記・国民B(2013.10.1)
■主に911と311とTPP

◆はじめに
 国民B は毎朝新聞を読むのだが、ざっと見出しをみる。興味があると記事に目を通す。感じることは世界中で、毎日民衆が苦しめられているとい うことだ。異常気象、放射能汚染水洩れ、戦争、飢え、テロ、遺伝子組み換え、国家破産危機、消費税値上げ、年金値下げ、物価上昇、株価・為替変動、情報漏 えい、振込詐欺被害…。一方でスポーツは劇場、TVでのバカ騒ぎ。どう欲目でみても、平和ではない。自由はない。夢と希望がみえない。余裕がない。ストレ スが蓄積している。なにか恐ろしい事態が進行しているのではないかと思う。
 かねがね、911を境にして世界情勢のステージは変わったと感じていた。何がどう変わったのかということは一言で言うには難しい。だが、新聞TVでの ニュースを見ているとそこには驚くべき事実が連日流れているのだということだ。右左に流れる見出しや記事の中に、以前では考えられないことが今進行してい るということである。
 表現を変えれば、かつては支配者が実現しようと企てているというものであった。なかなか実行には移せないが、たくらみをしている段階。それが、911以 降は連日実行している段階に変わったのである。もちろん以前でも支配者は人民の支配を実行してきた。だが、現在は毎日が、考える隙も与えずに、つぎつぎと 圧政を実行に移してきているのだ。いわば、支配者の陰謀だったことを公然といま実行中なのである。
 新聞紙面には公然たる陰謀の実行がでているといってもいい。その代表的なものが、米国によるシリアせん滅計画であり、TPPの動向であり、福島原発被害 であり、日本国軍の地球裏への派遣の動き、税金値上げと福祉の切り捨て問題である。
 だた、こうしたことを公言してもおそらく誰も耳をかさないであろう。新聞TVをみてそら恐ろしい事態の深化をリアルタイムで感じることなど無理だから だ。多くの基礎的な知識をもとに観点の変換をしないと理解するのは難しいからだ。よくあるのは「陰謀論」として排除するものである。別にそれでいい。現在 の支配者こそが陰謀をめぐらし、その陰謀をいま実行しているので、やがて感じる人はどちらが陰謀かは解ってしまう。陰謀はご都合主義で理論的に根拠がない ので、説得力がないといわれる。それでいいのだ。幸いに、インターネットの時代なので、ここにメモしたような個々のことについては、ほとんど無数に主張し ている者がいることが分かる。陰謀はそんなに多くの人が感じて信じるものなのか。このメモでは個々の事実をさらに大きくくくることを目指している。
 「陰謀論」だとかよりも、実際のヤツらによる圧政をこのままのさばらせていていいのか、ということだ。まずいというのであれば、きっと解かるときがく る。
 現在は、危機を感じていて、圧政を許さないと感じるものが、静かに、慎重に、機会あるところで気付かせる努力をする、そのような時代である。
 慎重というのは、支配者からの弾圧を最小限にしながら、闘いの灯を守りながら、やがて最終的に勝たねばならないからである。けっして支配者の弾圧を過小 にみてはならない。これは闘いの歴史からの忘れてはならない教訓でもあるからだ。
 ここ数日間のあいだの出来事を、下記はメモにしたもの。書いていて、ヤツら支配者のあまりにも卑劣なやり口に、怒りと情けないやらで感情がたかまり、表 現がどんどんまずくなるのがわかる。
※日々の公共の報道で文字化されている事実のなかに、公然ときっちりと表現されている支配の事実を丹念に整理されつづられているのが三五館刊「略奪者のロ ジック」(響堂雪乃著)。この文書の個々の感情入りの文章はそちらで自分で整理するのがいい。

◆社会主義の崩壊で失ったもの
 あまりにも忙しすぎたスターリンは、第2次世界大戦に引き継ぐ東欧革命の動乱、極東での朝鮮戦争の後の政治戦略の構築をしきらなかった。この後も、敵の 社会主義撹乱と人民への弾圧は間をおかずに、ベトナム戦争そして中東戦争へと続くのだが、スターリンは老い後継者もいなかった。
 中国の毛沢東はソ連のスターリン批判から始まる社会主義内部からの崩壊の影響に危機感をつのらせた。
劉少奇・・小平に代表される「改革派」なる内なる資本主義派の連中への国内のシンパの広がりと闘う文化大革命を起こす。
 文革は永続革命を訴える。しかし、文革で実現するべき目標、すなわち革命の主体たるものが打ち立てるべきビジョンの明確化が不鮮明なままに終わった。
