館山開拓団
第8次(2013/9.14~15)報告

平成25年9月14日(土)~平成25年9月15日(日)
天候:晴のち台風のち晴れ

【探検隊員】
団長代行:芦坊さん
隊  長:三才さん
隊  員:音さん、オニオンさんた、cさん、 maiちゃん、ヤマドリ人、さっちゃん、hnoさん、ozさん、yuzawaさん、ゴクウさん、ヤッシー、そして私の計14名。

9 月14日(土)
朝10時20分、しゃれこうべを出発。ほんの2~3日前に発生した台風を横目で見つつ、今回の作業の重要性を感じながらの道中であった。いつもはさっちゃん号に団長ニャゴさんが乗るが、今回は欠席で団長代行の芦坊さんが同乗した。もちろん車内では他愛の無いおしゃべりで楽しいひと時なのだが、館山自動車道の辺りだろうか、さっちゃんのスマホに電話が。『もしもし、団長のニャゴだが、代行の芦坊さんを出してくれたまえ』『はい、少々お待ちください』とさっちゃん。『ハイ。・・・ハイ。・・・わかりました。』といつになく神妙な芦坊さん。ニャゴさんからくれぐれも気を付けて作業するように宜しく頼むとのこと。行く前にニャゴさん、「オレ団長だから電話しちゃうもんね」と言っていたがまさかホントにするとは・・・。
「このボケ!カス!アホンダラ!の三点セットじゃ!!ワシを誰だとおもうてケツカンネン!!」・・・と芦坊さんの気持ちを代弁してみる。

ウソ、芦坊さん真面目に聞いていた。

行く道、音さんの家に草刈機を取りに寄り、途中の渋滞が少しあって予定より約30分送れでkomeriに到着。今回も事前にさっちゃんが工具を発注していてくれたので受け取るだけだであるが超緊張。なぜなら本日の音さんの格好は祭りの半纏姿で気合が入っている。だれが見てもサンデーパパには見えない。お約束の赤いシールを貼ったら今回は凄いな。ワクワク、ドキドキだ。maiちゃんは「この緊張に耐えられない」と少し後退り。 いよいよかと思ったとき店員さんはビニール袋に工具を入れ始めた。それもシール貼らずに。皆ボーゼン!その手があったか!ということで今回は恫喝なし。少しさみしい。やわたん祭りの影響でkomeriで食事を済ませ、作業場へ予定より30分遅れで到着。先に到着していたyuzawa号と合流して作業準備。

少し緊張気味な芦坊団長代行。さっきのニャゴ団長のお達しの影響なのか少し長めの安全祈願に続き、音さんが今回の作業目的と趣旨を気合を込めて説明した。

作業の中心は井戸さらいである。数十年間放置していたともいえる位の代物。いつも作業で消火用水として利用しているが、全貌はだれも知らない。日曜日にその井戸の水を抜き、底に溜まっている汚泥を汲みだすことが今回の目的。そのために土曜日にチェーンソーで井戸周りの竹の伐採や焼却、排水溝の末端の穴掘りも事前作業として行う予定だ。実はこの作業計画は半年以上も前から幹部会で少しずつ進めていた。井戸は夏にしか作業できないので7月か9月かのどちらか一発勝負だと考えていた。

広場はさすがに竹がないのでホットするが雑草が緑の絨毯のようだ。、。皆それぞれ自分のやるべきことが解かっているので、多くの作業説明は要らない。まずは焚き火。

あっという間に3~5箇所の連続吸血にあう。天気は良かったが台風の影響で湿気が多く草木が湿っていたため炎が燃え上がるまで多少時間がかかる。幸いチェーンソーの混合油があったので少し拝借して火を越こした。もちろん井戸周辺にも。

今回は草刈機とチェーンソーを投入。暫く使用されていないのか、なかなかエンジンがかからない。悪銭苦闘の末ようやくエンジン始動。cさん、ozさんにお願いした。作業場は今まで聞いたことがない機械音が響く。本格的作業音で実に開拓団らしい。cさんもすっかり草刈機が似合ってる。

チェーンソーは少々大変である。足場の不安定な井戸の真上の微妙な範囲を切らなければならない。何回も角度を変えながらの伐採である。真っ直ぐ伸びている竹は優に6~7mは超える。

芦坊代行、三才隊長、さっちゃん、ゴクウさん、yuzawaさん、オニオンさん、ヤマドリ人、hnoさんに運んでもらい裁断後束ねたり燃やしたりと作業もいそがしい。ヤッシー、maiちゃんも排水溝の整備をして明日に備える。

