記・国民B(2014.4.11)
■WindowXPサポート終了にみるヤツらのあまりにも理不尽なやり口

 世界の人民の敵の一角であるグローバル企業のIT分野代表のMS帝国が(MS)はPCのOSであるWindowsXPに対するサポートを終了し た。同時にIE6/8、Office2003のサポートも終了した。マスコミはMSのやむを得ない措置であることを報じた。
 MSはXPを継続使用する際はリスク軽減策として「すべてのセキュリティ更新プログラムの適用」「セキュリティ製品の定義ファイル延長サービスの適用」 「インターネットからの切断」「USBメモリなどの利用の停止」をいっている。
 ATM機では数百万台がXPで残るとのことだ。Windows8への移行を強要している。ウイルスへの感染度はWin8の21倍だと脅迫する。国内だけ でも600万台がXPのまま残る。全世界的にみたら数千万台取り残されるのだ。PCの普及と比例して情報の漏えいが広がり、詐欺師の前に人びとは丸裸にさ れてきたのだが、この事態を迎えていっそう広がり、その責任をMSがユーザーに全面的に転嫁することになるのだ。
 PCがここ数十年爆発的に全世界に広まった。結果的に仕事の効率を格段にあげることが可能になった。特にインターネットが普及したこのから仕事と生活の 様相を一変させた。このスタートに大きく貢献したのはMSであり、その会長B.ゲーツだ。初期はMS-BASICからMS-DOSを開発しそれまでコン ピュータは大型で一般には手が届かなかったものを、大衆の手元に届くまでにした。当時ZEROXが開発したマウスでPCを操作するという使い方を Appleが真似てMacに、さらにこれをMSが真似てWinとした。このまねっこについては複雑な裁判となったことがある。
 PCは電源も電磁波にも弱いところがあったりしたが、ソフトウエアは開発ツールと手法を公開することで、全世界的に広まった。動作を信頼するかしない か、脆弱の犠牲になるかどうかということはあくまで使用者にゆだねられたのである。だが一方でこの軽さが高品質の競争をもつくりだした。いま世界中で使い 続けられ、いい評価がついたものがそう言える。
 もちろんその逆もある。詐欺師天国をつくったのもそれだ。高度な技術を使って、ウイルス、フィッシング、情報取得、犯罪への誘導といったあらゆる悪質卑 劣なツールとしてもつかわれることになった。
 PCの世界でTRONというOSを日本人が作ったが、初期に同じ日本開発のJUSTSYSがそうだったように軽くMS帝国から締め付けと除外の策動に あってつぶされたりもした。
 WindowsOSで完成をみたのはXPである。それに応じたOffice2003とIE5/6である。このときまでのPCを支える技術の発展方向は比 較的まっとうであった。例えば表計算のExcelのデータ処理能力(計算と表示の速度)は驚くべきものである。ちょうどNet検索においてキーを入れた直 後に瞬時に全世界にちらばるコンテンツから検索結果を表示する技術と同様、まさに驚異的と言っていい。(このIT技術は世界を牛耳る権力者の手中にあっ て、全世界の情報を集中的にリアルタイムで掌握しているエシュロンのものでもある。億のオーダーのターゲットのあらゆる個人情報を常時管理しているのだ)
 サポート終了を迎えてもいまなお世界中で数千万台のXPが残るのは、その時代に開発されたものが優秀で安定していたからである。この時期に開発されたソ フト群の質はいまでの十分な信頼を得て動いているからだ。
 それが、帝国をあやつる連中にとってはその後不都合になっていった。ヤツらの意図するのは「今日より明日1円でも多く」という人民収奪の永遠の拡大方向 に反するようになったからだ。思うように売り上げが伸びなくなった。そこでヤツらがとった策は「長くても1~2年で使えなくし、買い替えるしかない状態に する」ことである。そのために便利さを表にしてインターネットを隅々までひろげ、PCはネットにつながっていなければPCでないようにしてきたのだ。
 まずやったことは、全世界のPCに対する遠隔操作を自由にできるようにOSに仕組んだことである。不具合と称するバグ状態の未完成品でもまず売りつけ て、ユーザーにバグを発見してもらうこともできる。それをUpdateと称してPCに送りつけるようにした。古歩道が暴露しているようにつぎつぎにウイル スを作っては送りつけ、それを駆除する、防止するという名目でUpdateモジュールをガンガンPCに送り込むのだ。
 「外から悪意のあるソフトの侵入を阻止する」などというのは、帝国のヤツらが自分でその道をこうした必要があって作りだしたのだ。道を閉じるどころかい つでも、自由にPCに侵入でき、PCを遠隔操作できるようにしたのだ。
 カネの亡者はUpdate作戦を有償ですることを軌道にのせた。MS帝国はXPの後継としてVistaを、Office2007を出した。これは全世界 から猛烈なブーイングを受けたのだが、ユーザーは非力であがなえないのをいいことに、その後7だ8だと、愚劣な作戦をつぎつぎと展開していったのだ。