 革命を内から崩すことにたいして闘うことは、多数からの同意を得られるのだが、では文革で実現する人民社会はいかなるものか、実現するために、どのよう な敵とどう闘っていくのか、という点で具体論に欠けた。
 世界中の反動派はこのときぞとばかりに、毛沢東のやり方をあなどり、劉少奇と・小平とその一派にたいして全面的な支援をした。結果的に毛沢東と革命グ ループは「時代錯誤」のような印象を残したまま、たび重なるクーデターを得て・小平の全面勝利となって一段落した。
 文革が「革命は最後の勝利まで永続革命を忘れるな!」「例え最初の文革の一撃が敗北しても、教訓を活かして勝つまでくり返すのだ!」という貴重な歴史的 な遺産を残したのだということである。
 文革がただの騒ぎであったかのように意識的に忘れ去ろうとしている。その後中国は表は社会主義の顔をしながら、かつて社会主義・共産主義のなのもとに ファシズムと闘い、米帝を震えさせたときのこわもてを利用している。一方ではなりふり構わぬ資本主義を導入して、かつてない差別社会が実現されている。
 ソ連と東欧はまたたくまに崩壊、資本主義の土俵の一員となっている。あたかも資本主義の土俵でのやりとりが、世界のすべてであるかのように振る舞ってい る。
 社会主義の消失により、社会主義をめざした指導者を歴史の悪者にする暴露がなされる。社会主義の実態という偏った一面をつぎつぎと明らかにし、その存在 がいかにあだ花であったか、悪夢であったかをマスコミは報道した。世界中の人民は意識が引いた。
 かつて社会主義がめざしていた人民の利益を代表する思想、勢力、国家が、現代においてきれいになくなったということである。現代の人民の嘆きはここに集 約されている。
 人民の利益、人民の幸福とはもともと、インターナショナルであり、イデオロギーや宗教や国家の利益の枠を超えたところにある。現代の人民の多数は、全世 界において小さな支配する側にとって都合のよい規模の、何重の枠に閉じ込められて、管理支配されている。数では1%の支配者による、99%の支配が完全に 実現されている。
 人民は目先の利己主義にもとづく卑近な利害で対立し抗争することにエネルギーを使わされて、主要な敵に向かうことを見失っている。支配者からみると、ま さに理想的な支配構造が完成している。
 ときどき、湯気抜きとしてさまざまな敵の暴露がなされるが、それ自身が敵による計画となっている。
 いまこそ、人民自身の利益とは何なのか、幸福とは何なのか。それを阻害しているほんとうの敵は、何、誰なのか。それと対決し、勝利していく道筋はどうす るのか、ということを再構築することが望まれている。正義というときに、その揺るがしえない基本は単純だ。他人に迷惑をかけないこと。犯罪とは他人への迷 惑のことと言ってもいい。それを基本理念にした平和と自由。これこそが人間生活に大切なことで、きたるべき社会主義とはそのような理念をもったものあると きに、求心力となりえよう。

◆世界金融資本の暴走とTPP
 現在をどうみるかということは、革命の認識にとってきわめて重要な課題である。革命の陣営の立ち遅れは、まさに人類の歴史の進展の今について、科学的社 会主義をとなえながらも、正確になしえなかったからと言わざるをえない。
 レーニンやスターリンの時代は帝国主義と革命の時代であった。これが現在も続いてほしいというのは、単なる願望であって、現実は違う。決して単純な革命 の時代ではない。
 社会主義の崩壊によってもたらされたのは、いわば頭(ず)に乗る資本主義の末期的な暴走から、当然の行きつく先としてのギャンブル経済と詐欺師政治の横 行である。
 金融資本とかれらがつぎ込む資金で動いているグローバル企業に圧倒的な利益が集中する経済の仕組みをつくりあげた。彼らはそのカネで有頂天になり、日々 ギャンブルにうつつをぬかしている。そのカネで詐欺師を政治家に、詐欺師を経営者に雇い、ヤツらのいう「新世界秩序」(※)の実現に突き進んでいる。
 世界中の人民は、ヤツらが繰り広げる市場での遊びで大きく揺れ動くマーケットの動向に、いいように振り回されている。多くの人びとには無関係のギャンブ ルの犠牲になっている。やれ円高だ、やれ円安だと。こうした経済犯罪が日常的に、合法的に行なわれている。
 今は国が深くギャンブルに加味している。カジノ誘致などというのはそのひとつだ。パチンコ、宝くじも公営ギャンブルだ。しかしこれらはまだ庶民のささや かな遊びという側面もあるので、許されるかもしれない。問題は、国がストックする年金などを財テク運用などとして、合法的に相場マーケットに巨額を投入し て、結果巨大な損をしていることである。時々刻々変動する相場は基本的に人民は関係ないが、このギャンブルで簡単に国家予算程の損益が動き、その影響は人 民に多大な迷惑をかけ続けている。
