記・国民B(2014.7.27)
■BRICS銀行の開始の衝撃~世界を一極支配するヤツらのもくろみが次つぎと崩れていっている

◆ウクライナでのマレーシア航空機の撃墜をめぐる卑劣
 よくもここまで連日世界を巻き込むニュースを作るのか。世界支配を完成するのを急ぐヤツらの仕業(しわざ)である。戦争勃発の危機が本格的にささやかれ ている。
 ①イスラエル地上軍によるガザ侵攻でのパレスチナ人虐殺と領土略奪、②BRICS(ブリックス)の合意と中国のアルゼンチン国家危機支援、③ロシアで地 下鉄テロ、④マレーシア航空の撃墜、⑤安倍の川内原発再開への動き、⑥ゴスプレイの都心飛来、⑦ベネッセの1億数千万人の個人情報流出、⑧東京市場取引単 位を10銭に、⑨原発汚染水タンク、原発汚染水漏れ、核汚染廃棄物除去移送での高濃度放射能ばらまき、⑩青森平川市議会選挙違反議員多数逮捕で議会が開け ない、⑪中国から腐れ加工肉輸入…といったニュース。他に韓国地下鉄衝突事故、台湾旅客機墜落、アルジェリア航空喪失事件、日本での奇怪な連続事件とか掃 いて捨てるほどの大ニュースが流れる。一つ一つが重大事件で、深く追求する間もなく新たな事件が重なっていて、わけがわからなくなっている。このような事 故の連続によって、多くの庶民人民が正常でない感覚に陥っているときには、背後でヤツらがとんでもないことを仕組み、うごめいているのは歴史の常だ。
 まず、ウクライナのマレーシア機撃墜事件をみてみよう。
 結論は明確である。BRICS※で、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国に代表される反米勢力が明確な行動を開始したこと。これが一極 世界支配を進めてきた国際金融資本勢力が敗北と衰退への歴史的なターニング・ポイントを意味し、それに反発してその中心的な役割を果たしたロシア=プーチ ンをおとしめる犯罪的な事件を起こした、ということである。
 BRICSがその会議を終えたときに、まずモスクワで地下鉄テロをやった。ロシアは公共安全において危険な国であることを印象付けるために、準備してい たとおりに事故を起こしたものだ。単なる事故ではない。
 そしてその会議からプーチンが帰国するときに使った似た航路、そのわずか40分後のマレーシア機の撃墜が起こった。当然だが、米国、ロシアともにすべて の航空機の動きをリアル・タイムでモニタしているために、すべての真実を知っている。ウクライナの空軍機2機が近くまで飛来し、ミサイルで撃墜したのだ。
 1万メートル上空の航空機を撃ち落とせるミサイルは、かつてソ連領だったウクライナに多数あり、いまもろに米国の手先のようなウクライナ大統領に欧米か らガンガンと同様な兵器を送り込んでいる。米国は、事件直後に親ソ派がやったという状況証拠なるものを発表したのだが、「ロシア軍人との会話」とか「ミサ イルの移動映像」は事故前に用意されたものであることが暴露されている。事前に作った偽の証拠があるということは、マレーシア航空機事件が主敵であるヤツ があらかじめ計画した謀略であることを意味する。
 墜落現場から回収したブラックボックスはウクライナ政府ではなくマレーシア政府に渡され、遺体はオランダに送られた。米国とウクライナは自分達の手の内 でそれらを「調査」し「ロシア関与」の証拠にしようと必死だったが、それができなかったのを悔しがっている。現場の親ソはの「ずさんな調査」国際調査団を 拒否する「非道」を報じるばかりだ。
 地上から「対空ミサイルで撃ち落とした」「対空ミサイルはロシアから親ソ派に供与したもの」というのが米国の猛烈な全世界へのプロパガンダだ。だが「疑 いはあるが確定的な証拠はない」と小さな声で添えている。NHKや日本のマスコミは、いうまでもないことだが「ロシアが後ろだてして親ソ派がミサイルで やった」「プーチンは追い詰められている」「ロシア制裁は強化されている」というキャンペーン一色だ。
