■ 風の奇跡 ■
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「もっと、もっとだ。そう、いいぞ…」
「はあっ、はあっ、はあっ、はああぁっうっ」
そしてヒースのものがセレムの中で頂点を極めた。
ヒースはセレムを掴んでいた手に力を込める。
握り込まれる痛みに、セレムは前後を失い、悲鳴を上げる。
「いゃあああぁぁぁ――――っっっ!!」
「セレムッ」
ヒースはひときわ激しく、セレムの最奥を突き上げた。
そしてセレムのモノを掴んでいた手の力を抜く。
二人は共に昇天の時を迎えた。
セレムがヒースの手の中に、ヒースがセレムの中に欲望を吐き出すのは同時だった。
そして再び、ゆっくりと時の流れが始まる。
セレムはヒースの腕の中に倒れ込み、全身の力を抜く。ヒースはセレムを抱き締める。
互いに互いの温もりを味わい、かみ締めていた。