 世界的なギャンブル経済で一握りのそこを支配するヤツらに、常にいいように踊らされている。自分はただのゲームで常に犠牲になるのは、そこに巧みに誘導 されて参入したものである。いま某内閣がやろうとしている参入者へのNISA 投資減税などというのはまさしくこの誘導詐欺である。このような ことに参加して仮に一時的とはいえ利潤を得ても、その行為は労働ではない。巨額を手にすることが詐欺師社会の成功者であるかもしれないが、それは人民に とっては合法を背にした強奪者・犯罪者であって、恥知をしるべきである。
 日本政府みずから、年金などで集めたカネをここで、為替介入とか資金運用などといいながら年間数十兆円使いまくっているのだ。事実上これらは永遠に換金 されない米国債とかを通じて、人民の貴重な資金を世界金融資本に貢いでいるのである。破たんを目前とした米財務を補佐しているのである。ヤツらの本音は国 家予算の200年分のとほうもない借金なので、米国自身をも財政破綻させてそのどさくさで、借金棒引き・チャラをすることだ。某国内閣も国家財政危機を口 では言いながら、税金を湯水のごとくギャンブルで使い、外国にわいろ(ODAとか)をおくり、大企業にばらまき、借金を極限まで膨らませることに余念がな い。日本の財政危機も、彼らにとっては返済して正常にもどすのではなく、明らかに破綻をしてチャラを狙っているとしか見えない。もちろん、そのつけは人民 が負うのでヤツらが負わないからである。
 ヤツらに雇われている詐欺師政治家たちは、これをいっさい取り締まらないばかりか、いいなりになっていかに助長するかに日々やっきだ。真実の報道を投げ 捨てたマスコミがその誘導におおきく加担している。
 企業は消費者、労働者、経営者、資本家(投資家)の四者でなりたっているものであった。しかし、いまは完全に暴走する投資家ひとつに握られている。雇わ れている詐欺師の経営者を前面にたてながら、利益は真っ先に99%をすいあげ、残り1%をめぐむという仕組みを完成させた。
 投資家といっても寡占化が頂点に達していて、いまや世界中の一握りが全体を支配管理している。現代において、企業はさも世界進出が当然のことのごとくも てはやされる。グローバリズムという魔物である。ヤツらは労働者のあらゆる要求を拒否しているが、そのときのふるった言い分が「わが企業が世界で競合に負 けてもいいのか」である。この脅迫にたいして、抵抗する者がいない。まるで水戸黄門の印篭である。
 ヤツらはタックス・ヘブンというあらかじめ用意した道を利用して利益を隠す。さらに関連企業の連結決算を利用して利益を隠す。国内においても本社所在地 での納税は主に地方を限りなく疲弊させている。
 日本人の生産性向上の能力は素晴らしいものがある。半世紀前、一世紀前と現代では桁違いの生産性を実現しているのだ。それだけ価値を生み出しているとい うことだが、逆に所得は極限まで下げられている。以前と比べて比較にならないほど多く生み出しながら、その利益のほとんどが、いまやヤツらに自動的に吸い 上げられているのである。
 現在の労働環境に陥れたものは、企業が正規雇用制を破壊したことである。労働者を単に部品以下としてあつかい、そこにはすべての権利がはく奪された奴隷 の姿しかない。ニートだ、フリーターだ、パートだなどと美化されて導入されたが、とことん無権利状態、低賃金時代、無雇用時代を開いただけである。当然の なりゆきとして、日本がかつて誇った年金制度が崩壊した。さらに現在進行形で「雇用特区」などというものを某内閣が実現しようとしている。ここではまだ一 定の条件付きではあるが、ほぼ自由に解雇できるのだ。労働者もとことんなめられたものである。
 一握りの投資家による悪魔のような横暴は、先の「帝国主義と革命の時代」という規定を大きく変えている。それは国家というものを単なる世界支配の道具に 変えたということである。そもそも世界をまたにかけるグローバル企業に、国家など邪魔以外のなにものでもない。国家はそこに属することが大事と勘違いして いる国民をしばる道具であって、支配するヤツらにとっては自分がそれに支配されるなどということは毛頭思っていない。
 その横暴はついにTPP(※)という政治詐欺を現在進行形で進めるにいたった。