 米国の反ロシアプロパガンダ、キャンペーンは限りなく真実をねじまげ、ロシアを事件の主犯にし、徹底的にプーチンをおとしめることである。911でやっ たこと、イラク侵攻でやったことを、しょうこりもなく繰り返しているのだ。証拠をねつ造してまで相手をおとしめ、事件の主犯であるかのごとく、キャンペー ンを展開する。ビン・ラディンは911の主犯であったのか、イラクに大量破壊兵器はあったのか。ヤツらがこのことから関心が薄くなったときに、小さな声で 「主犯である証拠はない」「大量破壊兵器はなかった」といった。このような流れを真に受けたら、いっさいの真実はもう見えない。※
 ウクライナの内政は内戦状態であって米国かいらいの大統領府は自国の軍の統制もできていないのが現実だ。同様に、日米らが「親ロ派」と呼ぶウクライナ内 部の武装グループがロシアの統制で動いているわけでもない。
 こうした不安定なグループに米国のスパイが多数侵入していて暗躍している。いずれのグループをも一元的に動かし、対立させ、こうしたテロを実行させてい るのは、まさに主敵である国際金融資本である。ヤツらがウクライナの政府に反発している軍の一部をそそのかして、マレーシア機を撃ち落として、反ロシア キャンペーン展開に利用したのである。
 米日の反ロシアプロパガンダをみていると、ふとホントかなと思うように巧妙にやっているが、新ロシア派のグループがこうした犯罪的なテロをやって何も得 るものはない。それどころか世界を敵に回すのがおちだ。
 「プーチン暗殺をくわだてたのだが、飛行機を誤認した」という見方もあるが、これは新ロ派どころか、ウクライナの軍の一派ならCIAのスパイにそそのか されてやる可能性があるが、公然とロシアに戦争を仕掛けるレベルの行為で、危険の度合いの釣合いがとれない。現時点では説得力が無い。
 ところが、国際金融資本のヤツらには反ロシア反プーチンの情報戦を展開し、BRICSを世界の目から隠し、それを実現させたプーチンをおとしめるという 明確な動機を持つ。
 さて、マレーシア航空のボーイング777の消失事件がついこのあいだにあったばかりなのに、またもや同じ旅客機が犠牲になったことにも注目する必要があ る。このような悲劇は自然には起こらないだろう。悪魔のようなヤツらだからこそできるのだ。
 マレーシアの元首相であるマハテールは911についても、米国の弱国へのたかりにしても、TPPによる金融資本の国家支配、先のマレーシア機消失につい ても、鋭い指摘を続けているのだ。ヤツらは真実を突かれているだけに憎悪の対象にしているのである。マハテールは確信をずばりと発言するだけに、許せない のである。これ以上歯向かうことを続ければもっといじめたおすぞという強迫なのである。
 今回撃墜された航空機が「先に喪失した飛行機で、犠牲者は搭乗者リストのものではない」との指摘をするものもいるが、現時点では断定できないので論じな い。
 BRICSについては新聞では「たいして影響がない」とわずかのスペースで報じただけだ。この会議が終わった直後にグーグルで検索したら日本語でも英語 でも多数のヒットがあった。それが、現時点ではほんのわずかしか、それも新しいニュースはすべて出てこない。BRICSが知られないように、一気に検索か らはずしたのだ。北朝鮮や中国の同様のやり口をニュースにしてあなどることがあるが、米国や日本でも徹底的に絶妙にやっているのだ。
 そのBRICSだが、いま目の前で国際金融機関の餌食になって瀕死の状態にあるアルゼンチンにたいして、中国がおよそ1兆円の支援の行動をとった。これ ひとつとってみても、一極国際金融資本のやり口が崩壊し出していることがわかる。どれほど、致命的な障害物の登場であるかがわかる。※
