家族旅行

ここから下はポエム

夏のワンピース (母手作りの)
家族旅行 (北海道への)
ローカル列車 (長万部発)
無人駅に十数分停車 (ワラビダイという)
初めてシャッターを押した (父を撮った)
スナップ写真 (ピンぼけ)
駅前には店四軒 (兄の報告)

黒松内からバス (日暮れ前なのに最終便)
海沿いの崖道 (車酔い・・)
見知らぬ集落 (母が引き揚げた場所)
親類の笑顔 (田舎のひと)
海水浴 (冷たい日本海)

遺骨 (わたしのおじいさん)
土に還っている (三十年間)
かけらを掘り出す (墓地の斜面)
空気に触れる (生きて帰れなかったふるさと)
都会に持ち帰る (おばあさんと同じ墓地へ)

昭和52年 (1977年)
夏の家族旅行

ここまではポエム

※長万部(おしゃまんべ)/ワラビダイ(蕨台)
黒松内(くろまつない)