 TPPについてヤツらはその本質を明かさない。決めようとする内容も秘密、先行して加盟している国々が協議してきたことも秘密、知った内容も明かせな い、決めたことでも4年間は秘密というものだ。ここに民主主義のかけらもみいだせない。
 日本の政治家で現在、空前の詐欺師政治家が大活躍だ。2013 年の総選挙で、投票前は「TPP絶対反対」をいい、政権についたら「TPP参 加」を表明、夏には協議に参加する。ほとんどの交渉の内容は、身内の自民党にも、記者団にも秘密だから明らかにされない。始まったばかりなのに、 10 月には妥結を目指す、年内(2013 年)にはまとめるのだという。
 TPPは実は2012 年の初夏に米国の独立メディアがその本質に迫る内容を報道し、ユーチューブなどを通じて世界中に流している(※)。ま た極秘と言われる条文についてはわずかだが暴露されている。示唆する内容はまさに、世界を一手に握ろうとしているヤツらが、国家までをも支配下に置くこと を目指したものであるということだ。
 ISDS条項という。投資家の紛争解決手続のための条項であり、企業が相手の国家に対して「取引の阻害障壁を条例、法律、憲法が阻害している」として賠 償と改定を求めることができるというもの。つまり、ヤツらが取引がうまくいかない理由があると思えば、相手国に賠償を求めるだけでなく、その国のさまざま な規制を変えさせることができるということだ。国の主権は企業の意志の下だというのである。
 食の安全を防衛する手段として地産地消がある。ところがこれは貿易の不平等だといういいがかりで、この条例等を廃止に追い込むという強制がすでに米国と の関係で発生している例がある。
 TPPは単に農業の圧迫などの貿易問題ではない。ヤツらが国家までをも自分の支配下として動かして行こうという歴史的な犯罪なのである。こうした暴走に 進んで協力している政治家、経済人、マスコミはいかに腐敗し、堕落し、民主主義のはしにもかからない事態になっているかを知るべきである。恥知らずの売国 奴である。
 TPPを発案したのは世界金融資本とグローバル企業である。かれらは某政権の幹部がいみじくもいったように、気付いたときには実現されているのを望んで いる。日本でも冷静に見ている者はこの導入に賛成しない。米国内でも反対が多いし、参加国でも自国の権利は譲れないと主張しているのだ。
 注意しなければならないのは、考案したヤツらはトリックを使っていることだ。特に日本は英語圏ではないので原文の翻訳を意識的に間違えて、コトがささい なように見せかけている。しかし、暴露されている内容(※)を吟味すれば、明らかに国の自立権の売り渡しである。農業はもとより、公共事業も含めたあらゆ る産業が金縛りにあい、ヤツらの全面支配に入ることになる。これが「新世界秩序」である。
 こうした国家、産業の根幹を左右するような問題をどうして内容を明らかにしないのか。国民に内容を示して問わないのか。もはや一握りの支配者が、新たな 歴史のステージで公然とした陰謀を実行しているのだということを、人民は冷静に認めなければならない。
 幸いだが気付いてきた人は多く、特にTPPが妥結して実行に移されれば、吹き飛んでしまうほどの影響をうける国々では、売国奴の交渉人を除いて強硬な抵 抗をしている。米国内の工業や産業、農業が大打撃を受けるので反対している。流入する安い労働力と資源にどんどん破壊されていくのがわかるからだ。利益を 得るのはグローバル企業だけである。ヤツらは保証された資金で国境を越えて安い労働者と安い資材を動かせるので、ここで独り勝ちしたい。この露骨で獰猛な 悪魔のもくろみは受け入れがたく、TPPの最初の工作は失敗する可能性がある。
 そのひと押しは日本でもなされなければならない。
※新世界秩序:戦後の自由主義国をわずか数十から集百に増やすことによって、平和と自由圏を拡大したのは米国だ。米国はその責任をもって世界の憲兵として 動き、暴力をもってでも増やす。テロの脅威や人権の擁護のためならその国を軍事で消滅させてでもやりとげる。一方では平和のために世界を管理しやすいよう に地球上の人口を20億人程度に減らし、その後の千年王国を気付く。そのような主張を展開するネオコントも呼ばれる思想。
 ちなみに、戦後のアメリカの繁栄は日本をはじめとする世界各国にたかりまくって強奪した資金に依存したものだ。
※TPP暴露:https://www.youtube.com/watch?v=WFY-z1PcjT8&list= PLCD39340BAFC7C910
※「TTP が民主主義を破壊する」苫米地英人著⑭サイゾー発行