ある程度切れたところで、井戸にへばりついている根っ子の除去。もの凄い力で根っ子が井戸の縁を掴んでいる。チェーンソーで縦、横、斜めにカットしていく。チェーンソー自体はそれほど重くないが、継続して持っているとジワジワと重く振動も気になってくる。

日差しの暑さや蚊の攻撃も忘れるほどの疲労に耐えながら遂にしつこい根っ子を取り除いた。丸い井戸の縁が確認できた。 隊員それぞれの作業で序々に井戸の水抜きの準備が出来上がってきた。

暑さの中14:00スタートだったが16:00をまわる頃には皆お疲れモード。使用した工具をみんなできれいに洗い片付け作業。

翌日の井戸の水抜きのテストも兼ねて、さっちゃん邸から借りた業務用排水ポンプで焚き火の消火作業へ。やっぱり早い。あっという間に鎮火。これで明日の作業も大丈夫だと改めて気合が入った。少し早めに撤収し日帰り温泉に向かった。

部屋飲み用買出しを済ませ幸田旅館へ。

夕食時および夜の開拓団~真夜中の部屋飲みはどなたかのレポートお願いします。

9月15日(日)
朝目覚めると雨の音。やっぱりなぁと思った。台風である。音を立てて風を伴いながら降っている。まさにドシャ降り状態。止んだと思うとまたすぐにドシャ降り。食堂に行き食事を済ませる頃三才隊長が現れた。「今日どうします?」と聞いたら「どうしましょうねぇ」と。それしかない程の天候であった。三才さんが食事を済ませさっちゃんと3人で「どうしましょうねぇ」と。まったく答えがでない。「で、どちらにしても、とりあえず作業場には行かないと」が精々の結論。 部屋飲み部屋に集合して「とりあえず行って出来るところまで、可能なかぎり作業をする」と三才隊長が皆に話す。さすがの開拓団もこの台風には勝てないか。と諦めモードで9時出発。cさん達は念のための雨合羽をkomeriで購入しにいった。作業場に向かう途中でも雨は止んだり、車のワイパーも利かないほど猛烈に降ったりで意気消沈。駐車場で待機しながら雲の流れを見ると晴れ間も出るがすぐに豪雨にもなる。 暫くすると海が晴れてきた。でもきっとまたすぐ曇って豪雨だな。とい思いつつ今のうちにと作業場へ急いだ。

まだ雨は降ってこない。でも降っても大丈夫なように準備する。 一晩中大雨が降ったおかげで、竹は水分を十分含み火を起こすのは容易ではない。昨日同様混合油のお世話になりながら、ようやく頼りない火が起きた。雨はまだ降ってこない。今のうちにポンプを準備し一気に水を抜かなければ。いや、それより海側の排水溝最終地を掘らなきゃ。昨日ここをやり残したことを後悔した。大急ぎでショベルを持ちだし穴を掘ろうとするが、過去に伐採した竹が横たわって全く掘ることが出来ない。掘るよりまず竹を運ばなければ。半ばヤケクソになりながら竹を通路に出した。それをmaiちゃんが運んでくれて、ようやく穴を掘ることが出来た。 土はやわらかく見るみるうちに排水溝から水が流れてくる。掘った穴に水が入り始めた。

これでやっと井戸排水ポンプの準備に取り掛かれる。いや、その前に排水溝にビニールシートを敷かなければ。そのまま井戸から汲み上げた泥水を流すとまたよけいに詰まってしまう。音さんと大急ぎでシートを敷いた。三才さんがポンプの準備に取り掛かった。

昨日テスト運転していたので、設置は早くできた。重たいポンプを井戸の中に沈めてパワーon!電気はどこから?それは後で。

勢いよくポンプが水を吸い上げる。吸い上げた水はホースを伝って東側の井戸辺りで放水される。土曜日にヤッシーとmaiちゃんが整備したところを快調に通り海側の最終地へ浸透していく。

ホースからの水の勢いでまた水が溜まるかと思われたが、どんどん地面に吸収していった。残り1mぐらいの水深でポンプが水を吸わなくなった。竹やゴミが多くなり吸水の目がふさがったからだ。

いよいよ人海戦術がはじまる。一番手は音さん。祭用のダボシャツ、足袋、さらしを巻いて、六尺ふんどし。救命用ロープを付けて気合十分。

井戸にサーキュレータ(さっちゃん邸から拝借)で新鮮な空気を送り込む。電源は最新式発電機。カセットコンロ2本で電源を作れる優れもの。排水ポンプもこの発電機を利用した。