 世界を一手に牛耳ってきた犯罪人集団は、絶対に返せない借金地獄におとしいれ、国家財政破綻(デフォルト)させ、最後はIMFや世界銀行らを通じて完全 支配下に置くという、見え透いたやり口がBRICSに邪魔されて通じなくなるのだ。それが今目の前で展開されているのだ。こんな無様(ぶざま)な事態を世 界にさらしたくないのだ。世界の目をそこに向けないために、巨大な事件を自ら引き起こして、そらさせるのだ。
 2001年の911を再び起こしたのが今回のマレーシア航空撃墜劇なのである。
 日本の安倍暗黒政権は、狂信的な同じヤツらの命じられるまま、中国との紛争の拡大にやっきになっている。庶民・人民は絶対に戦争のプロパガンダを信じて はならない。戦争が勃発するのに協力してはならない。敵はむしろ、目の前のカイライ安倍だ。彼のもくろみの暴露だ。だれも安倍のいうことを聞かないこと だ。
 8月になると毎年「戦争の悲惨さ」をテーマにしたことが語られる。それはいいことだ。どれを見ても、戦争を礼賛しなければならないような結論はでてこな い。
※日本人がマスコミを信頼する度合いは世界一であるのにたいし、世界的にみたら日本のマスコミが報じていることがどれほど信頼性あるあるいは全体として真 実が報じられている度合いはというと、大変信頼度が低くて有名だ。各国で報じられていることを意図なく冷静に事実を見比べして判断することが求められてい る。
※アルゼンチンは7月の初旬に、先の2回の全面広告についで3回目2面通しの悲痛な訴えをした。7月末までの猶予期間切れが目前。後日あらためて論じた い。

※ブリックスBRICS(Brazil, Rossia, India, China,  South Africa)。BBRICSの出動は、国際金融資本のIMFと世界銀行の一元支配にクサビ打ち込むことで、ドル基軸通貨の終焉、 米国の財政破産、ドル取引縮小を意味する。

◆ベネッセからの個人情報1億余件の流出事件が語るもの
 ベネッセから流出した個人情報は約2260万件だが、のべ1億余件であると報じられた。この報道のなかでいわゆる名簿業者がうきぼりになり、その実態に せまるべくある報道機関の記者がその業者に、貴社自身の情報を数万円払って得てみたというのがあった。そこには住民基本台帳からのデータがあって、しっか り自分の個人情報が握られているという実態を報じていた。
 ニホンのお上は個人情報保護法だとか、秘密保護法だとかを作るのに、異様にやっきになっている一方で、コクミンの情報などとっくに、すっかりと名簿業者 にあり、それが必要とされている企業や金融機関や裏闇組織に利用されているのが実態であることを明らかにした事件だ。
 何かちょっとしたことでも、先に影響をもつものだというときは、こうした公然・非公然の機関にカネを払って問い合わせれば、すっかり詳しい相手の状態が わかり、それを事前に得てからの契約ということが進んでいるのである。相手の「信用」を判断する手法としてすでに確立されているのだ。
 情報はカネかもしれない。情報は支配するものにとって「独占」しておきたいものだったのだが、時代はすでにこうしてヤツらだけの独占物ではなくなってい るのだ。
 ベネッセの件では2000余万件ということ自身も驚きだが、「のべ」1億余件だという。たかがこの1社でこうだから、大手企業の数社で簡単に、日本人な ど全部の詳細な実態を握っているということがわかる。
 逆に、時代はすでに「個人情報の秘密」などなくなっているのである。知らないのはパンピー・愚民だけだということになる。
 スノーデンが米NSAのトップ秘密事項を幅広く暴露した。それは現場の担当者として関与し知り得た国家機密、ヤツらが卑劣な不正行為の数々で取得した、 隠し切りたいものであった。人民を支配する連中が、人民に隠してやっている行動が白日の下にさらされた。ヤツらが国家を通じて行っている支配の手法、人民 から収奪したカネで、人民に圧政をしくためにやっている。