◆ジョージ・オーエルの「1984」か
 J. オーエルの「1984」(1948 年発行)はソ連やヒトラーの全体主義を批判して書いたといわれている。しかしその内容は 現在一握りの危険な犯罪者一派が実現しようとしている社会を想像させる。
 ヤツらは第二次世界大戦後、米国という国家を目的意識的に育成し利用している。米国はもともと西洋から新世界の実現をめざして作られた。その理想は米国 憲法にまとめられているという、フランス革命以来のスローガンである自由、博愛、平等だ。
 しかし、現実の米国の歴史は、最初から徹底した不平等、差別の見本のようなものだ。奴隷制を基本とし、アフリカなどから主に黒人を非人間として、拉致ど ころか狩りをして大量に運んで労働力とした。公民権運動などはつい最近のことである。
 その後もベトナム戦争をとりあげるまでもなく、最前線に送り込み平気で犠牲を強いた。
 1984 のニュースピーク、ダブルシンク、ダブルスピークは支配の現実として使われている。国家をさも自由や平等を基本に置いていると見せ るために、米国は「自由の国」という虚偽のイメージを国民に抱かせることに成功している。この一点でも国民をだませれば、あとは思うがままである。
 「自分は誇りある、民主主義の国アメリカの自由な国民なのだ」と国民が信じ込んでいる状態が、支配者にとって最大の好都合なのだ。自由や平等や民主主義 というのは、国民に幻想を信じ込ませて、アメリカというものに囚われ、集めておくための道具としてのものなのである。
 いうまでもなく、国民の小さな仲間の間でも平等などはない。まして、支配者と国民との関係における差別と独裁の関係が多少とも揺らぐものではない。人民 がヤツらと平等などということははなからない。ヤツらと闘う自由も権利もからきし認められない。
 自由も民主も平等も国民(ヤツらは国民ではない)の間で、あるいは他国との国民の間で、不平等と不自由を嘆いていることは許される。テーマが支配者に及 ばないという範囲で自由なのである。
 連合国に組した米国は敵であるヒトラーを悪の枢軸として描く。このときは後日の敵となるソ連と組む。日本は悪の枢軸グループとなる。この戦争で勝った米 国は正義と自由が勝ったと国民をはしゃがせ、これ以来世界の憲兵としての行動、すなわち相手が悪の国なら米国がしゃしゃり出ていき、たたくのは当然だとい う狂った認識を植え付けるのである。
 全世界の平和のためでも、自国民の利益のためでもない、支配者の利益に反するものに敵というレッテルを貼りさえすれば、地球上どこでも荒らし回れるとい う特権を自分だけが持っているのだと思わせる(※)。
 正義は自分の方にだけあり、相手はやっつけられて当然なのだという図式だ。自分の庭先のキューバで、ベトナムで、チリでと戦後休むことなく続けた。ベト ナムでは敗退したが、少しもくじけない。「あのとときはやり方がまずかっただけ」という論理を展開する。
 核開発では兵士を実験場でさらす。広島や長崎に核をおとす。ベトナムでは枯葉剤を撒く。イラクやアフガンではウラン弾を使う。無数の地雷を使い、ナパー ム弾、ペンシル爆弾で子ども等にむごい犠牲を強いる。「人権を擁護する」ためだという。
 特権は神から与えられたものとして行う差別と弱国へのいじめを正当化する。核開発、生物兵器、化学兵器の開発と使用する権利は、特権を持つ自分は自由だ が、他国、弱小国は絶対に許さない。北朝鮮、イラン、イラク、アフガンなどをいじめ倒すのである。
 チリのCIAクーデター、パナマでノリエガを麻薬王として他国の将軍を逮捕投獄裁判する。イラクのフセイン大統領、リビアのカダフィ大統領に対する公然 の暗殺宣言、そして実際に殺害した。ヤツらに国境はない。経済の世界ではとっくになくしているが、このころから政治の世界にもちこんだ。
 芽の内に摘み取るとして、空爆、ミサイルを放つ。ここには国として自立権も認めない。崩壊するまで容赦しない。昼夜なくステルスを飛ばし、衛星と無人機 で偵察し、無人機がミサイルを放つ。
 相手国の弱点をあげ、なければ偽造してでもやり遂げるというのが現在である。「テロをしかける疑いがある」と思っただけで、証拠は問わない。「テロリス トをかくまっている疑いがある」「大量破壊兵器を作ろうとしている疑いがある」と先にいうだけで、自由に相手国を蹂躙できる。強姦の論理そのものである。
 こうした国際的な犯罪を、まさにいまシリアで実行に移そうとしている。誰もその犯罪を口に出さない。そればかりか、証拠も問うことなく、某国首相は「犯 罪を支援すること」を宣言した。そもそも内閣にも、議会にもはからずに犯罪を支援すると言える権利もヤツにはないのにである。