これで酸欠になることはないと願いつつ梯子で井戸に入る音さんを見送る。 井戸の脇にさっちゃんとヤッシーでバケツの受け渡しと救命ロープを持つ。

井戸は1m弱の水を残し、枯葉や竹が浮いている。汚泥で滑ると大変危険な状態。ゆっくり確実にゴミをバケツに入れ引き上げる。白でまとった衣装が5分とたたないうちに真っ黒になった。

10分、20分、30分と経過し体力の限界がみえてくる。無理をしないよういつでも交代できることを告げるが、まだまだと言いながら音さんの作業が続く。

井戸の中は一枚岩盤のくりぬき井戸で壁面から水が滴り落ちてくる。ひんやりとして涼しいらしい。大きなゴミを大方取り除いた後水と泥をバケツに入れロープで引っ張り上げるのだがこれが重い。数人交代でバケツを引っ張り上げるが一人5~6杯が限度(オニオンさんは何杯でもいけるが)。さすがの音さんも疲労困憊。一番バッターを無事勤め二番手ゴクウさんにバトンを渡す。
ゴクウさんはkomeriで購入した胴長靴を履いての作業。落下物と目や鼻を守るため、メット、ゴーグル、マスク着用の怪しい姿で井戸に入る。少しずつ泥水やゴミを取り除いていく。バケツに泥水を入れるスピードも慣れてくると早くなってきた。排水溝にぶちまけるわけにはいかないので、物置小屋跡地に排出する。バケツも2個でつるべ落としの要領で引っ張り上げる回数も多くなる。早くなる分バケツを戻すときに何回かゴクウさんのメットに「ゴツンゴツン」と当たり既に泥だらけになっているが、井戸周辺にいるさっちゃん、ヤッシー、オニオンさん、cさんも既に泥だらけだ。天気の方は雲は早く動くがまだ雨は降っていない。時折日差しも出てくる。だが井戸の泥水はあまり減っているようには思えない。あとどれくらい汲み上げなければならないのだろうか。台風も気になってはいたが、こうなりゃ台風決行で最後まで作業しようと決断し、さっちゃんにお昼ご飯の準備のお願いをした。 発電機のカセットコンロのガス交換時を機に、さすがのゴクウさんも疲れが見えるし、地上の隊員も休憩していないので時間を見計らってゴクウさんを井戸から引き上げてしばし休憩とした。

するとヤッシーが「ゴクウさん、それ早く脱いでください」と胴長靴を指さした。
三番手のヤッシーが既に戦闘モードに入っている。

休憩時間を利用してヤッシー井戸潜入の準備開始。maiちゃん、さっちゃん、が仕度を手伝って、いよいよヤッシーの井戸潜入。多少の心配はあったが、開拓団で井戸に入ることをとても楽しみにしていたから大丈夫だろう。 身軽なヤッシーは飛び移るほど軽快に梯子を降りていった。隊長が「購入した泥水用スコップとペットボトルを半分にした簡易スコップを降ろしま~す」というとすかさず「ペットボトルは今要りません」と隊長に指示。作業再開でゴクウさんよりも早いスピードでバケツ一杯に泥水を入れる。それを引っ張り上げるが、ペースは速くなり重量も増してる感じがする。cさん、オニオンさんと交代でロープを引っ張り上げる筋肉も乳酸出まくり。 地上ではさっちゃん、maiちゃん、hnoさんが昼食の支度をし始めている。

献立はカレーライスだ。私は事前に特盛り2杯と予約しておいた。

ヤッシーの動きが軽快だ。実況もしてくれて「今ここに大量の泥があります」とか、水位が梯子より下になりました」とかこちらも地上にいながら井戸の状況がわかる。3回に1回の割合で泥の割合が非常に多い時があり、「今回は重そうだぞ」と我々は恐々としていた。 また明らかに泥の状態に変化があり、最初音さんが入って泥を汲み上げたときは固かったけどゴクウさん、ヤッシーが汲み上げるころは泥パックが出来るぐらい滑らかになってきている。水に溶けてきている証拠だ。20~30分位たってからだろうか、水位が下がりバケツをつなぐロープが足りなくなってきた。一度上がってもらって休憩とロープを継ぎ足した。すると「私もう終わりですか?」と少し不満顔?
説明しないで上がってもらったから交代させられると思ったヤッシー。 「いや、ロープが短くなったので足そうと思って」といっても信じてもらえてない(笑)

