第12次開拓団
oxoxさんの館山開拓団体験記: そこは、女子力アップの宝庫だった!

> ぇ、あれ…、なんで、こんなことに?
人間以外の生物や植物への不可侵、自然との不接触主義を採って半世紀、そのポリシーを貫徹すべくスルーし続けてきた館山開拓団に、遂に参加の運びとなった。
ぇ、あれ…、なんで、こんなことに?

第1日目: そこにあったのは、立派なジャングル

9月13日午後、開拓地域に足を踏み入れると、足の踏み場もない雑草の繁殖力と照りつける太陽がいい感じの演出で、そこは立派なジャングルだった。ん、開拓も12回目と聞いていたけど、未開の地ぢゃん?いきなり愚痴ってみると、誰かが「俺たちだって、ここまでとは想定外だよ」と。出たぞ、近年流行の免罪符「ソーテーガイ」。
ま、でも、ミッションが雑草むしりだから別にいいのだ…いいに違いない…いいのかもしれない…。

到着早々、旅のしおりにあった「隊長の安全祈願」儀式もなく雑草除去の開始となる。そうか、これは儀式ではなく、もともと隊長が心の中で願うという静かなるイベントだったのか?美味そうな薫りを放つ赤い紫蘇、立派な棘を凛と湛える薔薇、竹に美しくも巻き付いたつる草なども、もはやここでは雑草としか評価されない。「生まれた場所を間違えたのさ、悪く思うなよ、ふっ。」とか呟きつつ、親の仇のように一切合財引っこ抜く。

終わり知れない雑草の迫力にチャリさんほか男子1名が敵前逃亡を図った家屋の横側にも、たまたまそこを通りかかったラッキーなnaoちゃんをスカウトし、挑む、挑む。もぅ、ひたすらに抜きまくる。抜いた雑草の山を高く築くことに生き甲斐を覚えつつ、抜きまくる。しゃがんで草をつかみ、腹筋と背筋でググっと抜いて、立って運んで投げる…。なんと素晴らしい全身運動だろう!こんな運動を3時間も全うできる機会なんて絶対に他にはない!これで、明日はスッキリ美脚に違いない。女子力アップだ!

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第1日目アフター開拓: 夜もそれぞれ自由な開拓

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外では、期せずして安房國司祭。ダンジリ祭のような大きな山車が突然ダッシュする様にちょっと笑いながらも、威勢のいい雰囲気を堪能した。

その後、道中、マネキンのキャサリンと「忘れていいの―愛の幕切れby谷村新司&小川知子」ごっこを楽しむ音さんを眺めつつ2次会へ。9時半早々に寝る人々、一人で夜の開拓団を編成して出かける人、部屋呑み3次会に参加する人など自由な館山の夜を過ごしたのだった。

第2日目午前: 竹との格闘

明けて2日目、レストランcocosが満席、コンビニのおにぎりも売り切れで朝食難民と化す。しかし、災い転じて、開店直後のスーパーodoyaで温かい惣菜をget、それぞれ、立ち食い、車中食いでサクサクとやっつける。

まずは、昨日は避けて通った竹の切断にトライする。アタシぃ、のこぎりなんかぁ~、使ったことないしぃ~。取扱説明書を読破するまで何ら戦力にならない私の辞書には「見よう見まね」という言葉はなく、刃物大好きな危ない男・チャリさんからノウハウをこと細かく聞き出してから始めてみる。ギコギコ。

たまたまそこに居たラッキーなnaoちゃんをスカウトし、連携して竹切りに挑む、挑む。もぅ、ひたすらに切りまくる。積まれた竹の山が小さくなっていくことに生き甲斐を覚えつつ、切りまくる。左足でガシっと竹を踏みつつ、右手または両手でチカラいっぱい前後運動に励み、切った竹を腕いっぱいに抱えてどこかに投げつける…。なんて素晴らしい全身運動だろう!こんな運動を3時間も全うできる機会なんて絶対に他にはない!これで、明日は二の腕スッキリに違いない。さらに女子力アップだ!

閑話休題: 女子力サイコー、ヒゲのおじさん

> ゜д゜)つ

第2日目午後: 火との格闘

午後は、切った竹を一斗缶で焼きまくることに挑戦。最初は、火の付いた竹が一斗缶を飛び出す度にギャーギャー、また、火が消えそうになるたびにその辺の男子を呼びつけていたのだが、慣れてくると火もまた愛し。

たまたまそこに立っていたラッキーなnaoちゃんをスカウトし、すぐに萎える一斗缶の火種を励ましてもらいつつ、竜神も登らんばかりの火の盛りたてと竹焼きに挑む、挑む。もぅ、ひたすらに焼きまくる。積まれた竹の山が小さくなっていくことに生き甲斐を覚えつつ、焼きまくる。長いトングで一斗缶をガシガシ突っつきつつ、煙に涙しながら、飛び出した竹をいちいちマメに拾って戻す…。なんて素晴らしい…んーと、んーと…。こんな運動を3時間も全うできる機会なんて絶対に他にはない!他にはないけど…、別に…どこも痩せないぢゃないかっ!女子力停滞。

その間、迫力満点、みかんの木の伐採をちゃっかりと安全な場所で見学。「そう簡単に計算通りの方向には倒れないものなのね…」などとクールに呟きつつ、この大きな木の処理にしても、ずっしり重い雑草の山にしても、自然の力の強大さを教えてくれた。

音さん、三才さん、穂高さんが北東部の竹を切り倒すので、それを受取って置くべきところに運ぶ作業をしたときにもそれは実感する。こんなに細い竹なのに足を取られてフラフラ、その辺にいる人たちの頭を竹の先で殴りながらの運搬になる(笑)。
←(笑)じゃねぇって?

ラッキーなnaoちゃんがたまたま通りかからなかったので、ozさんと交互に、挑む、挑む。もぅ、ひたすらに運びまくる。切る人たちが休まない限り止められないので、仕方なく運ぶ(泣)。テコの原理で重心を遥か上空に持っていかれながら、全身の筋肉を使ってコントロールする。竹を置こうとする時に下を人が通れば、全力で落下速度を抑える…。なんて素晴らしい全身運動だろう!こんな運動を…他人のペースでできる機会なんて絶対に他にはない!これで、明日は全身ホッソリに違いない。女子力アップの総決算だ!

開拓体験の総括

今回の開拓団体験では、人間が一人では自然に対峙することはできないものだということを学ぶ。計画と段取りと規律と知識と技術と人数が必要だ。今回は団長ニャゴさん、団長代行芦坊さんが不在で、その采配力をうかがうことはできなかったが、斥候のような三才さん、お母さん的なさっちゃん、特殊任務の音さん、hnoさん、それぞれに知識と技術を持つゴクウさん、穂高さん、チャリさん、エンジンかぶったチェーンソウの使い手kuwaさん、自分の最適な持ち場を粛々とこなすcくん、maiちゃん、ozさん、一心不乱に女子力を上げるnaoちゃんとアタシも。それぞれに戦力で、ある一定の成果を成し遂げたという実感が得られる点がまた格別だった。

最後にまた、「いこいの村たてやま」が改装中のため温泉難民になりかけたものの、結局「里見の湯」で落ち着いた。強烈勢いのジェットバスでもって、女子力アップの登竜門=筋肉痛にとどめを差しつつ、美味い夜ご飯を食べて、また日常の喧騒へと戻っていくのだった。

次の開拓団を楽しみに!