あのころ、 18才の彼はどんなふうに 私のことを思ってくれていたのだろうか。 時々ため息つきながら。
おくてであることを必死に隠して 絶対に話しかけられたがらない私の 思うようにしてくれながら。
支離滅裂な私の手紙に 喜んで真面目に返事を書きながら。
「図書室に放課後いるから」と 教えても来ない私に戸惑いながら。
自分はもう中学生のころの自分ではない、と、 話を切り出せないことに困りながら。