まるごとひとつのかぼちゃが 送られてきて、 食べきれないから 半分持って行って、と 母が切ろうとしている。
こりゃ危ないから 床でやるか、と まな板置いて 床上で包丁を刺す
「大丈夫?」 うん大丈夫よべつに、と 言うから かたわらで立って 見ている
「途中までいった包丁を抜くときが いちばん危ないんだよね、 気をつけて」と 言いながら 立って見ていた
母は 難なく抜いた包丁を逆から入れて かぼちゃをざっくりと 切り終えた
私は 気がきかない娘のふりして 八十すぎた母の 能力を試したのだった。