 スノーデンのことも、ベネッセのことも、ここで知るべきは、情報の独占はヤツらの独占がもはやできなくなってきたという時代の趨勢である。この流れを勢 いづけなければならない。支配者がやっている行為のすべてを、どんどん明らかにする。すなわち人民に圧政を強いているヤツらの目的と手法、その実現のため に加担している犯罪者の一つ一つを白日にさらすことだ。圧政者が一番恐れているのは、まさにこのことだろう。
 敵は確かに強大であるが、敵の秘密のベールに小さくても穴をあけ、少しずつでもはがしていくことが、ヤツらを追い詰める点で計り知れない力であると確信 する。

◆中国からの加工食品輸入事件の犯罪の目のつけどこを変えろ
 米国資本の在中国の輸出食糧加工工場の日本マグドナルドやファミリーマート向けの材料がきわめて悪質な管理で製造されていたということが、報じられて驚 かした。輸出を中止したとのことだが、これとてあの統制下にある中国のメディアが報じたものだ。
 米国資本である企業を暴いて、米国への批判を喚起したいという意図があったためという意見もあったが、逆に結果は中国への批判が世界から集まった。こう なることを予想もできなかったというのだろうか。
 予想していようが、いまいが、反人民というか人民の利益に反する行為は犯罪であり、それを覆い隠しとおすということは、当然だれがやろうが許されない。 米国だろうが、中国だろうが、人民の管理する工場だろうが同じである。暴露する動機が例え何であれ、反人民の行為は暴かれ追及される。
 日本のマスコミはセンセーショナルに、さも中国がけしからん、と誘導したいようだが、違う。人民への不利益をする行為を犯罪として告発するべきなのだ。
 ギョーザ事件というのがつい先にあった。同じだ。普通に予想される事件であり、必然的に起こりうる事件なのだ。原点に帰れ。そもそも、食料とエネルギー は輸入・輸出など原則的にするべきではないのだ。世界金融資本のなりはてのグローバリズムという、一円でも多くの利益を得るために必然的起こったことだ。
 中国が日本を敵国と任じ子供のころから反日教育で憎しみを教え込んでいることは周知だろう。このようなことを導いたのは、日本軍国主義による他国への侵 略行為だ。そのように教え込まれた工場の従業員が、いくらやってはならなことと規制があっても、すきあらば起こり得る。他国のにっくき敵が食らうものな ど、これを食って腹でも壊せばいい気味だ、と思っても不思議はない。
 正しく組織された人民の自覚が教育されていない。形だけ日米方式の合理主義ができていけば、それがおこらない、などというのはあり得ない。もっとも大事 な人民意識ができていないのだから。
 人の生命のもとである食糧が、遠方から輸入するようになったのは、グローバリズムの最悪の現象だ。遠方から持ってくるには、防腐剤をはじめ冷凍とかさま ざまな「毒素」を用いることになる。そのようにしてまでわざわざ毒を口にする必要は本来的にない。それを当然の如くにしてしまったのは、食品の原価だ。ほ んらい、比べてはならない原価を追及して、原価の安い労働力の地域から輸入するようになったのだ。
 他国に本来の意味での労働など提供していない。奴隷のようにより安いものを作らせ、収奪し、疲弊させ、毒素を入れる犯罪にまきこみ、トラブルの要因を 作っているだけだ。日本の食糧生産を破壊するのではなく、日本にこそ労働を生ませ、広め、安全な安定的な食料を作るのが、極く当たり前なのである。
 「一円でも利益をえるため」というグローバリズムの強欲な犯罪性が生んだ必然の結果だ。グルメなどといって、地元で食えないおいしいものがあるというな ら、輸入など考えずに、思ったものが現地に行って食らってきたらいいだけだ。あさましく儲けようなどとするな。「世界のおいしいものを、珍しいものを、安 く手軽に食べられるようにしたい」などという宣伝文句を作ったのは、やってはならないことに手を出した強欲なグローバリストだ。