 日本は連合国であった米国に従属を強いられ、太平洋の不沈空母として位置づけられ、経済国として貢がされている。日米安保条約から発展し、現在は軍事、 経済のあらゆる分野で従属国として完全に属国とされている。
 そして、いまTPPで完全に世界金融資本とグローバル企業に国を献上しようとしている。某国首相は、憲法を自由に変えられるようにしようとしている。特 別秘密保護法を通そうとしている。自衛隊を国防軍とし米軍の一部として地球の裏にも派兵しようと準備している。国民番号制を導入する。
 地球を支配する一握りのヤツらにとって米国は例外ではない。米国という国家を詐欺師政治家を通じて支配し、利用しているにすぎない。世界レベルでも、国 レベルでも、企業レベルでも、ヤツらの支配を支えている道具はまさに、オーエルが描いたものと重なる。
 魂を売った取り巻きどもと、情報を操作するマスコミと、IT技術である。マスコミは真実を報道するという使命は今はない。情報の操作と誘導のために存在 を許されている。IT技術の進歩は目覚ましいのだが、この技術は支配者がカネに糸目をつけずに用意し、支配の道具とする。
 ヤツらはたった70 億人の人間の数の管理などへでもないと思っている。個人情報保護を名目にして、実個人情報の完全掌握を目の前にしてい る。世界中の無数(数えられないという意味ではない。単に多いという意味で)の組織に、無数のエージェントを派遣して、あらゆる組織を自分の手中に収めて いると思っている。少なくとも管理下にあり、自分に敵対する人、もの、要素を事前につぶせる段階にきたと思っている。
 テロというのは現政権に対する反抗を力で行なう行為で、人類の支配がはじまったときからのもの。たいていの場合は現政権が間違っているときに、人民が抵 抗して覆そうと闘うことをいう。クーデターもそうだ。現政権からすると自分の悪は棚に上げ、正義と決めつけ、抵抗する者を悪と決め付けてかかる。
 先に相手をテロだと染めてかかる。この紋どころが目に入らぬかという水戸黄門の印篭がここでも登場する。テロリストの決めつけに、納得はしないまでも、 現在の平和を乱すやからは取り締まってくれなきゃこまるという感覚をもつものが多い。正義と真実の報道をしなくなったマスコミは政権の手先となって、相手 を悪として洗脳、誘導する。もともと争う気などない多くの人民側からしてみると、いつでも一方的にテロリスト、敵、現政権から追求される側になってしま う。
 しかも憲兵である米国が口にしたとたんに、世界中からさも敵とみなされてしまう構造がつくられたのである。
 現在エシュロンで世界中の人民の個人情報がリアルタイムで一元的に監視されている。もちろん、表面的に米国と政治的に競合しているように見える大国であ る、ロシアや中国なども同様の仕組みを使っているのはいうまでもない。ここで、熱心な取り巻き、自分が国民と思っている者、どうでもいいと思っている者、 お上にいいと思っていない者、熱心な反対者に大まかに区分けされる。熱心な反対者と組織は集中的に監視下に置かれる。組織にはスパイが送り込まれる。
 スパイはその組織をせん滅すると決めたときに活躍する。ヤツらが意図した場所で戦争をしたい、あるいは紛争を起こしたい、ときには余った兵器を消費した い、前線に兵士として送り込んで消耗したい等々の邪悪な行動を起こす場合にも、口実として利用する。マッチ・ポンプである。
 歯向う個人、組織は現代社会ではおおかたヤツらの監視下にあると思って間違いない。ただ、うぬぼれているヤツらは本当の抵抗とは何かを知らないし、知り えない。その政策がそもそも支配者の手段、手口ではあっても正義でも真実でもないことに気づいていないからだ。多くの人民が巨大な現代の支配の構造に気づ いていないように。
 オーエルの1984 での支配は一方的で現実味がないように思えるが、支配の構造は深い考察が反映されている。現在にかぶせても何ら不自然で はない。ただヤツらは、もっと監視を楽にし、やりやすくし、誤差をすくなくするために、つまり分母を少なくして歯向うやつの絶対数を少なくするために、 70 億人を20 億人程度に減らそう(グローバル2000 ※)という目論見がある。
 そのためにさまざまな試行錯誤の政策を実験してきた。
