今日は休みだ。

朝起きて、梅の様子見る。浸されて潰されても割けない皮の力に感動。
石井ちゃんがくれたニガウリのツルの様子みる。おお、今日も美しい巻き具合だ。
曇天に「もちこたえろよ」と、シーツ干す。

昨日は靴と鞄を電車に置き忘れる夢をみた。慌てて取り返しに行ったら、駅員が「ああ、ありました。鞄を水に沈めたら、ゴキブリ二匹浮かんできましたよ」と顔をしかめるので、恥ずかしかった。靴がないからパーティーに行けないと泣いてたら、ずっと会ってない友達が現れて、駅の靴屋で4500円の靴買ってくれた。うんぬん。

毎晩毎晩、たまらない。これじゃ寝てる間も起きてるみたいだ。夢のカスを養分に、寝具が命宿したら大変だから、今日は徹底的に大掃除だ。洗えるもんは全部洗う。ベッドずらして、畳の隙間に入り込んだバクやロバや昔の友達や駅員を丹念に取り除く。寝台横の窓のさくに産毛のごとくうっすら生えている、ムクドリの雄叫びやゼンマイ時計のチクタク音を一掃して黙らせる。照明の傘にまとわりついてる寝言の数々をハタキで落とす。

パガニーニ聴きながら。

「繰り返し」って好きだ。音楽でも映画でも文学でも「繰り返し」があるものって好き。掃除も繰り返し。やったはずなのに、また汚れてる。それで、前やったのと同じ掃除をまたするんだ。おもしろいな。毎日同じ道を通って同じ場所へ行くこと。酔っ払って同じ失敗すること。螺旋階段降りてく人。くふふ。笑いの大発作の寸前の、繰り返し。痙攣的な美、ブルトンの、牛みたいな目を思い出す。

夜は荒木町で飲む。今日は鮎食う。食べたい。ほんのり黄緑の、美しい、鮎。