小学三年生

ここから下はポエム

何だい、
君ってば!

網戸をカラリと開けただけで
ただこちらを見ているのだね

まるで
走る列車の窓から
外を見ている人みたいに
「そちらへは降りてゆけない」と
いう顔をしている

私と犬は
君の車窓風景になりきって
知らんぷりで遊んでみる

ほんの昔 同じ風景に
ドアから無邪気に飛び出してきた
男の子がいたことなんか
忘れたふりして
知らんぷりでじゃれまくる

呼びかけてほしいと言うのか?
いやそれはできないよ
窓からただ黙って見ている君へ
それはできない

自分の窓を持った
小学三年生へ
もうそれはできない

ここまではポエム