再起第二戦(2020.9.6~9.7)
真夏?の草刈り着々と

中心気圧920hpa、瞬間最大風速80mという強大な台風10号が九州に接近していた。関東でも局地的に雨雲が動き雨の予想がつかない。
海はうねりで荒れるだろうからと思い、釣りの支度はしなかった。これでずいぶん身軽になる。
青空の東京駅を9:20発のバスに乗る。コロナ騒ぎになって以来、道路も混まず快調に走る。館山で乗り換えの待ち時間が30~40分あるが、ちょっとの休憩や買い物にちょうどいい。12:37に現地に着いた。

食料をあれこれ仕込んでいくのも面倒だったので、持っていったのはロールパン6個とオレンジマーマレード、大根の漬物、海苔の佃煮、さんまの缶詰、チョコレート。ビールとレモンサワーの缶4つ。不良山岳部なみの装備だ。

現地小屋の室内気温は34.5度。窓を開け放ち、クーラーと扇風機をつけて蚊取り線香を焚く。庭の炉でも火を焚いた。まずは蚊よけだ。しかし焚きつけの段ボールがしけっていて一箱潰してやっと火を起こした。そのかんに汗が流れる。
冷蔵庫に冷えたビールがあった! やっとひと心地ついたが、汗がとまらない。さらっと食えるもので食事もしないと…。
前回残していった揖保乃糸があるはずだった。探したがみつからない。あったのは、あの太目のうまくないそうめん。汗がたれる。とにかく食うことが第一義だ。こんなときそうめんのスピードにかなうものはない。冷蔵庫にあっためんつゆは一回分ぎりぎりだ。ミョウガも生姜もなしでかき込む。
ここであらら不思議なことがおこった。食事をすると汗がとまったのだ。ぴたりと言ってもいいくらいに。扇風機の風を浴びて快適。なおさらビールがうまい。

夕方までにひと仕事しておきたかった。庭の中央部はほぼ前回のままで草が生えていない。

前回、こいつで根っこから掻きだした成果がでている。しかしその周囲を埋め尽くす雑草はそうはいかない。鎌で刈るしかない。マムシに気をつけながらかなりの範囲を切り拓いた。

4時40分、容赦なく蚊がでてきたので終了。2時間の作業だった。
シャワーを浴びて着替えてさっぱり。浜へでかけてみた。さほど波は荒くない。落ちかける陽に一筋の雲が浮かび、海と浜を照らして怪しく美しい景色だった。
ここに住んでいれば、いつでもこんな景色がみられるのにと思わずにいられない。

明日の力をつけておくために晩飯を食わねばならない。米をさがしたらなんと袋の底に一合しかない。しかしこれで十分だ。つまみ兼用で大根の糠漬けを切って甘酢あえにした。海苔の佃煮と缶詰。
一応満腹感を味わって寝ころんでいると、突然の雨音。パンツ一丁で長靴をつっかけ、薪の山にシートかける。汗だしした洗濯物も取り込む。今回はこんな雨に何度も襲われた。

明日は早起きするかと明かりを消し、布団にねそべってふと窓をみると外が妙に明るい。満月をすぎて二三日の月が上がっていた。なるほどの居待月だ。外へでてみると自分の影がはっきり地に映る。道も稲刈りを終えた田んぼも明々と照らされている。月の隣にとりわけ明るい星がある。火星かな。誰一人いない田園をさまよい歩きたくなる衝動をおさえた。都会では決して味わえない気分だが…。雲の流れがはやい。いつまた雨にうたれるやしれぬ。

翌朝は6時に目が覚めた。上々の時間だ。しばらく寝床でぐずぐすしてから朝食。パンとコーヒー。気温は27.5度。ふつうにしていれば涼しい。
7時30分に作業開始。ところが庭の炉に火をおこし終わったそのとたんにまた雨が。炎がシュンシュンと煙にかわっていく。雨宿り30分。濡れた薪を除けて新しい薪をくべて再び火おこし。一気にカンカン照りになった。


雨にもマケズ。チュウガタシロガネグモが濡れながら中空に陣取る

アカザは花をつけている。この二週の間にかなりの風が吹いたらしく、竹の支柱も傾くほど倒れかかっていた。

青じそがすばらしい勢いで成長していて、紫蘇の実の収穫が楽しみだ。

植え替えようと思っていたアロエ。勢いがでてきたのでしばらく様子見かな。

昨日の倍ほどの草を刈って12時に作業終了。
土手の石垣がのぞけ出るまでに到達した。

左とブルーシートの奥に繁っているのが巨大化したアカザ

平砂浦14:06のバスに乗って、夕刻東京に帰還。

この調子で月二回ペースの草刈りをつづければ、冬には見違える敷地になる。
排水溝の泥かきをして、土手に土を盛って植栽し、いずれは石垣も組みなおしたい。誰をよんでも心地よくすごせる「別荘」をつくりたい。
館山開拓団の精神をよびさましたい!