孤食のリレー

ここから下はポエム

サッカー好きの長男が
先を争って給食のおかわりをするとき
おかあさんは
スーパーで買ったお総菜を一人で食べている

中性脂肪多めの夫が
社員食堂の定食に小鉢を一品追加するとき
妻は
夕食の残りを朝食べた残りをチンして一人で食べている

この街では
いつも誰かが一人でお昼ご飯を食べている

私たちはあまりつながりたがらないのだ
お隣とか更におとなりとか
それぞれの孤食の気配を感じながらも

テレビの前のテーブルで耳をすますと
どこか、どこかで他局の番組の笑い声が聞こえる
それはあなたのわびしい昼食を
誰かが離れて共にした証拠である

ここまではポエム

自分が家で一人で昼食を摂るとき、自分の母や義母や友人や、
いやいや隣の奥さんも・・と、たくさんの主婦が同時に一人で
昼食を食べているのかもしれない、と思ったことを、
谷川俊太郎さんの詩「朝のリレー」の形式をまねて書いてみました。