 解りやすいのは戦争だが、たとえ幾ら非常事態でも露骨なだけに面倒で実際に効率が悪い。局地戦争も期待した効果が得られない。近年に試行したのは、エイ ズ、エボラ、鳥インフル、豚インフルなど細菌兵器だ。人種を選んでできるかもとテストされた。だが、これもリスクは計り知れなくとまどっている。
 効果的だと認識されているのは、食糧管理と薬品管理である。経済のグローバリズムを利用して食糧の消費と流通をひろげ、大量生産・鮮度保持を目的に餌の 段階、輸送の段階、販売の段階で大量の薬品を使うことにしたことだ。消費する人の健康に著しい被害が出ている。少量の添加剤であっても、トータルでは相当 の量を体内に入る。ガン、アレルギー、不妊などの急増である。
 病人が増加すれば医療と薬品と保健が伸びる。ガンは治療で殺されるという時代に突入している。ヤツらには食糧、薬品、保健という企業で何重の利益をあげ られるのである。
 食料と治療で現在ヤツらの目標になっているのは、思考を鈍らせることだ。思考する必要があるのはヤツらと取り巻きだけで、他はバカでいい。支配を続ける にはバカの方がいい、ということから、すでに手中で管理しているマスコミの誘導と一体で進められている。
 元気がでない、疲れる、そこでドリンクのような宣伝がまかり通っているが、さも疲れている、元気がない、疲れているのが日常で、元気をもらったなどとい うセリフが当然のように横行しているのである。だたの宣伝というよりも、人間そのものを小バカにした悪意を感じる。
 このようなコマーシャルは、宝くじの不要なコマーシャル同様に消費者が拒否し声を上げるべきだし、そうした商品を無視することが必要だし、それが民主主 義というものであろう。
 現在はいかなる時代なのか、敵はだれなのか、という論議をするときに、アメリカ帝国主義だと国家をさすようなことでは、もやは的をえていないのである。
※新世界秩序:以前から語られていた支配者の謀略のこの名称を公然化したのは(親父の)ブッシュ大統領。その理論体系はビジネス社刊「アメリカが作り上げ た素晴らしき今の社会」(ロバート・ケーガン著)で公然と展開している。しかしここで隠しているのは「ローマクラブという彼らの思想団体による「環境保 護」を語りながら、人畜管理のためにと称する人口削減計画と、「ハルマゲドンの実現と千年王国」というユダヤ教原理主義者による地球のいったん破滅計画。
※:911が公然たる陰謀の開始をする際の彼らの自信の背景となったもののひとつに、計画書の彼らなりの完成とあわせて、彼らへの抵抗する思想と組織に対 する諜報・スパイ派遣・管理の体制が完成したということ。彼らの陰謀と犯罪を覆す行動は絶対に広がりやがて廃絶する必要があるが、その行動にあたって彼ら が巡らしているシステムをあなどってはならない。

◆経済問題としてのエネルギー問題
 311は計り知れない打撃を日本人民は受けた。2011 年東日本大震災が発生し津波が海岸沿いの原子力発電所を襲った。津波は青森、岩手、 宮城、福島、茨城、千葉という太平洋岸を根こそぎ洗い去った。そればかりか、福島原発を揺るがしメルトダウンという事態を起こし、死の毒は周辺ばかりか全 世界中にばらまかれている。
 この事態は自然災害ということにされ、世界中を巻き込んだ責任はだれも取らなかった。何の罪もとわれないままの無責任は今も続き、解決のめどすら見えて いない。
 何十万人の生活を破壊し、全世界に多大な迷惑をかけた世紀の犯罪である。
 某国の首相はこの事態に至っても、世界に原発を輸出するセールスマンをしているのだからこっけいだ。この取り巻きは国民の声や意志をまったくみない。み てるのは世界と地球を牛耳る一握りのご主人さまである金融資本のヤツらである。
 ヤツらが推し進めた原発は地震国日本に50 余基。原発の技術はまったくの未熟で危険極まりないもの。これを安全、未来の、夢のエネルギーと つくろってせっせとつくってきたものだ。戦後の日本経済にとって最大の経済詐欺事件である。
 技術が未熟なのを、これから50年後にはクリアする技術ができると偽り、原爆での被爆を経験したのにこれからは無限に必要になる電気エネルギーを安全 に、安価につくりだす夢の発電とだましきった。
 地元の反対派にたいしては執拗ないやがらせを行い、村八分のようにして追い出し、賛成派を外から入れ、賛成派多数をみせかけて強引に実現した。
 50年経っても技術は完成しない。地上に太陽を人工的につくるといった「もんじゅ」「ふげん」である。あと50年あればできると巨大予算を取って、詐欺 をくりかえすのである。計画は古く絵に描いたもちであるばかりか、動かせば百パーセント事故が起こっているのが現実。