ロープも十分な長さにして再びヤッシー潜入。ロープが長くなると頭に当たることも多くなるが、彼女はそんなことお構いなしに黙々と泥を掻き集めバケツに入れる。それを地上では交代で引っ張り上げる。その繰り返しが何十回続いただろう。「周りの泥が少なくなってきました」と。

井戸は岩盤をくりぬいて出来ていて底は入口よりも広い。水はその周りの岩盤から少しずつ染み出してきているので、当然バケツで汲み上げても水だけは少しずつ井戸に溜まってくる。ここで再びポンプで水を汲み上げようかと相談し決行することになった。今度はあらかじめヤッシーに「ポンプでもう一回吸い上げるから上がってきて」と伝えた。

一度皆にポンプを洗ってもらって申し訳ないが、再び井戸に入れることになった。ポンプは筒状の横から吸水するので、泥が少なければ水を汲み上げるだろうと思ってスウィッチon。・・・・・・。何も起こらない。ポンプが水を吸い上げない。ポンプを引き上げてみると粘着度が高いためかわからないが、吸水するところに泥水が付着していた。諦めて人海戦術に戻るしかない。

気を取り直して、3度目のヤッシー井戸潜入。今度は「水を中心にバケツに入れて」とオーダーすると、これがもの凄い速さでバケツに入れてくれる。一方のバケツを上げるともう一方は井戸に落ちるので、すぐにバケツを引っ張り上げなければ間に合わない。そうこうしているうちに「水が無くなってきました。もうすぐ全部汲み終わります」とのこと。中を覗き込むと、すり鉢状になっている底面の水が確かに中心に集まっていて周りに水は無くなっている。あと10杯もかき出せば任務完了である。ヤッシーは最初に底の周りから丁寧に泥を掻き集めていたので、恐らく井戸の底はきれいになっているはずだ。「もう汲み上げる泥はありません」との声を聞いて、みんなに終了したと伝えた。最後に確認のため音さんにもう一度井戸に入ってもらって改めて目的が達成されたと思った。

井戸から上がってきたヤッシーは全身泥で真っ黒。メットとゴーグルとマスク、胴長靴が全て同じ色でまるで宇宙人みたいだけど、とにかく頑張り続けたのである。

その後お昼のカレーライスをたべた。

気がつけば雨は?風は?台風は?

そういえば朝10:20ごろ作業場に到着してから一度も雨が降っていない。あれだけバケツをひっくりがえすほどのドシャ降りだったのに、いったいどうなっているのか。まだ消滅していないらしい(これから関東直撃)が作業場は晴れている。雨が降ったら作業自体が中止になったので、これは奇跡である。開拓団には何か計り知れない秘密のパワーがあると思わざるを得ない。

井戸の作業が終わるとともに全体的作業も終了的な雰囲気。時計を見ると16:00をまわってる。台風もこれから関東に舞い戻って来るらしいので、あまりノンビリしていてアクアラインが通行止めになったら本末転倒だ。昨日同様皆で工具を丁寧にしまい、消火作業の恒例バケツリレー(東側井戸)で鎮火。作業場をあとにした。

今回上半期総決算の井戸さらいはヤッシーの大活躍で無事終了した。最初はここまでやるとは体力的に無理かなと思っていたが、音さん、ゴクウさんより長く井戸に入って作業を完了させたのは圧巻だ。

また当然ではあるが井戸の作業に集中できたのも、今までの開拓団&先発隊参加者を含む全隊員の力によるものある。
今回も危険を伴う作業が多いなか、大きな怪我や事故も無く、皆の行動に目を配って頂いた団長代行の芦坊さん。7~10mの長く重たい竹を運んでは黙々と裁断、焼却を繰り返し行っていたyuzawaさん、hnoさん、maiちゃん。バールを取られても火の番人に徹したヤマドリ人、工具の調達から食事の準備その他諸々のオーダーに応えてくれたさっちゃん。困った時に頼りになる三才さん、オニオンさん、ozさん。宿の手配や会計など面倒なことを引き受け、飲み屋の熟女ママに無条件に気に入られるcさん。欠席しても皆の安全を気にするニャゴさん。みんなの協力なくしては出来なかった今回の作業。 もっとも音さんが何でもやらせてくれるからだけど。

皆様お疲れ様でした。

ps.井戸作業中にドジョウが出てきた。それもデカイ。

ドジョウは夜行性らしいので元気がなかったのか。また井戸作業中にブヨに刺された。井戸周りをしていた方も数人さされた。ブヨは害虫に属するらしいが、渓流など水や環境にとても敏感なのだとか。それだけ作業場は自然に囲まれている所だ。でもさされるのはイヤだ。

9/19 文責 kuwa