その他みんなの言いたい放題 【その2】三才
素材の持ち味を活かさない料理

実はこの文章は酒を飲みながら書いた。
書いた後で井伏鱒二の「川釣り」という本を読んでいると「格調低い話を格調高くまとめる」技術にびっくり。格差に愕然としたが、今更推敲する気もないので、そのまま掲載させて頂きます。

土・日は、三時頃から焼酎を飲みながら、ぼんやりとテレビを眺めて時を過ごすことが多い。たいていは旅番組だが、そういう番組には必ずグルメ系が織り込まれている。
そこでまた必ず出てくるのが、ゲストの「いや〜、素材の持ち味が良く活きていますねぇ〜!」何だと!?当たり前の話だろ。
「いや〜!この烏賊素麺は全く烏賊の味がしませんね。さすがですねぇ〜!」ってのあり?
馬鹿くさいコメントだと思っていたのだが、理科系としてはやっぱりコメントの妥当性の検証が必要です。そこで思いついたのが、素材の持ち味を活かさない料理はあるのか。

皆さん何か思いつきますか? 小生もいろいろ愚考しましたが、辿り着いたのが、禅寺で出す精進料理の「もどき料理」。
野菜とか根菜類とか木の実とか要は獣肉・魚肉以外の材料を使って肉、魚もどきの料理を出すらしいのですが、それが誠にもって肉、魚もどきで素材の味を全く感じさせない(らしい)。
はいそういうことで、「素材の持ち味を活かさない料理」はありますので、ゲストが感心するのも必ずしも間違いではないという結論に至りました。

で終わりではなくて、ここからが言いたい放題です。
お釈迦様は、「目・鼻・耳・口・肌・心の欲望を刺激するものからは遠ざかりなさい。」と教えている。
目〜心の六項目を清らかに保つこと、所謂「六根清浄」ですね。例えば某所で綺麗なお姉さま(目)の、心地よい香水(鼻)と、耳元への囁きにうっとりし(耳)、旨い(&高い)フルーツを喰って(口)、体に触れられながら(肌)、「ひょっとしたら」(心)と勘違いする人がいるようですが、これが正にお釈迦様が諌めることです。
これに鑑みて精進料理の「もどき料理」を考察してみるに、植物由来の素材であたかも海老とか鰻の味を出して、悦に入っている坊さんがいる。
「すごいわねぇ〜、こんな料理初めて!」
「これが豆腐?鰻の蒲焼とおんなじ!」
などと感心している者がいる。
坊さんはそもそも乞食(こつじき)で生活するのが基本。それが自然に反したもどき料理で目、鼻、口の欲望をそそり、騙されて喜んでいる。

みんな地獄へ落ちるぞ!