 高レベル放射能廃棄物の処理(埋め立てとか移動や濃度圧縮とかのごまかしではなく、自然の無害な物質と同じにすること)は、夢のまた夢のさらに夢であっ て、実現の可能性はいつまでたっても見えてない。一時的に埋め立てる(これでも半減期数万年にたいしてたかだか数十年)の場所すら決められない。世界中の 詐欺師連合そろってだ。
 日本の事故でややもすると、福島の原発のあの周辺を世界中の核廃棄物の永久埋め立て所にする気かもしれない。
 また、原発は核爆弾で使用するプルトニウムを作り続ける。隙あればいつでも核を何かに利用できるということもたくらんでいると言われるのも無理がない。
 嘘で固めた巨大プロジェクトは、それ自身に危険と事故の発生を必然的に孕んでいる。部品数が多いということは点検の数も多く原発では数十万件になる。当 然点検は不可能であり、みずから事故の確率を高めているからだ。
 しかも、こうしたプラントはテロに対しては無防備といえる。どうせここでの発電はあてにされていないし、サギが目的だから危険はないとあなどっているの か。
 福島で発電した電気を東京に送る。送電ロスが60~ 70パーセントになるという。送電という巨大なインフラもいる。安全ならは、永田町に作 れというのは正しい。小型で事故が少なく送電も不要なものなら、経費も少なくてそこれこそ安価。しかし、ヤツらはそのような実用的な計画は絶対にたてな い。
 無駄であること。ちょっとした事故なら起こった方がヤツらの利益になるという、原発そのものが最初から詐欺のテーマなのである。原発を電気が必要なのだ というエネルギー問題として勘違いされているのは国民だ。ヤツらの利益のためなら、国民の安全も関係ないという経済詐欺という国家のからんだ大犯罪が、原 発なのである。
 現に全原発が停止していても、電力はまかなえている。特に2013年夏の例年にない炎天で電力が消費されても、電力が間にあっている。もちろん、そこに は背景として日本人の巧みな節電と代替え発電の開発と利用がある。
 原発は発電をする材料は日本ではまかなえない。一手に握るヤツらから高価で買い続けるしかない。
 原発が犯罪的なのはそれだけでない。古くださく、ぼろぼろの、不完全な設計は、そのメンテナンスに膨大な人力を要する。働くたびに放射線にさらされるの だ。原発の現場は無数のパイプが入り乱れていて見たことのない人が必ず口にする「ロボット」など動かせる余地はないのだ。
 放射線には決めた量以上にさらせない。一定の累積量に達すると原発労働者は続けられない。すなわち、稼働する限り必要な消耗品である。原発労働者の多く は過酷なだけになり手がいなく、おのずとわけありの人たちが集められる。国はみごとにその必要に応えるシステムを実行している。国が底辺労働者を、切れる ことなく供給し続ける。
 原発を再稼働させるときに、雇用を根拠にするが、愚かこのうえない。街がさびれるなどという根拠も話にならない。その犯罪にさらに手をかすのは許されな いことである。どのような犠牲を押しつけてこの犯罪を実現してきたのかを考えれば、雇用だ、街のさびれだなどではなく、別の発展の道をさぐることこそ考え るべきだ。
 エネルギーは送電問題で明らかなように、無駄を避けるためにも地産地消が原則である。事故を最小限にする適正な小さな規模でコストを最小限にすることを 考えるべきである。
 大容量の電気を使用する工場などでは発電装置を持つことをあるいは限定された範囲で融通するような制限を持つべきといえる。
 原発が安価な電気エネルギーを生むのだということがいかにでたらめかは論を待たない。未来の人類まで危険にさらす、未完成の技術を最先端にみせかけた、 世紀の極悪詐欺犯罪である。即廃棄に向って作業を進めるべきものだ。歴代の某国首相で最悪を誇っていた小泉が安倍に最悪を取られつつあるが、これが「原発 ゼロ」を言いだした。動かせば動かすほど吐き出される高放射能廃棄物の処理すらできていない原発はコストも高く、冷静に考えれば廃止するのがスジだ。維持 にかかっている費用を代替えエネルギー開発にまわしたほうがいい、と発言している。
 福島のような事故が起こっただけで、最小限の救済の費用を考えただけでも途方もない経費がかかる。これは忌わしい原発起源の事故であり、負担は別だとい う奇弁は認められない。
 電気エネルギーが先々不足するとしたら、産業の発展過程でのことであるが、そのときも「世界競合に後れを取るかもしれないから原発が必要だ」というよう な脅迫はここでも認めてはならない。