【その45】 |
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今年でかれこれ5回目くらいになるだろう。また1月2日がやって来た。初売りである。恥ずかしながら、いつからか毎年1月2日、杉浦家の父と母と娘は早起きし、日本橋三越の福袋の行列に並ぶ。 血眼になり福袋を取り合う様をニュースで見るにつけ「何て愚かな人々よ」と哀れんでいた、かつての高貴な私はもう存在しない。 買うものは決まっている。毎年同じ。3階ワコールのパンツ10枚セット3000円、限定60組。私は福袋パンツをその年使用する主要メンバーにし、その年の瀬に捨てる。と、堂々と下着事情を語る女34歳。自分の事なので大目に見よう。 さてこの福袋、毎年必ず1枚、ドデカイ昭和パンツが入ってくるのが密かな楽しみで、母はこの問題の逸品を「おばばパンツ」と名付けた。子供の頃にゴム跳びで使用した、世に言う「パンツのゴム」が、しかるべきところにきちっと使用されていて、色は無論ベージュで、頑張れば横隔膜あたりまで包んでくれそうなゆったり感。私はこれをいざという日の勝負パンツとしてタンスの奥に隠しているのだが、そんな勝負の日はいっこうに来ない。しかも、皆さんにとってはますますどうでもいい話だが、今年は私の福袋に「おばばパンツ」が入ってなくて、自分でも驚く程がっかりした。あれを見て、ぎゃあ〜と騒ぐのが好きなのに。 一方の父もパンツ狙い。ボクサーパンツ5枚セット3000円。私からすると馬鹿がつくほどマジメな父にしてはパンツの選択が何だかアッパー、値段も女パンツの倍である。一枚2000円前後の物が入っていて、なるほど男モノのボクサーパンツというのは、デザインといい、立体的な縫合といい、手にとってみると見事なもんだ。 (ここに下着に関する長い考察を入れたが明らかに鬱陶しいので自主的に削除) 父の福袋の中でも、特筆すべき一品はロックスターKISSとのコラボパンツだった。これでもかというほどKISSのロゴが入っている。 驚いたことはもう一つあって、あらためて検品してみたら、ボクサーパンツというのは切り込みが入っていないのだ。 おしっこはどうするんだと父にしつこく尋ねたけど、恥ずかしがって教えてくれなかった。座るのか!座らないのか!と聞いてもはにかむばかり。ボクサーパンツ見せびらかしておきながら、そういう所で恥ずかしくなっちゃうのが不思議。 会場であったすったもんだも書こうと思ってたのだが、酔っぱらってきたのでこんなところで。 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。こんな私ですが、今年もどうぞ宜しくお願い致します。 追記 人間が生涯に使うパンツの平均枚数が知りたいです。 |