その他みんなの言いたい放題 【その6】三才
夢二夜

学生時代に部活に所属してなかった私は土日は暇を持て余していた。ある日生協で写真アルバムを買ったのだが、その表紙がスイスアルプスだった。

そうだ、登山をやろう!と思い立ってまずは体力作り。区の施設にプールとトレーニング教室があって、そこに通うことにした。今では信じられない話だが、ベンチプレスで50kg、スクワットで40kgのバーベルを何回となく上げることが出来るようになった。

準備万端ということで登山を始めたのだが、貧乏学生だったので、遠出は出来なく近場の山が主だった。確か丹沢だったと思うが、馬鹿尾根という緩い傾斜の尾根がずっと続くところがある。ここを下っているときに妙に体が軽くなってきた。
一歩の歩幅がどんどん長くなる。まるでスキップを踏むようにして下っていったが、もう少し跳ぼうと力を入れて踏み出すとなんと5m近く跳ねるではないか!

どんどん続けていくうちに宙を飛べるようになった。初めは怖いので尾根筋を辿っていたが、眼下に広がる谷を眺めているうちに、よしそっちへ行こうと思い立った。
今や高度も方向転換も意のままである。ところが、かなりの時間楽しんでいると段々にアクセル制御が難しくなってきた。「少し早く」が極端に早くなる。「少し高く」がすぐに雲の上に出てしまう。これに恐ろしくなって「もう降りよう」と思って下降を始めるとどんどんスピードがついて、眼前に岩壁が聳えている。きゃー!

というのも三十代、四十代によく見た夢ですが、つい最近また見ました。