第12次開拓団
怪しい御一行様、館山の夜に現る  mai

排水溝から戻った音さんが見せてくれたのはボツボツ鳥肌をたてている両前腕。
そこには、ちょっと信じられないくらいの虫刺され跡と小さな切り傷。

あんなにも虫に食われた前腕というものを、私は見たことがないため、面食らってしまった。
虫刺されや日焼けを恐れるばかり、もはや外気に晒している身体は目の周りだけというヘッポコ隊員であるワタクシとしては、あの捨て身の勇姿に頭が上がらない。

しかし、ヘッポコはヘッポコなりに、よく働いた。とくればビールが待ち遠しい。

夕飯まで待てない連中が、風呂から上がるやいなや部屋の大机の周りに集まり、hnoさん差し入れの韓国高級焼酎を炭酸でわって飲み始める。
ちゃんと働くと酒がうまいよね、とhodaka氏。そうなの、全然働かないで飲む酒も凄くうまいけど。
少し遅れてやって来たhnoさん。
あら、もう炭酸なくなっちゃったの?じゃあ、お湯でいいわ。と、にこやか。過酷な肉体労働後の風呂上がりに焼酎お湯割り!女帝の風格すら漂わせ。

全員揃ったところで、いつもの中華料理店正龍へ。広い調理場内に料理人が4人くらい、それぞれの持ち場でキビキビ動いている。
豊富なメニューは、程よく本格、程よくジャンキー。とりわけ最初に出てきた小ぶりな餃子の美味しかった事!!
音さんとcさんが、テーブルの端で体をよじらせて、何が可笑しいのか笑のツボにはまっている。
一方の悟空さんはハバネロカレーに挑んでいる最中で、どんどん静かになっていく。
みんなの好物えびせんは、バケツで注文しても全然足りない!バリバリ食べたらあっという間に腹の中!

食事も終盤にさしかかった頃、店の外に神輿がやってきて、そのまま通りで休憩となった。

お尻丸出しの男達が地べたに座り、酒を飲み始める。
ギュッとしめたハチマキがお似合いの少女達、そこへ大胆にも喋りかける男あり。
「一緒に写真撮ろう~」そう言って私の携帯を指差し、笑顔でカメラ目線を向けてくる。げげげ、私が撮るの??
「えー、このおじさん誰?」と不審がる少女達とおじさんをバシバシ撮影。ああこれで私も不審者の仲間入り。
その後私は「このおじさん」のカメラマンとなり、ピンク・ソーダの姉ちゃんとのスリー・ショットもカメラに収める。
大人の事情によりupできないのがザンネン。

正龍を出て、夜の開拓団はそのまま「かわばた」へ直行することに。
今回はハルさんとは別の常連さんがいて、館山の風俗事情をたっぷり教えて下さった。
つい最近、友達と6人で上野に行ってきたそうだ。呑みツアーですかと私が尋ねると、バカ、酒場なんかどこだって同じだよ、コレだよ、と、小指を上げて得意げだ。
館山の男は金曜夕方から日曜朝まで飲むんだぞと豪語、えー本当、とママに聞いたら
そうよお、館山じゃあね、金曜から日曜まで飲んじゃうっ、さっぱりしてがんばろう~ってね!
そんなに飲んだら普通さっぱりというよりぐったりでしょ、さすが館山の男は違うよなぁ。

帰り道、いつものキャサリンが浴衣きてるのでまた撮影。あとで見たら音さんの手の位置が怪しい。むむむ。

その後の部屋飲みはいつも通りのバカ飲み。見た目年齢の話でぎゃあぎゃあ騒いで大いに楽しかった。
途中みんなで浜辺に行って、さっちゃんの解説で星の観察。潮の満ち引きに思いを馳せたらしい。

らしい、というのは、記憶が定かではないからで、ただメモ帳に書いてあったのだ「引潮」と。
因みに夜の開拓団メモの最後は次の言葉で締めくくられていた。

「おっぱい外来」

それでは皆様おつかれさまでした。
また次回。