■ 風の奇跡 ■
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「あ…はぁ…あぁ…っ」

 腰だけをレイヴァンに突き出した格好で、セレムは未だ甘い息を吐いていた。

 そのセレムの腰を捕まえて、レイヴァンは後ろから自分の中心をセレムの中に埋めていた。

 セレムは既に身体中が萎えて、ただ、レイヴァンに支えられている腰だけが高く掲げられていた。

 時折腰を震わせるのは、自分の中にいるレイヴァンの動きを感じているからだった。

「レイヴァ…ン…」

「いい…か…セレム…」

 汗が滴る。

 レイヴァンもセレムも、ぐっしょりと濡れていた。

 陽は高く昇っていた。

 しかし、二人とも気になっていなかった。

 セレムはレイヴァンだけをそこに感じて、他はもう感覚が残っていなかった。

 熱いものが自分の中で猛っているのが分かる。

 尽きない思いが溢れてくる。

 尽きない欲望とともに。

「あ…レイ…あぁぁ…」

 腰を揺り動かされ、その度にセレムは掲げた腰を上下させる。

「もっと…感じろ、俺を…俺だけ…」

 レイヴァンはセレムの中で、何度目かの熱い思いを吐き出した。








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