■ 風の奇跡 ■
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セレムの中心は痛いほどに張り詰めていた。その堅さにレイヴァンは漸くセレムのものから顔を上げる。
レイヴァンの唾液がセレムの中心にねっとりと付着し、夜目にも生めかしくてかり、今にもはちきれんばかりに、つんと天井を向いて己を主張していた。
セレムはレイヴァンの作り出す感覚から解放され、ホッと体の力を抜く。が、すぐに別の感覚に身悶えることとなった。
――達せられない苦しみ。
幼いセレムの中心はまだ、自力で解放を迎えられないでいたのだった。
セレムはどうにもならない、突き上げるような熱さに身を捩り、レイヴァンに縋りつく。
「レイヴァン太子、ぼく…、どうかしたんだ…ああぁぁ…」
しかしレイヴァンはそんなセレムとセレム自身をそのままに、舌をその根元から股下に降ろして行った。
セレムは己の柔らかな場所に走る生暖かなレイヴァンの舌使いに、尚も一層自身を張り詰めさせる。
レイヴァンの舌は大きく広げられたセレムの内股を丹念に嬲っていく。
「あぁ、いやっ」
セレムは足を閉じようとするも、レイヴァンの力はそれを許さない。そしてレイヴァンの舌はセレムの秘部へとたどり着く。
ねっとりとしたものがセレムのそこへ入り込んで来た。
「!!」
それ迄になかった新たな感覚に、セレムは一瞬硬直する。
レイヴァンの舌が、押し広げられた場所を無遠慮に浸していく。
堅く閉ざされた場所は、まだレイヴァンの舌程の物さえ受け容れるには不慣れで、幼かった。しかしレイヴァンは強行にも両手の人差し指をソコに差し込み、押し開くことで解放させようとした。
「あ…っ!」
押し広げられる痛みと、レイヴァンの舌の生み出す感覚と、そして己自身の行き場のない猛りとが、セレムの幼い身体を打ちのめす。
唾液で十分湿らされ、濡れた舌の代わりに、差し込まれた指の数を倍に増やされた。大剣を握るレイヴァンの太いが繊細な指が、セレムの柔らかな内壁を巧みにそして容赦なく掻き回す。
「うっぁぁ…」
滲み出た涙が、目尻から透明な玉となってシーツを濡らす。
セレムはもう何がなんだか分からなくなっていた。爆発寸前の己の中心と、後ろから迫るものとに、首を強く揺さぶりながら、我知らず己自身を両手で強く掴み上げた。
「あああぁぁんっ、ううっああぁぁ」
得も言えぬ感覚が込み上げる。高く天を仰ぎ、そそり立つそれをセレムは尚も揉みしだく。
「はぁ、はぁ、はぁ、うあ…はああぁぁぁ」
しかし解放は得られなかった。
どうしたら良いのか分からないセレムは、いたずらに自分を高めるだけの行為を尚も激しく続けていた。
「セレム、セレム」
頬を叩かれ、セレムはふと焦点を合わせる。そこに自分を見下ろす人を見い出して、涙を溢れさせる。
「レイヴァン太子…助けて…どうしたら…」
そこには普段の高慢な態度はなかった。
「セレム、力を抜け」
セレムは涙を溜め、レイヴァンを見上げる。
そこで初めて気づく。自分のその場所の入り口に、レイヴァンの熱く猛る物が突き付けられていることを。