのだ。これと同じように、庶民人民の頭のなかに、為政者から「心の歪み」というソフトウエアを配置させられているのだ。それを見破り、無効にするアンチ・ウイルスがあると思えばいい。
 それは、下記の5つの人間としてごくあたりまえのことを意識的に考えることである。この5つのことを基準にして、ものごとを見ることである。偽善とはいくつかを実行しても、意識的あるいは無意識に一つあるいはいくつかを無視することをいう。
  ①ひとを不愉快にさせたり、迷惑をかけないこと。
  ②カネの盲者、欲の盲者にならないこと。
  ③子孫に負荷をかけない、未来にツケをまわさないこと。
  ④戦争の禍根を解き放つこと、他国へのよけいなお節介をしないこと。
  ⑤人間の尊厳をもって生活できるようにすることへの貢献。
 何千年も世界を支配してきたヤツらの支配のカラクリのネタはこれだけなのかと、ここでがっくり感じることもあるかも知れない。この5つのことをすべて抑えて自分の生活に貫くというのは、容易なことではない。いいこと(やって普通)なら、だまって実行する。別に宗教でもないし、当然のことだけだから、どうどうとどこでも話題にできることであり、秘密保護法の網にもかけられない。
 この5つの個々に反することは、逆に明らかな犯罪であることも自覚しなければならない。ここでは世界を支配するヤツらやその手先を極悪犯罪人と、繰り返し呼んでいるが、まさに彼らのなすことは人道でもあるこの5点に、すべて反しているからだ。
 ヤツらが目の前で堂々となしている犯罪を、徹底的にあばくこと。そして自分の中に巣食うヤツらが放った言霊を、人民庶民側の方法で無効にしていくことである。ヤツらは人民庶民の巣食うひとにぎりの寄生虫であり、人間的な精神を理解できないという致命的な欠点を持っている。
 宿主が寄生を拒否したらヤツらは自分で生きていく能力がないだけに、生存できないのだ。ヤツらに騙される連中に頼って存在しているのだ。その騙される連中が自分であってはならないし、仲間にいたら許してはならない。それはヤツらの目の前の圧政のひとつひとつを暴き、庶民人民に巣食うウイルスを駆除することである。それが庶民人民の側のヤツらとの闘いの核心だ。