ぶらり館山(2019.11.16~11.17)
仕事もしました

「万一、私が遅れるようなことがあったら、このqrコードでバスに乗ってください」なんとも不安なメールが深夜に届く。金曜の夜なんて、仕事も飲み会もあるからそんなにあっさり終わらない。
今回も東京駅にぎりぎり集合。三人そろって出発できた。
maiちゃんが缶ビールを配っても、ダーマエさんは前夜のダメージが残って栓も開けない。
10:20発、館山12:10着。ほぼ時間通り。

街を見て歩いて、おもしろそうな食堂を探して、夜はゆっくり飲んで、翌日はちょっと庭かたづけの仕事して、釣りにも行って…と、気楽なミニ開拓団。
なかなかしぶい食堂があるとのことで、まずは一直線にその店に向かう。市役所や警察のある地域につづく道なのにシャッター通りだ。魚屋が店を開けていた。働いているおかあさんに声をかけた。
「ドジョウはないですよね」
以前、駅近くの魚屋でウナギのエサにするドジョウをさがしたことがある。
二件まわったがなかった。ここいらはドジョウを食う習慣がないから、どこにもないよ。と言われたことがあった。odoyaにもなかった。
期待をしていたわけではないが、ちょっと聞いてみたかった。するとおかあさんが言う。
「そんなもん知らんよぉ。ハァ聞いたことねえわ」
いくらなんでもそれはないだろ。館山の人はどれだけドジョウにうらみがあるんだ。魚屋がドジョウを知らないなんてばかな話があるもんか!
ところが聞き違えだったようで、「なぁに、ああドジョウかい」。
店の親爺さんもでてきて立ち話になった。「平久里川でウナギは捕れませんか?」魚屋ならウナギ情報も得られるだろうと思ったのに、話は料理の鰻屋に飛んでしまう。ブラタモリや釣瓶の散歩みたいだ…。

大きな病院の門前にその「黒恵屋食堂」はあった。期待どおり年季がはいっている。

アジフライ定食をたのんだmaiちゃんにおかあさんが「アジは四つ付くんだけど三つにしておこうか?」と。最初からおどろかされる。気さくだ。

食べ終わってからの、おかあさんとのおしゃべり。
娘さんは「いやです!」と店を継ぐ気がないので、自分たちの代で終わるのだと。市役所はいいお得意さんで、「わたしはこの歳まで、市役所には二回しか行ったことがないの。おとうさんが出前のついでにみんなやってきてくれるからね」「泥棒が入ったときも、警察がすぐ近くでしょ。電話なんかしてるより、走って行ったほうが早いの。ずっといる人はここのことわかってるから」
50年もやっている食堂と地元の人たちとのつながりの楽しい話がつづいた。

鏡ヶ浦の石積み突堤をぶらぶらして、渚の駅、odoyaへ。
ビールたんまり、食べ物を買い込んだはいいが、家の近くまでいくバスがもうない。荷物を下げて20分も歩くのはつらい。タクシーを呼んだ。
通行止め解除になった切り通しは、崖や木の崩れたあとがまだ残っている。

夕暮れ前に家に着いた。先日の開拓団で倒木を処理したり、折れ枝を間引いたりしたので庭がやたらと明るい。
今晩と明日の食事計画をしたり、つまみ作りをしようとして、調味料の不足にきづいた。まず味噌がない。砂糖もない。醤油も少しだけ。
買ってきたキンメを旨い煮付けにと目論んでいたのに、、、しかし窮すれば通ずで、ダーマエさんの魔術でみごとな煮付けができてきた!

かぼちゃの親戚バターナッツはmaiちゃんが焼肉のタレで炒めて…。

月がだいぶ上がってきたころ浜へでかけた。ワインとシートを持って。半月よりかなり膨らんでいるので、明かりがなくても歩ける。うちあげられている木を集めて焚火。暖かい。

ゆっくりした時間に起きた翌朝、庭掃除をはじめた。前回間引いた竹や折れ枝の置いたままにしてあったのを燃やした。

昼飯はカップ味噌汁を鍋にあけて、買ってきたシジミを足してうまい味噌汁に。
アジの干物を焼いて、これだけで十分。

午後からは釣り。
といっても、今回は釣竿もエサも持ってきていなかった。街歩きをするのに釣竿は邪魔。駅のロッカーにも入らない。ほぼ諦めていた…。
maiちゃんが自分の竿を持ってきていたので、あとは家置きの竿を使った。エサは岩場で貝をつぶすことにして。サビキのエサは鯖缶、フグ缶、その他まぜまぜにして刻んで。針や仕掛けは焚火さんが置いていったお古を見つけた。


ガマの穂、手で揉むとふわふわの綿のようになって膨らむ

準備万端より、こういうときのほうが大漁の予感はあった。いざ出陣。

岩の上から、打ち寄せる怒涛に竿を出してみるとたちまちアタリがくる。連続だ。しかし海面近くまで引きあがった魚がなんどもバレていく。変だ。採ったエサの貝の付け方が悪かった。針にがっちり付けた貝が食われていない。針も錆びていてこれもよくない。途中からすっかり諦め気分になって、結局全員釣果ゼロ。
ビーチホテルから上道をてくてく歩いて帰る。陽を浴びて疲れた!
ついに残り一本になったビールと酎ハイを開けて、大休憩。


台風で倒れたのを引き起こして救助した木。若い芽が幹から出ていた!

平砂浦から16:26のバスに乗った。市街のあらかわ食堂に寄って夕食。満腹。
新宿バスタ行きの18:30発で館山をでた。この時間はアクアラインが渋滞する。またまたレモンサワーをもらってこくりこくりしていたのでそう時間は感じなかった。30分遅れで新宿着。

ぶらぶら歩きもおもしろい。地図を持って歩かないといけないな。黒恵屋食堂にはまた行ってみたい! つぎの開拓団の昼食でどうでしょう!! いつやめてしまうかわかりませんから。