 Office2007ではユーザーインターフェイスを全面変更して、業界では常識である古い使い勝手のモードを残すことをやらなかったのだ。新たに使い 始めた人はまだしも、以前から使い慣れていたWord/Excelユーザーはそのあきれるばかりの使いにくいリボンなどというインターフェイスによって、 どれほど仕事の能率を下げられたか計り知れない。開発者がユーザーを知らないというだけではなく、これはヤツらの基本的な性分になっている愉快犯からもき ているものだ。
 ヤツらが自らの卑しい根性を「ビジネスチャンスを作り出す、活かす」という美名で表現する。ユーザーに犠牲を強い、踏み台にして、ビジネスチャンスを広 げたのだ。使いにくく、分からなく、さも専門家しか手が出せないような領域を拡大し、そこにうぞうむぞうの詐欺師が暗躍する場をつくってあげたのだ。PC をソフトを使い続けるには、ユーザーは多くの無駄な時間をとられ、無用の理不尽な出費を強いられ、収奪の構造がいっそう深化したのである。
 Windowsの現在のバージョンである8に到っては、愚劣の頂点を飾るものだ。使いにくさという点では大変な退化をとげたものである。TRONが成長 しておれば…どれほど人類に多くの貢献をしたか計り知れない。
 ソフトウエア開発環境についても基本的に同じだ。先に触れた「瞬時に処理する驚異的な技術」は帝国が独占している。世界の多くの優れた技術者であって も、ヤツらから公開され、漏れた技術に甘んじている。MS帝国は.NETという遠回りで妙な開発環境をほめあげながら拡販している。世界の開発者から真実 への目を反らせている。この世界までビジネスチャンスという詐欺師天国が完成している。
 XPのことに話題をもどすが、多くの企業、特に中小企業は大打撃を受けている。買い替えなど簡単にできないのだ。官庁はまだいい。税金をあてるので身が 痛まない。買い替えはマシン、OSにとどまらない。アプリケーションソフトが新しいOSでは動かなのが多いのだ。大変な支出の強要である。現在たいした支 障もなく動いていて操作も慣れていたのが、仮に買い替えてもその交換の手間と、操作に慣れるまでの膨大な非生産的な時間をつぶされるのだ。
 MS帝国を先頭にするヤツらは、サポート中止の予告を前からしてきた。そして、XPマシンに対して連日猛烈なUpdateモジュールの送付を行ってき た。XPの初期のPCでCPUが遅くまたメモリもあまり多くないマシンであれば、ヘタすると朝に原電をいれてからUpdateが完了してまともに作動する まで数時間を要するということまででていた。
 かつて中型コンピュータの話で、4000万のマシンとまった同じような2000万のマシンがあって、2000万マシンを導入。あまりにも速度が遅いので 後日能率を考えて型あげした。そのときに、メーカーからきたエンジニアは2000万マシンから1枚のボードを外しただけだったという。つまり、遅延をさせ るボードを差し込んでわざわざ遅くしていたのだ。
 つまり連日送りつけられる膨大な量のUpdateモジュールによって、購入時のOSやアプリケーションの姿は大きく変容しているはずだ。遅く思い動きに なるばかりか、知らぬ間にどんな悪い動作をするものになっているか分かったものではない。Updateの詳細説明などというものが用意されているが、その とおりであるかなど一般には確かめようもないし、ほとんどのユーザーはみてもいないという。
 XPユーザーが実感しているのは、サポートの中止日が近づくにつれて、事実上使い続けるには苦痛なほど使えなさが増してきたのである。最後の決め台詞が 「使い続けるならネットを切ってウイルス侵入から守れ」だ。だが、快適に動いていた時には戻れないのだ。みごとに上げておきながら、梯子をはずしたのだ。
 ここまで書いたときにNHKニュースは「ネットで送金決済をするときの暗号化ソフト重大な欠陥があった」と報じた。簡単にCardのIDやパスワード等 の情報の横取りが可能なレベルだというのだ。しかもその痕跡を残さずにだという。XPをまだ使っているものだけではない。おいおいである。さまざまな取引 でXPマシンが多く使われている上にこの話題だ。ATMマシンでも日本だけで数十万台がまだ稼働しているのだ。重大な情報がヤツらにだけでなく小賢しい一 般のハッカーにまで漏れそれが、市中の詐欺師に売買されるのだ。これを作ったものが意図的かどうかは別に、OSに大きな穴を用意したMSらに罪はないわけ がない。
 泣くのは一般ユーザーのみである。基本的にユーザーに手立てはなく、防御するというのであればネットやPCの世界に近づかないようにするしかない。だ が、それは普通に生活するのであればそうとう困難である。PCだけでなく携帯という魅力的なおもちゃがまた身近にあるからだ。
 ユーザーをアリンコとみさげ、苦しむのを意に反さないというヤツらだが、カネの亡者という本性からヨーロッパではイギリスとオランダの政府からの突き上 げに屈している。イギリス政府は555万ポンド(約9億6000万円)、オランダ政府も数百万ユーロを支払うということで、XPのサポート延長契約に応じ ている。消費税は強引にあげて人民からの収奪をしておきながら、大企業減税をやりぬく某国某政権と根性の腐り度が同じであることだ。
 MSは会見をして言い訳に必死だが、ここに卑劣でユーザーをなんなく見捨てるMS帝国の姿をみる。このような連中にはいつか必ず鉄拳がとぶし、ろくな死 に方をしないに違いない。