開拓団・園芸部(2017.10.8)
アカザ採り

発芽させて生育した栽培アカザのたくましさがいまひとつだったので、「もっと太い」野生のアカザを求めて採集隊が出かけた。

場所は栃木県小山市と下野市の周辺。私の友人が犬の訓練所をやっている所で、8月に訪問して大きなアカザの群生地を見つけていた。しかし三、四日前に連絡をとってみると、あの広大な群生地はすべて刈られてしまったとのこと。
「あちこちに生えているから、探せばあるよ」と言うし、実際に道端に生えているのをいくらも見ていたのでいざ出発。

cさんの実家が近くなので、頼りになった。
シャベルや枝きりハサミも貸してもらえる。さらにcさん父上もアカザ刈りに同行してもらえるとのことで、心強い。
父上が作ってくれるスッポン鍋も楽しみにして、、、

しゃれこうべ10時出発。
隊長三才さん、案内人cさん、音、maiちゃん、やっしー。小金井駅でピーちゃんが合流するという予定。
栃木へ向かうcさんのナビは首都高に入るまえから100%無駄なしの完璧!
東北自動車道を快調にとばすも、やがて予想外の渋滞に。
まずcさん実家を訪問。広い敷地に母屋、新宅、かつての蚕屋、作業場などの建物がならんでいる。さすが1200年の歴史。
すでに用意されていた工具や軍手を積み込んで、父上も自分のバンに乗って車二台で出発。

小金井駅で待っていたピーちゃんを迎えた。
「遅いよ。1時間待ったんだから!」
「ごめん、渋滞を計算に入れてなかったんですよ…」

ここから一路南下。鬼怒川に近い友人宅をたずねて挨拶し、あたりのアカザ情報を得ていよいよ刈り取りに…。最初の空き地は草茫々のなかにアカザが混生。


掘ったアカザを、枝付きのままひきずるピーちゃん。

ここから先は、地元父上の独壇場で、あたりの畑道を縦横に走りまわる。
軽トラでもない乗用車が二台連なって…、絶対におかしな不審車だ。
50ccバイクに乗った地元民が、われわれの周りを執拗に二度も走りまわった。正しい行動だ。

鬼怒川の土手沿いに上流へ向かう。

蕎麦畑の白い花、大豆畑の色づいた葉、その先にはみわたす限りのアカザの原が広がっていた。しかしこういう所の物は刈るには丈が足りない。

先頭を走る父上は運転しながら、大きなアカザを見つけると車を止める。
二番車の隊長がつぶやく「あっ、また見つけたみたい」。
ハンターのようだ。おかげで収穫アカザもしだいに増えていく。
腹もへってきた2時すぎ、引き上げにかかって、ふたたびcさん宅へ向かう。

向かいの畑にもアカザの藪があって、ここでも収穫。

お宅へあげてもらうと、お婆ちゃんも歓待してくれた。
黒ラブのブラッキーとも遊ばせてもらって…久しぶりに大きなワンコとじゃれた。

台所から運んできてくれたのは、昨日から煮ているトロトロのスッポン鍋。


スッポンの頭が、、、


ざるに大盛りの蕎麦も。チダケをダシにして、茄子の入った蕎麦つゆでいただきました。話には聞いていたけど旨かったですね!
胡瓜と干瓢の佃煮も!

最後に、とっておきの場所があるんだけど行くかと父上がそそのかす。
市街にある一軒家の庭に、でかいアカザが群がって生えているのだと…
空き家なんだけど、人に見られるとまずいと父上の若干の躊躇もあった。
が、それを放っておく手はない。
「早くいかないと、暗くなっちゃうよ」
「暗くなったほうがいーんじゃねぇか?」
「もっとやばいよ。行こうよ」
「よし」
急遽突撃隊が編成された。
帰りの運転のために酒を飲んでいないcさんがドライバー、総司令官は父上、突撃は私、ピーちゃん見張り役。
行ってみたらすごいアカザの藪だった。
近所の主婦二人がおしゃべりしているのをかわして、車を裏にまわして止め、鉄パイプの柵をくぐって電撃突入。swatだ。
体をねじ込むのも大変なくらい枝がからまって密生している。
よさげな一本を掘って、そそくさと戻ろうとすると、父上が「ついでだかららもっと掘っていけよ。おれも一本持っていって作るから!」と司令官が自らシャベルで掘りはじめる。私は枝切りにまわる。
「これ、太いけど曲がってますよ」
「いいんだよ、あとで直すから!」
おもしろかったな、結局三、四本ほど抜いて凱旋。

戻ると酒宴は続いていて、maiちゃんも、やっしーもいつの間にか台所に出入りしている。ファミリーか!
「来年は前の畑をアカザ畑にすっから、100本は採れんじゃない」と父上は豪語する。たのもしいな、明るい未来がひらけた。
でも「熱しやすくさめやすいんじゃないの」とcさんに言うと「ほんと、そうなんですよ!」。
しかし、このノリがすばらしい。

ビールも焼酎もたらふくご馳走になって、とんでもないほどのお土産までいただきました。

車のなかは長いアカザでいっぱい。
後部座席の真ん中に座った人は、頭の両脇をアカザで挟まれて…
収穫12本。

これで、今年の仕事分は充分。
表皮を剥いて、下地のままの荒ごしらえをして、杖作りの準備ができます。
無類の工芸品をめざしますので、本日の採集の皆様、ふるって杖作りにもご参加ください。

三才隊長、cさん、父上、お世話になりました。
参加してくれた皆様、お疲れさまでした。