1984年8月30日、東京で山下和仁とラリー・コリエルの共演コンサートが行われました。山 下和仁による自身でギター用に編曲したムソルグスキーの「展覧会の絵」、ラリー・コリエル によるストラビンスキーの「火の鳥」に続き、2人の共演でビバルディーの「四季」が演奏され ました。この演奏は、各々1曲ずつFMラジオで放送され、この放送を私は聴いていました。 このCDは、その演奏会の直後に、ホール録音されたものです。 山下は、大阪府池田市出身で、府立池田高校在学中に、欧州のギター・コンクールで優勝 してしまったという天才です。とにかく巧いギター奏者なので、この共演盤のコリエルは山下 の引き立て役になっています。コリエルのギターは、ダイナミック・レンジ(音量の強弱の差) が狭く、山下に比べて音の表情が乏しいのですが、コリエルの弾くオベーション製のギター は、元々音量変化の乏しい楽器なので、それも致し方ありません。ただ、ここで演奏している バロック音楽は、元々音量変化の乏しい音楽なので、それなりに良い演奏に聞こえます。選 曲と編曲の勝利といえるでしょう。
------<<<<< DATA >>>>>------
The Four Seasons (RJCD-107) / 山下和仁 and Larry Coryell
MUSIC: 四季 (Antonio Vivaldy) (arrangeed by 大島満, Larry Coryell, 山下和仁, 渡辺香津美) 1.春 Conderto No.1 "Spring" [9'41"] 2.夏 Conderto No.2 "Summer" [10'00"] 3.秋 Conderto No.3 "Autumn" [11'02"] 4.冬 Conderto No.4 "Winter" [8'56"]
PERSONEL: 山下和仁 (classical guitar) Larry Coryell (12 string acoustic guitar)
RECORDING DATA: Recorded at Nova Hall, 筑波 on September 6-7, 1984. Produced by 悠 雅彦. |