シークレット開拓団(2019.9.14~9.15)
台風15号の被害甚大

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ただただ飲んで、シークレットに遊んでこようという最少二名の開拓団計画がもちあがっていた。と、そんなところに台風15号が襲来した。
千葉県全域に被害がおよび、内房線は木曜日まで不通だった。開拓団現地も停電がつづいていたが、金曜中には復旧するという情報だったので予定通り土曜日に出発した。
連休中ということもあってバスは満席。館山の祭り「やわたんまち」も中止になっていたので交通規制もなかった。
昼過ぎに館山に着いて、ぶらぶら散歩。しゃれこうべのお客さんで実家がケーキ屋さんの人がいる。その店をたずねたり、あらかじめ狙いをつけていた「あらかわ食堂」で昼食をしたり。のんびりして現地入り。

さあ、現地に入ってみて驚愕した。予想以上の惨状が待ちかまえていた。
大木が土をえぐり根をむきだしにして倒れ、あるいは傾き、折れた枝が無数に散らばっている。


駐車場からの眺め


物置側のマキの木と竹が倒れて

家に入ってみると、電気がつかない。水道の水もでない。予期しなかったことでもないので、「やっぱりサバイバルか…」とあきらめながらも水がでないのには困った。村の防災スピーカーが救援物資配布のアナウンスをしていた。すぐ近くの公民館分館で配っている。
寸胴と鍋を持って水をもらいに行った。手で持ち帰るのがなんと重かったことか。2リットルの水ペットボトルも二箱12本もらった。
近隣の家では断水はしていないのになぜかと思いながら。

あきらめていた電気がその直後に通じた。部屋の照明もクーラーもつく。水は充分にあるので一日くらいはこれですごせる。
あらためてあたりの様子を見にでると、つまった排水溝にさらさらと水が流れている。台風の雨水が浸みだしているのだろうかとも思ったが、それにしても勢いがありすぎる。よく見ると水道管(塩ビパイプ)が倒木の根にはじかれて破損し水が噴きでていた。元栓を閉めて水はとまったが、台風のあと6日間も水が出っぱなしだったことになる。家につながる切れたパイプは土にうずもれてわからない。
水道会社の営業時間は終わっていた。

家の様子を前日に見てくれた人や、径(みち)にかぶさった倒木をかたづけてくれた隣家に御礼の挨拶まわりをした。
水が出ないわけを話すと「明日の朝、みてやる。おれは水道のことはよく知ってるから」と、こころづよいお言葉をえて。
あとは予定どおり二人で飲むばかり。昨夜は満月。すこし雲はでていたがなにごともなかったように月は輝いていた。

翌朝7時すぎに隣家の人が戸をたたいた。早すぎる。眠い。
工具をもってきて、泥のなかからパイプの切断口を掘り出して接合してくれた。
「1時間たったら接着するから、水をだしてみなよ」
水は出た! が、勢いがない。水道会社に電話してみると日曜なのに作業員の手配をしてくれた。さすがに専門家で量水器のメーターを取り外して掃除してくれて完全開通。

昼前に駆けつけてくれたクロちゃん(兄)が、屋根のてっぺん板が吹き飛んでいるのをみつけた。屋根を下から見あげただけではわからなかった。雨になれば水が入るのは必至だ。夜から雨になる予報だった。
公民館でブルーシートの配布をするというアナウンスがあった。さっそくもらいに行って、応急処置。

電線を圧迫した枝を切りおとし、最低限の処置をして3時半に撤収。


電線救助

シークレット開拓団がとんだ復興開拓団になってしまった。
庭の青空は広がり、家の前の荒れ地に壁のように繁っていたダンチクはなぎ倒され、物置側のマキの大木や竹も倒れて、悪いことばかりではない。
倒木の処理がたいへんだけど。
膨大な薪がつくれる!