 「一円でも利益をえるため」には、日本の食糧生産を破壊しなければならない。ヤツらはにはそうでなければ日本に食糧輸出の需要を作れない。食物は遺伝子 操作でつくった大豆をはじめ自然の食品でない異常な工業製品、農薬漬けのを日本に送り込んでいる。牛肉、鶏肉、豚肉などももちろん自然の動物ではない。ま ずエサが人間が口にすればたちまち死に至るような、ホルモン漬けとか友食いの肉片、残飯で、運動をさせずにフォアグラのような病気100%の工場動物を短 期間に育てたもの。それに限界ギリギリの量の防腐剤、着色剤等をまぜこんだものなのだ。
 これらを「うまい、おいしい、やすい、かんたん、いつでも手に入る」と偽って、美しいパッケージでくるんで店に出している。材料は日本で二次、三次に加 工して日本人の口に入る。
 このような社会になってから、急激に日本人(世界中どこでも)は、厄介なかつてなかった妙で不可解な病気が増えた。原因は明らか過ぎるのだが、一部でマ スコミが報じる以外に、絶対に真実が明かされることがないのだ。すべてを握っているヤツらが国と官僚とマスコミを支配しているからである。
 餃子事件や食料加工品輸入事件は、グローバリズム犯罪の今日の姿そのものであり、グローバリズムを排する以外に解決はない。
 TPPの犯罪の構造は、グローバリズムを国と国との条約で固定化し、グローバリスト企業が国家にも命令で従属させるというものである。このような大規模 な犯罪を、さもやむをえないことのように礼賛する政治家や評論家、マスコミが言動がいかに間違いであり、人民の生命と利益に反するものであるかがわかると いうものである。

◆水野和夫著「資本主義の終焉と歴史の危機」、田中聡著「陰謀論の正体!」が示すもの
 国民Bは最近に2冊の新書本を読んだ。水野和夫著「資本主義の終焉と歴史の危機」(集英社新書)、田中聡著「陰謀論の正体!」(幻冬舎新書)だ。
 前者は世界を支配している資本主義の現代を論じている。資本主義は始まり現在までにどうダイナミックに動いてきたか、その動向の動機がそのときどきどう 指向してきたかを、読みやすく描き出している。
 現在が金融資本によって支配され、それが国家の上に立っていること。いきついたグローバリズムももう触手を伸ばせる場がない、食いつぶしてきたこと。い わば寄生虫が宿主をまで食いつくし、いま死のふちにあるのだということ。次の経済構造というパラダイムに移行する変換点がいまだ。まさにこのとおりであ る。
 当然だが著者は、現実を詳細に描き出しながらも、人民圧政の解放という視点は描写できない。圧政の原因を資本主義の、主義の指向としては表現しても、具 体的な実態あるものとしてはとらえない。つかみどころのない集団思考としてだ。だが、現実には確かに指示して命令し指示をくだしているものがいる。現実に 金融資本、グローバリズム企業はそうして活動している。カイライ政権は命じられて策動している。そこから目に見えた人民への圧政が展開されているのだ。
 ここをあいまいにする、すなわち人民の主敵を隠している。
 同様に、獰猛なグローバリズムは自己破滅する。その際にバーンと破裂し世界中の庶民人民に計り知れない犠牲を強いる。これをハード・ランディングと呼ぶ なら、著者は「ソフト・ランディング」させたいという。緩やかに犠牲を最小限にして「ビジョンは描けないが来たるべき次の経済制度」に移行したいというの だ。
 後者は、政治や社会に現れる動きを、冷静に見つめ、背景を追求していくと、著者は否定したい「陰謀論」にいってしまう。逆に陰謀論を否定できないものが あるのでは、という視点をみせている。
 だが、ここでも陰謀論は陰謀論としてしか論じられていない。それは陰謀をめぐらし、日々その策謀を実行しているのは、主敵である世界金融資本のヤツらで ある、騙され犠牲になっているのは人民だ。そうした陰謀による人民支配にとどめをささなければならないという、目的、方向があいまいなままの論議になって いる。